ジャンル 芸術の世界

早稲田校

諸国のオペラ 19世紀以降に各国で生まれた作品たち

  • 秋講座

室田 尚子(音楽評論家、東京科学大学・昭和音楽大学講師)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・09月29日 ~ 12月08日
(日程詳細)
09/29, 10/06, 10/13, 10/20, 10/27, 11/10, 11/17, 11/24, 12/01, 12/08
コード 130452
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・イタリア以外の国で生まれたオペラ作品を知る。
・言語の違いによる音楽の特色を感じる。
・音楽の歴史と共に広がるオペラの世界を知る。

講義概要

オペラは16世紀末にイタリアで誕生しその後ヨーロッパ各国に広まっていきましたが、基本的にはイタリア語で書かれるものでした。しかし、19世紀に国民音楽の動きが高まるにつれ、その国の言葉で書かれたオペラが多数生み出されるようになります。本講座では、19世紀にフランス・ロシア・チェコで生まれた作品、さらに20世紀にイギリス・アメリカ・日本で生み出された作品を鑑賞し、言語や文化の違いから生まれる音楽的特徴や様式について解説します。多種多様なオペラの世界を知ることで、オペラという芸術に対する理解を一層深めていってください。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/29 フランス① サン=サーンス『サムソンとデリラ』 19世紀フランスを代表する作曲家サン=サーンスは、あらゆるジャンルに作品を残し、「フランスの音楽」の確立に大きな貢献をしました。彼が書いたオペラの中で現在でも上演されるほぼ唯一の作品が『サムソンとデリラ』です。当時のフランスで流行していた「グランド・オペラ」とはどんなものかについて解説していきます。あわせて、フランス語の響きの美しさも感じとっていきましょう。
2 10/06 フランス② マスネ『ウェルテル』 19世紀から20世紀にかけてのフランスで大人気オペラ作曲家だったのがマスネですが、意外にも日本ではあまり上演機会が多くありません。そのため、マスネという作曲家自体、あまりよく知られていないのが実情です。ゲーテの小説を題材にした『ウェルテル』を鑑賞しながら、マスネの音楽的特徴、さらには「フランス的」とはどういうことなのかについても考察していきます。
3 10/13 ロシア① チャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』 西欧の音楽様式を身につけた作曲家として、19世ロシアで大成功を収めたチャイコフスキーは、10作のオペラを残しています。その中でもっとも演奏機会が多い『エフゲニー・オネーギン』を取り上げ、時代背景や文化的背景を読み解きながら、「ロシア的」な要素と西欧の要素とが交差する地点に位置するチャイコフスキーの音楽性について掘り下げます。
4 10/20 ロシア② ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』 「ロシア5人組」のひとりムソルグスキーは、19世紀ロシア国民楽派を代表する作曲家。歴史に題材を取った『ボリス・ゴドゥノフ』は、まさにロシア国民音楽のオペラといえます。歴史的背景を紐解きながら、「ロシア・オペラ」の代表作について解説します。
5 10/27 チェコ① ドヴォルザーク『ルサルカ』 チェコの国民楽派を代表する作曲家であるドヴォルザークは、現在、もっぱら交響曲や弦楽四重奏曲など器楽作品で知られています。彼の11作のオペラの中で唯一現在でも上演機会の多い『ルサルカ』を取り上げ、チェコ国民音楽としてのオペラについて考えていきます。
6 11/10 チェコ② ヤナーチェク『イェヌーファ』 ヤナーチェクはチェコのモラヴィア地方で生まれた作曲家で、モラヴィアの民謡など民俗音楽から着想を得た作曲法を生み出しました。その特徴が存分に活かされているのが『イエヌーファ』です。ヤナーチェクの音楽技法について解説するとともに、「チェコ語のオペラ」としての独自性を紐解きます。
7 11/17 イギリス ブリテン『ピーター・グライムズ』 20世紀イギリスの作曲家ブリテンが書いた『ピーター・グライムズ』は、第二次対戦後に発表された最初期のオペラとして重要な位置を占める作品。オペラ史とイギリス音楽史、双方ににおける本作の位置付けを考えながら、「英語のオペラ」の特徴やブリテンの音楽性、また独特の声の扱い方についても解説します。
8 11/24 アメリカ① ガーシュウィン『ポーギーとベス』 ジャズのスタンダードナンバーの作曲家としても有名なガーシュウィンが書いた『ポーギーとベス』は、伝統的なヨーロッパのオペラとは一線を画す存在ですが、現在では20世紀を代表するオペラのひとつとなっています。ヨーロッパのオペラとの影響関係や、ガーシュウィンならではの音楽の特徴などを解説していきます。
9 12/01 アメリカ② バーンスタイン『ウエスト・サイド・ストーリー』 オペラはアメリカに渡って様々な姿にかたちを変えていきます。そのひとつがミュージカルです。バーンスタインの『ウエスト・サイド・ストーリー』はブロードウェイ・ミュージカルの歴史に刻まれ、映画化もされた傑作。バーンスタインがいかに「オペラ」の作曲法を意識しながらこの作品を書いたのかを考察し、オペラの派生ジャンルとしてのミュージカルの意義に迫ります。
10 12/08 日本 團伊玖磨『夕鶴』 日本では昭和初期から日本語のオペラがつくられてきましたが、現在、国内外を含めレパートリーとして上演されている作品はほとんどありません。唯一、團伊玖磨が1951年に作曲した『夕鶴』だけが例外的な存在です。『夕鶴』の音楽的特徴や日本語の取り扱い方を解説するともに、これまでの日本オペラの歴史についても概観し、日本オペラの未来について考えていきます。

講師紹介

室田 尚子
音楽評論家、東京科学大学・昭和音楽大学講師
NHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」レギュラー・パーソナリティ。テレビ・ラジオへの出演も多く、NHK「ニューイヤー・オペラコンサート2026」では番組初の裏トークを担当し好評を得る。『音楽の友』、Webマガジン「ONTOMO」、『ぶらあぼ』、『サラサーテ』、『二期会通信』(公益財団法人東京二期会)、『The Atre』(新国立劇場)、『季刊ブンカ』(福井県文化振興事業団)、『ぴあクラシック』などでアーティストのインタビューや演奏会評、エッセイなどを執筆。
著書に『オペラの館がお待ちかね』(清流出版)、共著に『クラシック野獣主義』(青弓社)など。東京藝術大学大学院修士課程(音楽学)修了。

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