ジャンル 芸術の世界
早稲田校
ロマネスクの美術と建築―サンティアゴ巡礼路と南仏の教会堂
小倉 康之(玉川大学教授、美術博士)
| 曜日 | 土曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全10回
・04月04日 ~
06月13日 (日程詳細) 04/04, 04/11, 04/18, 04/25, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13 |
| コード | 110435 |
| 定員 | 36名 |
| 単位数 | 2 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・ロマネスクの美術と建築について、様式上の特質を理解し、作品鑑賞に役立てることができる。
・10〜12世紀の教会建築とキリスト教絵画・彫刻、工芸について、主要な作品の主題と象徴的意味について理解を深める。
講義概要
ヨーロッパの中世は巡礼の時代です。ロマネスク期には、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラとフランス各地とを結ぶ道が整備され、巡礼者が盛んに行き来するようになりました。巡礼路都市には、ロマネスク様式の聖堂が相次いで建設され、教会の塔が天を目指してそびえ立ち、旅する巡礼者たちの良き目印となりました。本講座では、美術史・建築史において「巡礼の道」が果たした役割に焦点をあて、南フランスとスペイン北部の教会建築、壁画、彫刻、工芸作品を比較します。後半は、同時期のカタルーニャ、ブルゴーニュ、プロヴァンスの美術と建築について考察し、教会堂のシンボリズム、および柱頭彫刻や壁画の様式について論じます。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 04/04 | サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂とスペイン北部の教会堂 | 11世紀・12世紀にサンティアゴ巡礼が盛んになった理由について考察します。その上でサンティアゴ巡礼が後の西洋文化・文明に及ぼした影響を明らかにします。ウエスカのサン・フアン・デ・ラ・ペーニャ聖堂、エステージャのサン・ミゲル聖堂、トレス・デル・リーオの聖墳墓教会など、サンティアゴ巡礼路の教会堂を概観し、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の建築様式を中心に解説します。 |
| 2 | 04/11 | 南フランスのロマネスク聖堂とサンティアゴ巡礼 | コンクのサント・フォア修道院聖堂、ドゥエロ河上流、ベルランガのサン・バウデリオ聖堂、トゥールーズ、サン・セルナン聖堂など、サンティアゴ巡礼路と周辺地域の教会建築、壁画、彫刻について考察します。 |
| 3 | 04/18 | サンティアゴ巡礼と異文化接触―キリスト教美術とイスラーム美術― | 第3回はあらためてサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂とトゥールーズのサン・セルナン聖堂を比較し、サンティアゴ巡礼路の教会堂と彫刻の特徴を捉えます。その上で、それらの造形的起源となった西ゴート美術、アストゥリアス美術、スペイン・イスラーム美術について概観します。 |
| 4 | 04/25 | カタルーニャ・ロマネスクの美術Ⅰ―タウイの壁画を中心に― | 「巡礼の時代」におけるカタルーニャの役割について考えます。カルドーナ城塞聖堂(サン・ビセンス聖堂)、タウイ、サン・クリメン聖堂 の壁画など、カタルーニャ・ロマネスクの教会堂と美術作品を取り上げます。 |
| 5 | 05/09 | カタルーニャ・ロマネスクの美術Ⅱ―柱頭彫刻を「読む」方法― | カニグーのサン・マルタン修道院聖堂、リポイのサンタ・マリア修道院聖堂、レスタニーのサンタ・マリア修道院聖堂、ラ・セウ・ドゥルジェイ大聖堂など、カタルーニャの回廊彫刻について考察します。ウエスカのサン・フアン・デ・ラ・ペーニャ聖堂など、アラゴンの彫刻と比較しながら、回廊彫刻の象徴的意味を読み解きます。 |
| 6 | 05/16 | クリュニー派修道院の美術と建築、シトー会建築の特質 | フランス、ブルゴーニュ地方の美術と建築をテーマとします。クリュニー派を代表するベルゼ・ラ・ヴィル修道院付属礼拝堂のロマネスク壁画を取り上げ、ラインラントやシトー派の建築・美術との比較考察を行います。 |
| 7 | 05/23 | ヴェズレーのラ・マドレーヌ修道院 ―ロマネスク彫刻を「読む」― | 聖ベルナルドゥスが第2回十字軍の勧誘演説を行ったことで知られるヴェズレー、サント・マドレーヌ修道院聖堂を中心に、フランスのロマネスク美術について考察します。ヴェズレーの彫刻群は何を伝えようとしていたのでしょうか。その象徴的意味を解読します。 |
| 8 | 05/30 | 南仏、プロヴァンス地方の歴史と文化 | 最後の3回は南仏、プロヴァンス地方のロマネスク芸術を取り上げます。第8回はプロヴァンス地方の歴史についてまとめつつ、この地方のロマネスク聖堂、彫刻について概観します。 |
| 9 | 06/06 | アルルとサン・ジル ―聖堂と彫刻― | プロヴァンス・ロマネスクを代表するアルルのサン・トロフィーム教会堂、サン・ジル・デュ・ガール修道院聖堂を中心に、ロマネスク彫刻の象徴的意味を読み取っていきます。 |
| 10 | 06/13 | プロヴァンスのベネディクト派修道院、シトー派三姉妹 | プロヴァンスにおけるクリュニー派修道院とシトー会修道院の違いについて考察します。クリュニー派の美術としてガナゴビー修道院のモザイクと壁画、建築を取り上げ、シトー派のいわゆる「プロヴァンスの三姉妹」とを比較しながらロマネスク美術の特質について明らかにします。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆プロジェクターによる画像投影を行いますので、室内が暗くなります。必要に応じてペンライトなどお手元の明かりをお持ちください。
◆2025年度春学期の「西欧中世の美術と建築」の続編(発展的内容)ですが、初めての方もご受講いただけます。新しい内容で講義を行いますが、3割〜4割程度、昨年度の講座内容の振り返り(重複)があることをご了承ください。
講師紹介
- 小倉 康之
- 玉川大学教授、美術博士
- 1968年、千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修士・博士後期課程修了、2001年博士号取得。西洋美術史(建築図像学)専攻。著書・論文: 『ビジネスエリートのための! リベラルアーツ2 西洋美術』 (監修・著、すばる舎)、 『イメージとテキスト』 『イメージとパトロン』(共著、ブリュッケ社)、「第二次シュパイヤー大聖堂のアプシスと霊廟建築」(『美學』 第212号)など。現在、玉川大学芸術学部アート・デザイン学科教授、共立女子大学文芸学部・実践女子大学文学部非常勤講師。




