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アメリカ革命の歴史―植民地・独立・民主主義

  • 春講座

上村 剛(関西学院大学准教授)

曜日 木曜日
時間 15:30~17:00
日程 全10回 ・04月03日 ~ 06月12日
(日程詳細)
04/03, 04/10, 04/17, 04/24, 05/08, 05/15, 05/22, 05/29, 06/05, 06/12
コード 710303
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・アメリカがどのように超大国への発展の道を築いたのかを理解する。
・政治思想の古典的な著作を解釈する力を身につける。
・アメリカ政治に対する歴史的な理解を深める。

講義概要

アメリカはどのようにして独立国家になったのでしょうか。イギリスの暴政に反発し、自由と平等の原理に訴えた独立宣言をきっかけとして、という理解が一般的ですが、実はそれほど単純ではありません。本講座では、最新の研究成果をふまえて、アメリカの独立の歴史的な過程とその意味を考え直してみたいと思います。それは、今日の揺れ動くアメリカ合衆国の政治の基礎、本質の理解につながることでしょう。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/03 植民地時代(1)入植者と先住民の暮らし アメリカ大陸にヨーロッパ人たちが入植をしはじめた16〜17世紀の歴史をおいかけます。なぜヨーロッパの人々はアメリカ大陸を目指したのでしょうか。イギリス人の立ち位置はどのようなものだったのでしょうか。アメリカ先住民とはどのような関係が結ばれたのでしょうか、といった論点を中心に考えます。
2 04/10 植民地時代(2)英本国の帝国化と植民地 イギリスの植民地はどのようにして政治をおこなっていたのでしょうか。18世紀半ばにいたるまでのアメリカ植民地の歴史を、イギリスの帝国という視点から考えます。特に、本国の政治との連動を意識して植民地史を理解したいと思います。
3 04/17 英米の内紛:1763〜1776年(1) 1750年代半ばからフランスとの戦争(フレンチ・インディアン戦争、七年戦争)を戦ったイギリスは、1763年のパリ条約によって帝国への道を加速させます。その結果、アメリカ植民地がどのように本国に反発するようになっていったのか、その過程を検討します。
4 04/24 英米の内紛:1763〜1776年(2) アメリカ植民地の人々は、パンフレットや新聞における論説を通じて、英本国の課税に抵抗します。その論理を追いかけます。また抗議運動は、ボイコットなどの実際の社会的な運動となって現れました。そのような視点から、アメリカの人々の思想を捉えます。
5 05/08 1776年(1)独立宣言 1776年はアメリカ植民地が合同で独立宣言を出した年です。その歴史過程をまず考えます。そのあと、実際に独立宣言の文章をゆっくり読んでみて、その意味を正確に理解すると同時に、イギリス側の反応についても検討し、論争の是非について理解を深めます。
6 05/15 1776年(2)邦における新たな政治体制 独立を宣言すると同時に、アメリカの植民地は新たに邦(のちの州)の憲法を制定し、新たな政治制度を整備します。ヴァージニア、ニューヨーク、マサチューセッツといったそれぞれの邦では1776年以降、憲法制定がすすみました。その歴史過程と、邦ごとの政治制度の特徴を考えます。
7 05/22 国家建設(1)1781年の連合規約体制 邦をこえた連合のしくみとしては、1781年にようやく連合規約が批准され、あらたな連合のしくみがうまれました。これはのちの連邦制にいたる重要なしくみですが、多くの機能不全をかかえこむ結果におわります。この連合規約体制の具体的な問題を、外交や商業といった点から検討します。
8 05/29 国家建設(2)1787年の連邦憲法制定 連合規約体制に代わる新たな政治体制としてアメリカ建国者たちは、1787年にアメリカ合衆国の連邦憲法を制定し、新たな国家体制への道を整備します。フィラデルフィアで行われた憲法制定会議に集まった多くの参加者たちが集まって作られた連邦憲法にはどのような特徴があったのかを考えます。
9 06/05 国家建設(3)1790年代の党派対立 連邦憲法が制定され、大統領や連邦議会といった統治機構によって合衆国の政治があらたにはじまりました。この政治は党派の対立、分断を避けようとしていたものですが、1789年のフランス革命以降、フェデラリストとリパブリカンという、二つの党派の対立に追い込まれます。そのような政治対立と、民主主義の興隆を検討します。
10 06/12 国家建設(4)1812年戦争への道 アメリカはさまざまな要因が重なって再度、イギリスとの戦争に追い込まれます。その結果、アメリカの各地で同時多発的に戦闘がおこりました。その結果、アメリカはアメリカの南部や西部において先住民のくらしを破壊し、徐々に西方拡大を強めていきます。その結果、アメリカの帝国化が生じたという歴史の皮肉について考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆3/15(土)13:30より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。https://www1.ex-waseda.jp/online/ 「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。

◆休講が発生した場合の補講日は6月19日(木)を予定しております。
◆参考図書として上村剛『アメリカ革命』(中公新書、2024年、ISBN:978-4121028174)をお読みいただくと、より理解が深まります。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
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【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

備考

無料体験会での本講座の様子を公開しました。5分程度の動画です。
再生すると音が出ます。視聴の際はご注意ください。

講師紹介

上村 剛
関西学院大学准教授
1988年、東京都生まれ.東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。関西学院大学法学部准教授。専門は西洋政治思想史、18世紀英米思想史。著書に『権力分立論の誕生―ブリテン帝国の『法の精神』受容』(岩波書店、2021年、サントリー学芸賞受賞)、『アメリカ革命』(中公新書、2024年)、共著に『歴史を書くとはどういうことか』(勁草書房、2023年)、『戦後日本の学知と想像力』(吉田書店、2022年)などがある。
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