ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

現代社会を理解、未来に備えるため、歴史を再考、正しく学ぶ 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは

  • 秋講座

落合 浩太郎(東京工科大学教授)

曜日 土曜日
時間 10:40~14:40 ※途中休憩をはさみます。
日程 全2回 ・11月15日 ~ 11月22日
(日程詳細)
11/15, 11/22
コード 130732
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・法則性があり、予測可能な自然科学とは異なり、社会科学(政治学・経済学・国際関係論)では、歴史に学んで未来に備えるしかいないことを理解する
・歴史は常に見直され、かつての常識が変わる場合があることを知る
・歴史と教訓を適切に学ぶアプローチを身につける

講義概要

法則性があり、理論が確立されている自然科学では、予測が可能です。しかし、政治や経済を対象とする社会科学は違います。そこで、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」といわれるように、歴史を手がかりにすることになります。しかし、「歴史に学ぶ」ことは簡単ではありません。日本でも外国でも指導者が文脈や背景を無視して、歴史を都合よく解釈したり、つまみ食いしたりして失敗した例は枚挙に暇がありません。これらを克服して「歴史を正しく学ぶ」ことを学びます。「歴史は古くさく、面白くない、暗記するだけ」というイメージがありますが、これも誤解で、歴史が見直されて「鎖国はなかった」等の「新しい歴史」も知ることができます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/15 【前半】見直される歴史 【後半】歴史のif(もし) 【前半】江戸時代の日本は「鎖国」ではなかった。ベルサイユ条約の「天文学的な賠償金」がドイツを絶望させてヒトラーの台頭と第二次世界大戦を招いたのではない。「ミュンヘンの宥和」(ヒトラーへの譲歩)は失敗ではない。かつての「常識」が見直され、教科書も書き換えられている。また、日本人が見ようとしない、領土問題や「シベリア出兵」等の「不都合な歴史」を直視することも必要だ。
【後半】偶然や気まぐれで、世界(の歴史)は変わる可能性がある。第一次世界大戦やヒトラー台頭は、「偶然の産物」だったのか。日本が原爆投下とソ連参戦前に降伏していれば、朝鮮半島の分断はなかったか。
2 11/22 【前半】未来は予測できる? 【後半】まとめ:歴史に学ぶとは 【前半】「未来(政治・経済・軍事的事象)は予測できない」というのが常識だが、日本の孤立と対米戦争(1909年)、日米戦争の展開と敗戦(1941年)、イラク戦争の失敗(2002-03年)、感染症対策の失敗(2017年)等も、警告されていた。大きな流れを予測したり、いくつかのシナリオを用意したりして、未来に備えることは可能だ。
【後半】ウクライナ戦争でも登場する、「ミュンヘンの宥和」(ヒトラーにチェコのズデーテンランドを与えれば満足して平和が実現するとの「誤解」)を繰り返すなという「誤解」。「ベトナムが共産化すれば、東南アジア、さらにはアジア全体が共産化する」との「ドミノ理論」も同様だ。「ウクライナ侵攻を許せば、次は台湾」だろうか。安易に、あるいは恣意的に歴史を「つまみ食い」することを回避しなければならない。歴史を恣意的に解釈するのではなく、史実を正しく理解し、適切な文脈で現在(と未来)に適用しなければならない。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は11月29日(土)を予定しています。

講師紹介

落合 浩太郎
東京工科大学教授
著書『CIA失敗の研究』(文藝春秋,2012年)、『インテリジェンスなき国家は滅ぶ 世界の情報コミュニティ』(亜紀書房,2011年)。TBSテレビ「Nスタ」、BSTBS「報道1930」、テレビ朝日「しくじり先生」、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」等に出演。

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