ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

江戸幕府武士社会の歩み方 幕府・藩の御用で「旅する」武士たちの実態

  • 冬講座

戸森 麻衣子(東京農業大学講師)

曜日 金曜日
時間 15:05~16:35
日程 全7回 ・01月09日 ~ 02月27日
(日程詳細)
01/09, 01/16, 01/23, 02/06, 02/13, 02/20, 02/27
コード 140244
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,790
ビジター価格 受講料 ¥ 23,908

目標

・江戸時代の政治制度・社会制度に対する理解を深める
・武士社会の実態を知ることを楽しむ

講義概要

江戸時代になると五街道などの交通制度が整備され、武家の主従が、戦争ではない場面で大移動する機会が増えます。大名の参勤交代は、そうした移動の代表格といえるかもしれません。ですが大名は、幕府から許可を得ることなしに宿泊先や交通手段を手配して移動できたわけではありません。武家のみに課された交通路利用に関する規則や方式、彼らの移動の実態などを、徳川将軍の上洛・日光社参といった時代の重要なトピックに際しての事例も踏まえて見てみたいと思います。武士の旅に注目すると、意外にも、江戸時代の身分制社会の特質が理解できるのみならず、庶民世界に及ぼした「ひずみ」を知ることができるのも興味深い点です。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/09 江戸時代の交通制度を概観する 幕府は、江戸と京都を結ぶ東海道と中山道、江戸と日光を結ぶ日光街道などの陸路を整備し、宿駅制度を設けます。宿駅制度は第一に、武家の利用に供することを念頭に置いたものです。武家が利用する際に踏む基本的手続きや、町人や百姓など庶民の利用との関係など、基本的な情報を確認します。
2 01/16 江戸時代初期における将軍家康・秀忠・家光の上洛 江戸時代初期の将軍3人は、朝廷から将軍宣下を受けるために上洛しています。それは徳川家の威光を示す機会ともなったため、行列は壮大なものでした。この時代の、将軍と大名の関係、将軍と旗本の関係を踏まえつつ、その上洛がいかに実現されたのかを追ってみます。
3 01/23 参勤交代の旅路の実態 3代将軍家光期に参勤交代の制度が成立すると、諸大名は江戸と国元とを定期的に往復するようになります。しかし、この参勤交代にかかる費用は、大名家の財政を圧迫するほど多額であったため、諸大名は、参勤交代の行列の構成や道中の進め方を「工夫」するようになります。参勤交代の舞台裏を探ります。
4 02/06 なぜ幕府は、将軍の日光社参を実現する必要があったのか? 江戸時代中後期の将軍で日光社参した将軍は8代将軍吉宗、10代将軍家治、12代将軍家慶の三人です。日光社参には、旗本・御家人ばかりでなく諸大名も供奉しました。単に、神祖家康公を祀る日光を参拝するだけでなく、軍事演習としての意味も持っていた日光社参の性格を考えます。
5 02/13 任務による幕府役人の旅 旗本・御家人のなかには、役職上の理由で遠隔地に赴く機会をもつ者もいます。遠国奉行・代官やその配下が任地に赴任したり、目付やその配下が各地の調査に出向く場合などです。大名の参勤交代と比べると心配の種は少なく、路傍の風景を楽しむことも出来ました。具体的史料にそって、幕府役人の旅路を辿ります。
6 02/20 大名の転封と家臣団の引っ越し 特殊なケースになりますが、幕府から転封を命じられた大名は、家臣団、家臣団の家族、さらには奉公人も伴って転封先の城下町に引っ越ししました。運ぶものも大量になります。城内の諸道具や調度品、家臣団の家財道具…。そうした転封に伴う武士の移動のさまを紹介します。
7 02/27 幕末政局と将軍・大名の移動 14代将軍家茂は、政局の事情により3度も江戸と上方を往復しました。それまでの将軍上洛では陸路が使用されていましたが、家茂は初めて船路、蒸気船に乗ります。そうした移動形態の変化を紹介するとともに、膨大な武家の通行のために疲弊しゆく街道筋の宿村の極まりをみつめます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆江戸時代の武士制度に関して高校の日本史教科書レベル程度の知識がある方でしたら全くの初心者でもご受講いただけます。

講師紹介

戸森 麻衣子
東京農業大学講師
1975年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了。専攻は日本近世史。幕府直轄領(天領)の支配のしくみや、旗本・御家人などについて研究をおこなっている。著作に『江戸幕府の御家人』(東京堂出版、2021年)、『大江戸旗本 春夏秋冬』(東京堂出版、2023年)、『仕事と江戸時代―武士・町人・百姓はどう働いたか―』(ちくま新書、2023年)、『長崎奉行遠山景晋日記』(共編、清文堂出版、2005年)などがある。

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