ジャンル 現代社会と科学

オンデマンド

【オンデマンド】タイムマシン論―現代物理学における時間とは?

  • 春講座

二間瀬 敏史(東北大学名誉教授、中央研究院天文及天体物理研究所客員教授)

コード 910702
定員 20名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 9,900
ビジター価格 受講料 ¥ 9,900

目標

・時間はなぜ過去から未来にしか流れないのかを理解する。
・相対論における時間の概念を理解する。
・現代物理学で考えられているタイムマシンの可能性を理解する。

講義概要

誰しも一度は時間を巻き戻せたらと思うことがあります。時間が過去から未来にしか流れないことを「時間の矢」と呼んでいます。
物理学では通常「時間の矢」がどのように説明されるかについて紹介します。しかし、相対論の出現によって時間の流れは単純でないこと、重力と密接に結びついていることが分かってきました。そして時間を逆行するタイムマシンの理論的研究も始まりました。相対論が考える時間と様々なタイムマシンの可能性について、式を使わず分かりやすく紹介していきます。

各回の講義予定

講座内容
1 なぜ時間は過去から未来にしか進まないのか なぜ過去に戻れないのでしょう。現代物理学では、これを熱力学第二法則の結果として説明します。この法則とその帰結について歴史的なことも含めながら解説します。自然法則はA=Bという等式で表されますが、この法則に限って不等式で表されています。このことは、この法則が本当の意味で基礎法則でないことを意味し、タイムマシンへの道が開かれます。これについても解説します。
2 特殊相対性理論の時間 相対性理論には特殊と一般があります。どちらも時間と空間を対象とする理論です。まず特殊相対論で時間と空間は4次元時空として統一されます。4次元時空を考えることで、時間と空間んはある意味同じように扱うことができるのです。その結果、走っている時計は遅れるなど不思議な現象が現れます。これについて例を挙げて解説します
3 一般相対背理論と時間 特殊相対性理論における時空の概念は一般相対性理論でさらに大きく変化します。時空そのものが運動したり、振動するという現象が起こるのです。その時空の運動と重力は表裏一体のもので、重力によって時間が流れがゆっくりになったり、ブラックホールや重力波という新しい現象が予言されます。
4 ブラックホールとその親戚たち ブラックホールとはその表面で時間の流れが止まる天体です。ブラックホールについて詳しく解説し、さらにブラックホールの研究から生まれたホワイトホールとワームホールを解説します。これらはまだその存在は確認されていませんが、現代物理学で重要な役割を果たしています。とくにワームホールはタイムマシン研究で中心的な役割を果たしているので詳しく解説します。
5 タイムマシンとその可能性 現在最も実現が有望と考えられているワームホールタイムマシンについて解説します。また実際にタイムマシンが実現したらどのようなパラドックスが起こるのか、それはどのように解決されるのかについても解説します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2025/3/4)から学期終了翌月末(2025/7/31)までになります。一般申込開始(2025/3/4)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 秋期 「タイムマシン論―現代物理学における時間とは?」 (11/05〜12/10 火曜日、全5回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

二間瀬 敏史
東北大学名誉教授、中央研究院天文及天体物理研究所客員教授
札幌生まれ。Ph.D(英国カーディフ大学)。専門は一般相対性理論、宇宙論。理論的研究が主であるが、すばる望遠鏡による重力レンズの観測なども行っている。著書は教科書『一般相対論の基礎から学ぶ重力レンズと重力波天文学』(日本っ評論社)『相対性理論』(朝倉書店)、一般書『量子テレポーテーションで人間は転送できるか?やさしく読める量子力学』、『宇宙大全 これからわかる謎の謎』(さくら舎)『ブラックホール』(中公新書)など。
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店