ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

鬼と病の歴史―日本中世を中心に

  • 夏講座

小山 聡子(二松学舎大学教授)

曜日 金曜日
時間 10:40~12:10
日程 全4回 ・07月04日 ~ 07月25日
(日程詳細)
07/04, 07/11, 07/18, 07/25
コード 320226
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・中国文化の日本文化への影響について理解する。
・中世人の心性に対する理解を深める。
・病と宗教の関係について理解を深める。

講義概要

日本人にとって鬼とはどのようなものなのだろうか。一口に鬼と言っても、これまでの日本人は、様々なものを鬼扱いしてきた。たとえば、外国人、障がい者、女性、病気をもたらすもの、などである。本講義では、様々な鬼とされたものを紹介しつつ、中世における鬼と疫病の関係を中心に述べていく。また、日本の歴史を通して、鬼が現実味をもって捉えられなくなった後も消滅させられることなく意識され続けた理由についても、史料にもとづいて考察していきたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/04 鬼は海の向こうからやって来る 日本の鬼に大きな影響を及ぼした中国の鬼や仏教の鬼について解説する。その上で、古代日本における鬼と疫病について、歴史書や説話などをもとに述べていく。
2 07/11 悩ましい疫病治療 疫病は、疫鬼によってもたらされると考えられた。疫鬼は神であるから、調伏の対象ではない。陰陽師による祭や祓で対処すべきものであった。しかし、それでは病気が治らなかったのだろう。12世紀頃から、疫鬼を調伏するように変化していく。中世前期までの疫病治療について述べる。
3 07/18 薬による鬼退治 中世後期には、いまだ疫病は疫鬼がもたらすものであるという認識はあり続けるものの、その治療には薬が多く用いられるようになった。疫病への意識や治療法がどのように変化したのかを具体的に述べていく。
4 07/25 鬼にされた人々 日本の歴史の中で、疫神、地獄の獄卒、障がい者、外国人などはしばしば鬼とされてきた。鬼のもつ面白みの裏には、差別や偏見が潜んでいる。鬼は日本人の心の内にあるそれらを映し出す鏡でもあるのである。歴史の中の鬼の性質には、変遷していく部分とそうではない部分がある。鬼の歴史から現代社会を見つめなおしたい。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、8月1日(金)を予定しています。

講師紹介

小山 聡子
二松学舎大学教授
茨城県生まれ。博士(学術、筑波大学)。専門分野は、日本中世宗教史。主要な著書として『親鸞の信仰と呪術』(吉川弘文館、2013年)、『浄土真宗とは何か』(中公新書、2017年)、『往生際の日本史』(春秋社、2019年)、『もののけの日本史』(中公新書、2020年)、『鬼と日本人の歴史』(ちくまプリマー新書、2023年)などがある。

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