ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

文学と絵画からみた長篠合戦

  • 春講座

堀 新(共立女子大学教授)

曜日 金曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・04月05日 ~ 06月14日
(日程詳細)
04/05, 04/12, 04/19, 04/26, 05/10, 05/17, 05/24, 05/31, 06/07, 06/14
コード 110218
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・長篠の戦いの虚像と実像を区別し、正確に理解すること。
・長篠の戦いのイメージがどのように形成されたか、理解すること。
・歴史を文学・絵画とともに楽しむこと。

講義概要

天正3年(1575)の長篠の戦いを描いた「長篠合戦図屏風」は、19世紀までに描かれたものだけでも17種類あることをご存じでしょうか。諸本の多くは画面構成や図像が共通していますが、それぞれ異なる特徴があります。長篠の戦いは、かつては武田勝頼の騎馬隊と、織田信長・徳川家康の足軽鉄炮隊の戦いという、新旧の戦法による決戦とされてきました。しかし現在は「鉄炮の三段撃ち」など個々の史実の見直しが進んでいます。一体いつ、誰が言い出したことなのでしょうか? 本講座では虚像と実像を検証しつつ、戦いのイメージ形成を跡づけていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/05 長篠の戦いとは 天正3年(1575)の長篠の戦いに関する基本事項をまず確認します。
2 04/12 「信長公記」と「信長記」 太田牛一「信長公記」と小瀬甫庵「信長記」、それぞれの内容とその違いについて確認します。
3 04/19 「鉄炮三段撃ち」伝説の検証 織田・徳川連合軍の3千挺の鉄炮が、1列千挺ずつ3列に並び、入れ替わり銃撃したという「鉄炮三段撃ち」伝説はどこまでが事実で、どこからが虚構なのでしょうか。長篠の戦い最大の謎を検証します。
4 04/26 「鉄炮三段撃ち」伝説の形成 織田・徳川連合軍の3千挺の鉄炮が、1列千挺ずつ3列に並び、入れ替わり銃撃したという「鉄炮三段撃ち」伝説は、いつ、どのように形成されたのでしょうか。長篠の戦いに関わる軍記物語を検証します。
5 05/10 鳥居強右衛門勝商の物語の検証 長篠の戦いのスピンオフに鳥居強右衛門勝商の物語があります。長篠城包囲網をかいくぐって信長・秀吉に援軍を頼み、その帰路に武田軍に捕まり、磔状態で城中にウソの情報を強要された強右衛門。彼の物語はどこまで真実なのでしょうか、それを検証します。
6 05/17 鳥居強右衛門勝商の物語の形成 鳥居強右衛門勝商の物語は、いつから、どのように形成されたのでしょうか。軍記物語や絵画資料などを検証します。
7 05/24 武田勝頼と家臣団の検証 武田勝頼とその家臣団は、なぜ長篠城を包囲したのでしょうか。そしてその囲みを解いて、なぜ設楽原で突撃を繰り返したのでしょうか。武田軍の動きを検証します。
8 05/31 武田勝頼と家臣団の物語の形成 武田勝頼が家臣たちの制止を振り切って突撃を繰り返し、愚鈍な主君に絶望した家臣団が討死を覚悟し、信玄以来の有力家臣を失った武田氏が滅亡への道を歩む。よく知られるこのストーリーの形成を検証します。
9 06/07 「長篠合戦図屏風」の検証1 17種類ある「長篠合戦図屏風」の多くは同じ場面構成や図像ですが、細部にかなりの違いがあります。1つ1つの図像を比較し、その差異がもたらす意味などを検証します。
10 06/14 「長篠合戦図屏風」の検証2 最古の「長篠合戦図屏風」やその他の「長篠合戦図屏風」の場面構成や図像を検証し、長篠の戦いの虚像と実像についてまとめます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆授業で配付したプリントは、毎回ご持参ください。
◆3/8(金)10:00より本講座の無料体験会を早稲田校で実施します。
◆体験会お申し込みはこちらから。
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/63028/

講師紹介

堀 新
共立女子大学教授
1961年岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専門分野は日本中世・近世史。著書に『織豊期王権論』(校倉書房)、『天下統一から鎖国へ』、『信長公記を読む』(吉川弘文館)、『信長徹底解読』(共編集)(文学通信)などがある。
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