ジャンル 世界を知る

早稲田校

イスラムと欧米キリスト教世界、そして日本―共存の歴史

  • 秋講座

宮田 律(一般社団法人現代イスラム研究センター理事長)

曜日 木曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・09月24日 ~ 12月10日
(日程詳細)
09/24, 10/01, 10/08, 10/15, 10/22, 10/29, 11/12, 11/26, 12/03, 12/10
コード 130340
定員 70名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・イスラム文化の特徴や、日本とイスラム世界の歴史的関係を知る
・パレスチナ問題など中東イスラム世界の民族・宗派問題の淵源を知る
・イスラム・ユダヤ・キリスト教の共存は可能であるかを検討する
・パワポ資料でイスラム社会・文化の楽しさを知る

講義概要

7世紀に成立したイスラムは、ユダヤ教やキリスト教の影響を受けて成立した。中世イスラム世界ではこれら3宗教の共存はイベリア半島、またオスマン帝国に至るまで可能であった。オスマン帝国の弱体過程でなぜイスラム、ユダヤ教とキリスト教との対立構造が生まれたか、その背景を探る。また「解のない方程式」とも形容されるパレスチナ問題はどうして発生したのか、その歴史的展開を述べるとともに、どうしてアメリカの中東政策は成功しないのか、その背景を考察、紹介する。現代世界におけるイスラムの宗教的意義や日本とイスラム世界との歴史的関わりを紹介し、イスラム世界の時事問題を解説する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/24 イスラムの宗教・宗派と民族、紛争の発生要因 イスラムの宗教・宗派を紹介し、イスラム世界で共存していた諸宗教がどうして対立するようになったのか、その背景を探るとともに、アラブ、イラン(ペルシア)、トルコの主要民族を説明し、クルドなどイスラム世界の少数民族問題について論じてみたい。
2 10/01 イベリア半島(アンダルシア)のイスラム王朝が果たした学術的役割とオスマン帝国における共存システムの崩壊 イベリア半島のイスラム王朝はいかにヨーロッパの学術文化に貢献したか、また栄華を誇ったオスマン帝国における各宗教の共存システムがいかにヨーロッパ勢力によって壊されたか、第一次世界大戦までの過程を追う。旧ロシア帝国におけるポグロムやナチス・ドイツのホロコーストまでのユダヤ人迫害の歴史を追うとともに、イスラム世界におけるユダヤ教、キリスト教との共存システムを紹介する。
3 10/08 イスラム世界の黄金期と、対抗するヨーロッパ世界 イスラム世界は16世紀にトルコのオスマン帝国、イランのサファヴィー朝時代、東西交易で繁栄し、軍事的にもオスマン帝国の第一次ウィーン包囲(1529年)などでヨーロッパ世界に脅威を与えるようになった。イスラム世界に対抗することを考えたヨーロッパ世界は大航海の時代や、アメリカ大陸への進出によって富の獲得を図るようになる。特に16世紀に焦点を当てて、イスラム世界の黄金期にヨーロッパ・キリスト教世界がいかに対抗していったのか、イスラム世界の繁栄の歴史を紹介し、ヨーロッパがイスラム文明から得た技術をどのようにアメリカ大陸進出や大航海に活かしていったかを考える。
4 10/15 ヨーロッパ帝国主義のイスラム世界への進出 産業革命で技術や富を得たヨーロッパ世界はどのようにイスラム世界を侵食していったのか、特にオスマン帝国の弱体化過程と、オスマン帝国のバルカン半島をめぐるパン=スラブ主義とパン=ゲルマン主義の対立に焦点を当て、第一次世界大戦がなぜ起こったのかを考える。また、ヨーロッパ・キリスト教世界で排除されたユダヤ人のオスマン帝国や北アフリカのイスラム王朝での活躍を紹介する。
5 10/22 両世界大戦期のイスラム世界と新国家群の成立 映画「アラビアのロレンス」「アルジェの戦い」などに見られるように、ヨーロッパ帝国主義に翻弄されたイスラム世界を紹介し、第二次世界大戦後の新国家群の成立、民族解放時代のイスラム世界を説明する。また、パレスチナ問題の発生についても論じる。
6 10/29 アメリカの中東政策を形作る要因と、アフガン、イラク、イラン戦争はなぜ失敗したのか アメリカはどうしてイスラエル寄りの政策を行うのか、その国内的、外交的要因を探る。また、イラン革命から湾岸戦争、アフガン、イラク戦争、イラン戦争などアメリカの中東イスラム地域における戦争がなぜ失敗したのか、その要因を紹介する。
7 11/12 ガザ戦争の発生とイスラエル。オスロ合意はどうして破綻し、イスラエルで強硬な政権が生まれた背景 1993年のオスロ合意から現在のガザ戦争までのパレスチナ問題を歴史を紹介する。イスラエルとパレスチナが初めて相互承認に踏み切ったオスロ合意。オスロ合意はどうして破綻したのか? イスラエルの政治・社会を牛耳るようになったネタニヤフ首相などイスラエル極右のイデオロギーと、その対パレスチナ政策を考える。
8 11/26 イスラムの今日的意義とイスラム復興運動、過激派 現代世界においてイスラムはなぜ復興するか―イスラムの宗教メカニズムを考える。
エジプトの「ムスリム同胞団」など穏健なイスラム復興運動の歴史を紹介し、アルカイダ、IS、イエメンのフーシ派、アフガニスタンのタリバンなどの武装集団の活動はなぜ台頭したのか、その要因を検討する。
9 12/03 日本と中東イスラム世界 明治期以降日本はイスラム世界にどのように関わったか、アジア太平洋戦争や1970年代の石油危機、イラク戦争やイラン戦争への姿勢などその歴史と現在を紹介する。また、中村哲医師などイスラム世界で支援活動を行った日本人たち、さらに中東イスラム世界の親日感情の背景や、日本の対イスラム世界外交の課題などを紹介したい。
10 12/10 イスラム世界の時事問題解説 イスラム世界の時事問題を平易に解説する。ガザ問題、イスラエルのレバノン侵攻、アメリカ・イスラエルによるイラン戦争、また米国のトランプ大統領による中東への介入政策などイスラム世界のホットな問題を取り上げる。

講師紹介

宮田 律
一般社団法人現代イスラム研究センター理事長
1955年、山梨県生まれ。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。87年、静岡県立大学に勤務し、中東アフリカ論や国際政治学を担当。専門は、イスラム地域の政治および国際関係。著書に、『現代イスラムの潮流』(集英社新書)、『オリエント世界はなぜ崩壊したか』(新潮選書)、『中東イスラーム民族史』(中公新書)、『武器より命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方』(平凡社)、『イスラエルの自滅』(光文社新書)など。

  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店