ジャンル 芸術の世界

中野校

映画に学ぶ「人生の選択」 「人は変わることができるか」を考える

  • 冬講座

安井 裕司(駒沢女子大学教授)

曜日 月曜日
時間 13:10~14:40
日程 全8回 ・01月19日 ~ 03月16日
(日程詳細)
01/19, 01/26, 02/02, 02/09, 02/16, 03/02, 03/09, 03/16
コード 340420
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・映画作品を通じて、人間の変化がどのような(主人公の)状況において生じるのかを把握する。
・映画作品を通じて、人間の変化に時代性があるのかを考える。
・映画作品を通じて、それぞれの国や地域の社会的特性があるのかを捉える。

講義概要

様々な人生の局面において自分を変えたいと思ったり、あるいは、人間は変わることができるのだろうかと考えたりしたことが、誰にもあるのではないでしょうか。もし、人が変われるとすれば、どのような環境で、どのような条件下にその変化が訪れるのでしょうか。そして、人生の大切なことに、人はどこで気付くことができるのでしょうか。当講座では「ツォツィ」(南アフリカ)、「生きる」(日本)、「ブリタニー・ランズ・ア・マラソン」(米国)、「イル・ポスティーノ」(イタリア)、「レスラー」(米国)、「赤ひげ」(日本)、「プラダを着た悪魔」(米国)、「善き人のためのソナタ」(ドイツ)の作品を取り上げ、その問いを考えていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/19 『ツォツィ』(南アフリカ、2005年) 南アフリカ、ヨハネスブルグ。アパルトヘイトが廃止された後も、貧困と暴力がはびこるスラム街で、不良を意味する「ツォツィ」と呼ばれる青年は、仲間とともに窃盗や強盗を繰り返し、荒れた生活をしていた。そんなある日、「ツォツィ」は、高級車を盗むと車の後部座席に生まれたばかりの赤ん坊が残されていたことに気付く。「ツォツィ」はその子をスラム街の自宅に連れ帰り、近所の赤子のいる女性を脅迫し、連れてきた子に乳をあげさせる。赤ん坊との暮らしで「ツォツィ」の心に大きな変化が訪れる。
2 01/26 『イル・ポスティーノ』(イタリア、1994年) 1950年代のイタリアの小さな島。青年マリオは退屈な日々を送っていた。そんな時、チリの詩人パブロ・ネルーダが政治的な問題でチリを出国し、島に滞在する事になった。彼に届く世界中からの郵便物のために郵便配達員が募集され、文字が読めるマリオがその仕事を得ることになった。配達に飽き足らず、マリオはパブロ・ネルーダの本を購入し、彼にサインを求める。更に関係が深まると、マリオはパブロ・ネルーダに詩について質問し、それが「隠喩」(メタファー)という表現方法であることを教わる。マリオは真剣に本を読み始め、「隠喩」を学び、自分も詩人になりたいと思い始める。
3 02/02 『生きる』(日本、1952年) 市役所で市民課長を務める渡辺勘治は、30年間、無遅刻無欠勤であるが、山のような書類に印鑑を押すだけの無気力な時間を過ごしていた。役所は、縄張り意識で硬直化しており、住民の陳情はたらいまわしなることが日常茶飯事であった。そんな中、渡辺は胃癌を発病し、余命数か月と自覚する。自暴自棄になる渡辺だったが、偶然、飲み屋で出会った小説家に、どうやって「生きる」べきかを問いかける。次に、退屈な役所を退職した部下の若い女性とよく仕事をさぼって会い、彼女の生き様からヒントを得ようとする。そして、何かを作りださなくてはいけないと思い立った渡辺は、役所に届いていた陳情を思い出し、今、自分ができることをやろうと仕事に戻る。
4 02/09 『ブリタニー・ランズ・ア・マラソン』(米国、2019年) 米国・ニューヨーク。太目のブリタニー・フォーグラーは社交的ではあるが、生活に余裕はなく、ギリギリの生活をしている。検査で血糖値や血圧の数値が飛び抜けて悪いことが判明し、医者から「このままの生活を続けた場合、糖尿病などの生活習慣病を発症することは免れません」 と言われたが、ジムに通うこともできず、途方に暮れていたところ、アパートの隣人が「走ること」を勧めてくれた。勇気を出して、1人で走るようになり、その後、ジョギング仲間を得る。やがて、ブリタニ―は友人たちとニューヨークマラソンを走りたいと思うようになる。
5 02/16 『レスラー』(米国、2008年) 米国、ニュージャージー。1980年代、プロレスのヒーロー役として一世風靡したランディは、現在はスーパーの裏方としてパートで働きながら、週末は「昔の名前」でプロレスのリングに立っている。しかし、生活は苦しく、家賃も払えない。そんなある日、ランディは、長年に渡るステロイド使用の影響で、試合後、心臓発作を起こし、「命が惜しければリングには立つな」と医者に忠告される。レスラーとしての引退を決め、好きな女性に安らぎを求め、離婚後、疎遠だった一人娘に会いに行き過去を謝罪し、新しい人生を歩もうとする。
6 03/02 『プラダを着た悪魔』(米国、2006年) 米国、ニューヨーク。名門大学を卒業し、ジャーナリストを目指すためにニューヨークへとやってきたアンディは、「足がかり」と考え応募したファッション雑誌『ランウェイ』の編集長の第二アシスタントとして採用される。その編集長とは、ファッション業界に絶大な影響力を誇るミランダという人物で、アンディは雑用係として公私に渡って24時間振り回される。何度も辞めようと思ったアンディであったが、徐々に編集者としてのミランダの凄さを理解できるようになっていき、アンディ自身の身なりも整い、ファッション界に染まっていく。昔からの友人や恋人は去っていき、彼女はアイデンティティ・クライシスに直面する。
7 03/09 『赤ひげ』(日本、1965年) 江戸時代後期。江戸の貧民向けに作られた小石川養生所に、長崎でオランダ医学を学んだ保本登が赴任してくる。小石川養生所は、通称「赤ひげ」と呼ばれている老医師が所長として君臨し、人々の治療にあたっていた。江戸幕府の御番医になる希望に燃えて江戸へ戻って来た保本であったが、本人が知らぬ理由で小石川養生所に勤めることになり、何かと「赤ひげ」へ反抗し、小石川養生所から追い出されたいと願っていた。「赤ひげ」に歯向かっていた保本であったが、「赤ひげ」が貧民に対し、黙々と治療を施すその姿に次第に態度を変えていき、いつしか、「赤ひげ」のような医師になりたいと考えるようになっていく。
8 03/16 『善き人のためのソナタ』(ドイツ、2006年) 1984年の東ドイツ。国家保安省(秘密警察)に勤務するヴィースラーは国家に忠誠な人物であった。ある日、彼は、反体制の疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視するよう命じられる。ドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかしながら、ヴィースラーは徐々に芸術に満ちたドライマンとクリスタの世界に引き込まれていく。そして、ドライマンは彼の部屋から聞こえてきたピアノ曲「善き人のためのソナタ」に心を奪われてしまう。

講師紹介

安井 裕司
駒沢女子大学教授
栃木県出身。英国バーミンガム大学大学院博士課程修了(PhD)。ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生、法政大学国際日本学研究所客員研究員、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授を経て現職。NPO法人・大阪ユネスコ協会理事。
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