ジャンル 現代社会と科学

中野校

日米関係史―日本はこの大国とどのように付き合ってきたのか

  • 夏講座

石澤 靖治(学習院女子大学教授、同大元学長)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全4回 ・07月04日 ~ 07月25日
(日程詳細)
07/04, 07/11, 07/18, 07/25
コード 320703
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・明治以降、現在までの日本とアメリカとの関係を国民のレベルで知る。
・現在のアメリカに対して、今後日本がどのような立ち位置を示すべきかを考える。

講義概要

日本にとってアメリカは最も重要な国であり続けてきた。しかしその関係は時代によって大きく異なる。その関係を明治から現代までみていく。日米関係あるいは国際関係というと安全保障の面から説明されることが一般的である。確かにそれは中心であるが、この講義ではその時々の日本人とアメリカ人が相手をどのようにみていたかという「世論」と「メディア」の観点を中心に講義していきたい(説明の中で軍事、経済についてもふれる)。また日米関係には中国との関係が強く反映されるため随時ふれていく。現在、日米関係は大きな岐路に立っている。私たちはこれからこの「身勝手な大国」にどのように付き合っていけばいいか、問題意識を醸成していく。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/04 ペリー来航から第二次大戦まで 講義全体の説明を行う。第1回講義としては、日本が国家として成長していく中で、アメリカとの関係は変化していき最終的に大々的な戦争に発展するまでを扱う。その中のテーマとしては、キリスト教宣教師の役割、ハワイとの関係、移民をめぐる日本に対する人種的な問題、日露戦争以降のアメリカの政策転換、中国の反日攻勢、2人のルーズベルト大統領の対日観など、アメリカ世論を中心に説明する。
2 07/11 GHQと逆コース 日本の敗戦にともなって占領政策がどのように転換していったかをみていく。「逆コース」は多くの人が知るものだが、改めてそのプロセスを検証していく。そのとき日本人は占領をどうとらえたのか。アメリカはどのように日本の世論のコントロールを図ったのか。その際にはGHQ最高司令官のマッカーサーの人となりについて、また「親日アメリカ人」たちが果たした役割を紹介する。進行の状況によっては、第3回の部分に入ることもある。
3 07/18 ニクソンショック、ベトナム戦争と日本 復興を遂げた日本に対して最も辛辣な態度をとったのが、1960年代後半から70年代前半に政権にあったリチャード・ニクソン大統領である。それに対して佐藤栄作政権はどのように応じたのか。また次を担った田中角栄政権もアメリカに煮え湯を飲まされることになる。一方、当時のアメリカはベトナム戦争の泥沼にはまりこみ、国内外から激しく非難される。そんなアメリカを日本人はどのようにとらえていたのか。進行の状況によっては、第4回の部分に入ることもある。
4 07/25 日米貿易摩擦の時代。安倍、オバマ、トランプと日米関係 アメリカが日本を「敵」としてとらえて徹底的に攻撃した1980年代の日米貿易摩擦。その時のアメリカの世論とメディアの状況を説明する。その後バブルが崩壊してアメリカの対日批判はなくなったが、21世紀において安倍、オバマ、トランプというそれぞれの指導者の間で、日米関係は様々な色合いをみせた。その背景には何があったのか。それぞれの宰相への日米世論はどのようなものだったのか。その上で、今後の日本とアメリカの関係を展望する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、8月1日(金)を予定しております。
◆その後の国際状況の変化によって、内容を多少変更することがあります。また回をまたいで講義する場合もあります。

講師紹介

石澤 靖治
学習院女子大学教授、同大元学長
1957年生まれ。ハーバード大学ケネディ行政大学院修了(MPA)、同大国際問題研究所フェロー。博士(政治学)。ワシントンポスト極東総局記者、ニューズウィーク日本版副編集長などを経て現職。『アメリカ大統領の嘘』、『大統領とメディア』、『戦争とマスメディア』、『トランプ後の世界秩序』(編著)、『アメリカ 情報・文化支配の終焉』、『政治コミュニケーション概論』(編著)等著書多数。

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