ジャンル 芸術の世界

早稲田校

ラヴェルの生涯と名曲 第一次世界大戦とラヴェル

  • 夏講座

井上 さつき(愛知県立芸術大学名誉教授、音楽学者)

曜日 火曜日
時間 15:05~16:35
日程 全5回 ・06月30日 ~ 07月28日
(日程詳細)
06/30, 07/07, 07/14, 07/21, 07/28
コード 120451
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・芸術に関する個別専門領域の体系的知識を身につける

講義概要

フランスの作曲家モーリス・ラヴェル(1875-1937)を取り上げ、当時の社会状況や文化全体を視野に入れながら、ラヴェルの音楽の特質を探ります。今回は第一次世界大戦が始まった1914年以降に焦点を当て、大戦がラヴェルに与えた影響について考えます。取り上げる作品としては、遺作になるかもしれないと覚悟したピアノ三重奏曲、自作の詩による愛国的な合唱曲《3羽の美しい極楽鳥》、戦死した友人や知人に捧げられたピアノ組曲《クープランの墓》、戦争後に完成した《ラ・ヴァルス》を扱います。トピックとしては、戦場でのラヴェル、大戦下のパリの音楽状況、最愛の母の死、大戦後の音楽界の動きなどを予定しています。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 06/30 ピアノ三重奏曲(1914)をめぐって(その1) ラヴェルにとっては弦楽四重奏曲のあと、久々に手がけた室内楽作品です。第一次世界大戦が始まった1914年夏、ラヴェルはこの曲の作曲を始めていました。志願兵となることを決意したラヴェルは、この曲が「遺作」になるかもしれないと覚悟していました。
2 07/07 ピアノ三重奏曲をめぐって(その2) 《ピアノ三重奏曲》の第2楽章「パントゥム」に焦点を当てます。「パントゥム」はマレー起源の詩形の名称です。ラヴェルはスケルツォ楽章に当たるこの楽章になぜ「パントゥム」という名を付けたのでしょうか。その謎に迫ります。
3 07/14 《3羽の美しい極楽鳥》をめぐって 1914年から1918年まで続いた第一次世界大戦中、ラヴェルの創作のスピードは落ちました。その中で、新たに作曲されたのが自作の詩による《無伴奏混声合唱のための3つの歌》です。中でも第2曲〈3羽の美しい極楽鳥〉は戦争に言及している作品です。ドビュッシーが戦争中に作った自作の詩による歌曲〈もう家がない子たちのクリスマス〉と比較してみます。
4 07/21 《クープランの墓》をめぐって 《クープランの墓》は6曲からなるピアノ組曲で、1914年に着手、1917年に完成しました。ラヴェルの最後の独奏ピアノ曲となった作品です。18世紀のフランス音楽へのオマージュとして書かれたこの作品の特徴を探ります。
5 07/28 《ラ・ヴァルス》をめぐって 《ラ・ヴァルス》はもともと、バレエ・リュスの主宰者ディアギレフの依頼によって作曲されたもので、「管弦楽のための舞踏詩」という副題をもっています。ところが、完成した曲はディアギレフの気に入るものではなく、管弦楽曲として初演されることになりました。この作品には、「幻想的で破滅的な回転の印象」と「ウィンナ・ワルツへの一種の賛歌」が交じり合っています。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は8月4日(火)を予定しています。

講師紹介

井上 さつき
愛知県立芸術大学名誉教授、音楽学者
愛知県立芸術大学名誉教授。東京藝術大学楽理科卒、同大学院修了(論文博士)。パリ・ソルボンヌ大学修士課程修了。明治学院大学文学部非常勤講師。専門は、近代フランス音楽史、万博と音楽、日本の洋楽器受容史。主著に『音楽を展示する―パリ万博 1855-1900』(2009)、『フランス音楽史』(共著、2010)、『日本のヴァイオリン王―鈴木政吉の生涯と幻の名器』(2014)、『ラヴェル(作曲家◎人と作品シリーズ)』(2019)、『ピアノの近代史―技術革新、世界市場、日本の発展』(2020)、『フランス・フルート奏者列伝』(2024)、『万博からみた音楽史』(2025)ほか。
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