ジャンル 芸術の世界

早稲田校

現代美術入門 「芸術」の概念を変えたアーティストたち

  • 春講座

小川 綾子(早稲田大学講師)

曜日 土曜日
時間 10:40~12:10
日程 全8回 ・04月13日 ~ 06月08日
(日程詳細)
04/13, 04/20, 04/27, 05/11, 05/18, 05/25, 06/01, 06/08
コード 110408
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・20世紀の主要なアートの動向について知識を深め、グローバルな視点から作品の背景や作家について学ぶ。
・現代美術を歴史的な観点から知ることで、作品鑑賞の解像度を高める。
・現代美術についての批評的な視点を身につける。

講義概要

本講義は、「現代美術」の入門講座です。20世紀初頭に始まる現代美術は、社会や時代とともにその概念を拡張させてきました。アートの概念を拡張させてきたのは、アーティストたちや数々のアートムーブメントです。20世紀初頭から現代まで、主にアメリカと日本を中心に前衛的な活動を行なったアーティストや美術動向の主要なものを取り上げます。歴史的な背景や時代とともに変遷してきたアートの概念を知ることで、現代美術の実験的で革新的な表現の知識を深めます。また、講座と関わりのある開催中の見るべき展覧会についても随時ご紹介します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/13 現代美術はいつ始まったのか? 現代美術の父、マルセル・デュシャンについて。彼がなぜ「現代美術の父」と呼ばれるのか?男性用便器にサインをして芸術作品とした《泉》を始め、デュシャンが大きく変えたアートの概念について紹介します。
2 04/20 世界に拡がった前衛芸術運動-ダダとシュルレアリスム 20世紀初頭にヨーロッパで誕生したダダとシュルレアリスム。いずれもモダンアートの主要な美術動向です。ダダとシュルレアリスムがその後の現代美術にもたらした影響は計り知れません。ここでは、その始まりから世界に拡がったダダとシュルレアリスム運動について詳しくみていきます。
3 04/27 ブラックマウンテンカレッジとネオダダ、フルクサス 1933年に米国ノースカロライナに創立された学校であるブラックマウンテンカレッジ(以下BMC)。ここでは、ジョセフ&アニ・アルバース、マース・カニンガム、ジョン・ケージ、ウィレム&エレイン・デ・クーニングなど20世紀を代表する芸術家が教え、ロバート・ラウシェンバーグ、ルース・アサワをはじめ多くの芸術家を輩出しました。BMCは、ネオ・ダダやフルクサスに大きな影響を与えました。ブラックマウンテンカレッジの独自の教育方法、そしてネオダダ、フルクサスについても紹介します。
4 05/11 日本の戦後前衛芸術-実験工房、具体、もの派 日本では太平洋戦争で中断、断絶されていた前衛芸術の動きが、戦後に活発化します。1951年、詩人で評論家の瀧口修造のもとにジャンルを超えて若きアーティストが集まり結成された「実験工房」について紹介します。また1954年、兵庫県芦屋では、世界的に見ても先進的な前衛芸術集団「具体美術協会」が吉原治良をリーダーとして結成されます。具体の代表的なアーティストと作品をみていきます。さらに1960年代末から70年代にかけて東京を中心にした重要な美術動向である「もの派」についても取り上げます。
5 05/18 キャンバスを超えて コンセプチュアルアート、ミニマルアート、アースワーク 60年代後半から70年代までアートシーンを席巻したコンセプチュアルアート、ミニマルアート、アース・ワーク、環境芸術についてみていきます。取り上げる主なアーティストは、河原温、ソル・ルウィット、エヴァ・ヘス、ロバート・スミッソン、クリスト&ジャンヌ=クロードです。
6 05/25 絵画から建築・都市構想へ 荒川修作とマドリン・ギンズ 荒川修作は50年代後半ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズのメンバーとして活動。61年に渡米し、その後は公私に渡るパートナーで詩人のマドリン・ギンズと協働します。世界的な評価を得ることとなった荒川・ギンズの『意味のメカニズム』から、建築、都市構想へと至る彼らのアートの枠組みをはるかに超えた取り組みを紹介します。
7 06/01 変わるジェンダー観-フェミニズム・アートと女性のアーティスト再評価 60年代後半から70年代にかけて起こったウーマンリブの流れの中、フェミニズム・アートが生まれます。ジュディ・シカゴ、バーバラ・クルーガー、ジェニー・ホルツァーを取り上げます。また近年、既存の美術史をジェンダーの視点から女性のアーティストを見直す、再評価するという動きが活発化しています。ジェンダーをテーマにした展覧会についてや、女性のアーティストを再評価する展覧会や美術館の取り組みなどを紹介します。
8 06/08 現代美術の最前線とまとめ 近年の国際芸術祭の動向や、現代美術の抱える問題・課題などについて取り上げます。これまでの講義で取り上げたアートムーブメントを社会史とともに振り返ります。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆3/9(土)10:00より本講座の無料体験会を早稲田校で実施します。
◆体験会お申し込みはこちらから。
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/63062/

講師紹介

小川 綾子
早稲田大学講師
修士(文学、早稲田大学)。専門分野は、近現代美術。荒川修作+マドリン・ギンズを中心に、戦後の前衛芸術を研究。現在は、東京国立近代美術館に勤務。「女性と抽象」展(2023年)を企画(共同)。2022年より早稲田大学文学学術院、2023年より法学学術院にて現代美術に関する授業を担当。書籍等著作物(共著)に、『危機の時代からみた都市 歴史・美術・構想』(水声社)、『三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために』(水声社)がある。
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