ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

江戸幕府武士社会の歩み方 特別な旗本・不思議な旗本・へんな旗本

  • 夏講座

戸森 麻衣子(東京農業大学講師)

曜日 金曜日
時間 15:05~16:35
日程 全7回 ・07月03日 ~ 09月04日
(日程詳細)
07/03, 07/10, 07/17, 07/24, 08/21, 08/28, 09/04
コード 120241
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,790
ビジター価格 受講料 ¥ 23,908

目標

・江戸時代の政治や社会に対する理解を深める。
・江戸時代について、深く知ることを楽しむ。
・日本近世史研究の最前線に触れてみる。

講義概要

江戸時代後期に約5000家存在したとされる旗本のなかには実に様々な家がありました。旗本は徳川将軍の直臣という位置づけとなりますが、建て前はさておき、大名として取り立てるほどではないものの、徳川家として無碍にもできないという武士が旗本という集団に組み込まれていました。旗本と聞いて一般的に思い浮かべるような範疇に収まらない、そうした「例外型」の旗本の事例を探り、秘密を解き明かしていきます。江戸時代前期に、色々なタイプの武士を徳川家の家臣として囲い込んでおくことが重視された理由が、諸事例を横断的にみることによって理解できるでしょう。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/03 第1回 大名なのか旗本なのか?―喜連川家という存在 大名とも旗本とも言えない、宙ぶらりんの立場に置かれていた存在の代表格が喜連川家です。中世の名家、古河公方足利家の後裔として10万石の格式で処遇されていましたが、実際の領地高はほんの5000石でした。シリーズの筆頭に、喜連川家の特殊性を様々な観点から確認してみましょう。
2 07/10 高家のしごとと高家を構成した家々 高家というと、赤穂事件の吉良上野介の「意地悪」をつい思い浮かべてしまいますが、実は高家というのは、殿中の典礼を司るという重要な職分を担った家々です。高家を構成する家々の性格に関する特殊性にも注目し、高家を置いた政治的意義を解説していきます。
3 07/17 改易されて、大名から旗本になった家々 大名として相当な失態をおかすと改易・御家断絶の処分を受けるという悲劇に至ったわけですが、よくよく観察してみると、結局、旗本として御家再興を許されている例が少なくありません。幕府側は、家を完全に潰すようなことはできないたちなのです。再興を許されて成立した旗本の姿をみてみます。
4 07/24 旗本なのに家禄は御家人並み―家禄が特に低い旗本たちの理由 禄高で旗本と御家人を区切ることはできませんが、一般的に、家禄100俵以下なら御家人です。ところが家禄100俵以下の旗本もいました。なぜ、そのような旗本が存在しているのか、実例に即してその理由を明らかにします。
5 08/21 「下馬札」ひと筋で存続する―旗本蜷川家の成立とその展開 旗本の世界においては、家の由緒が大きな意味を持っていました。蜷川家の場合、室町幕府に仕えたという由緒を誇り、書の伝統を受け継ぐ家としての由緒を付随させて、江戸時代を生きていきます。蜷川家がその製作権を独占した「下馬札」のことなど含め、旗本蜷川家の唯一無二な展開を追います。
6 08/28 “裏稼業”が有名な旗本―新田岩松家の猫絵・韮山江川家の日蓮棟札・長沢松平家の長沢札 特別な由緒をもつ旗本家のなかには、その由緒にかかわる活動を行って収入を得たり、社会的な利益を得たりする家がありました。先祖が三河武士でないこと、徳川家臣団の本流でないことが、実のところその家を助けていたのです。そうした旗本の知られざる側面を紹介します。
7 09/04 江戸に定住しない旗本―交代寄合の家・交代寄合以外の事例 旗本の中には、江戸に定住していない家が少なからず存在します。まず、大名に准ずる格式を与えられて、一年ごとに参勤交代をしていた交代寄合の旗本家が30家ほどありました。それ以外にも、領地への居住を認められていた旗本がいます。いずれにも固有の理由が存在しました。旗本の多様性を知れば知るほど掴みがたくなりますが、最後に、旗本とは何なのか、ということについても考えてみたいと思います。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆江戸時代の武士制度に関して高校の日本史教科書レベル程度の知識がある方でしたら、全くの初心者でもご受講いただけます。

講師紹介

戸森 麻衣子
東京農業大学講師
1975年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了。専攻は日本近世史。幕府直轄領(天領)の支配のしくみや、旗本・御家人などについて研究をおこなっている。著作に『江戸幕府の御家人』(東京堂出版、2021年)、『大江戸旗本 春夏秋冬』(東京堂出版、2023年)、『仕事と江戸時代―武士・町人・百姓はどう働いたか―』(ちくま新書、2023年)、『長崎奉行遠山景晋日記』(共編、清文堂出版、2005年)などがある。

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