ジャンル 世界を知る
中野校
三つの一神教から見たアラブとイスラエルの関係史
臼杵 陽(日本女子大学文学部教授)

曜日 | 木曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全10回
・04月03日 ~
06月12日 (日程詳細) 04/03, 04/10, 04/17, 04/24, 05/08, 05/15, 05/22, 05/29, 06/05, 06/12 |
コード | 310319 |
定員 | 24名 |
単位数 | 2 |
会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・三つのセム的一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教)の共通点と相違点を理解する。
・三つの一神教の相互関係を十字軍・東方問題・パレスチナ問題などの歴史的段階ごとに把握する。
・過去の歴史が現在のアラブ・イスラエル紛争とどのように繋がっていくのかを理解する。
講義概要
1948年にイスラエルが建国されて以来、アラブ諸国とイスラエルの間では4度にわたり「中東戦争」が戦われてきた。この両者の関係史を、ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教という三つのセム的一神教の起源に遡って、相互関係の歴史から改めて考える。ユダヤ教から生まれ「イエスこそがメシア(救世主)である」としたのがキリスト教であるが、イスラームは7世紀に預言者ムハンマドが唯一神アッラーの啓示を受けて急速に信徒を増やしていった。この三つの一神教の関係を、十字軍、東方問題、そしてパレスチナ問題といった歴史的段階ごとに振り返り、アラブ諸国とイスラエルとの関係の現状をどのように見るべきか考えてみたい。※参考図書についてはホームページでご確認ください。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/03 | 序論―講座全体の構成について | 講座全体の構成とその内容について概説する |
2 | 04/10 | 一神教としてのユダヤ教の世界 | ユダヤ教をめぐる歴史過程を「バビロン捕囚」を中心に第二神殿の崩壊まで説明する |
3 | 04/17 | ユダヤ教から生まれたキリスト教の拡大とユダヤ人迫害 | ユダヤ紀要から生まれたキリスト教をメシア(救世主)の観点から説明する |
4 | 04/24 | イスラームの成立とユダヤ教・キリスト教との関係 | 7世紀に登場したイスラ―ムの誕生を預言者ムハンマドとその後継者を中心に説明する |
5 | 05/08 | 転換期としての十字軍・レコンキスタ(再征服)・大航海時代 | イスラーム世界とヨーロッパ世界の相互関係の転換期となった十字軍・レコンキスタ。大航海時代を中心に概説する |
6 | 05/15 | イスラーム帝国としてのオスマン朝とその構成 | 最後のイスラーム帝国としてのオスマン朝の成立からその絶頂期までを概説する |
7 | 05/22 | オスマン朝の衰退(東方問題)とヨーロッパ諸国の躍進 | 19世紀以降、ヨーロッパ諸列強による介入によって衰退するオスマン帝国をめぐる東方問題を中心に概説する |
8 | 05/29 | 帝国主義の時代から第一次・第二次の両大戦間期 | 帝国主義の時代に勃興するアラブ・ナショナリズム運動の展開から両大戦間期までの歴史過程を概説する |
9 | 06/05 | イスラエル建国とアラブ・イスラエル紛争 | 第二次世界大戦後に建国されたイスラエルとその後に勃発したアラブ・イスラエル紛争(中東戦争)に関して概説する |
10 | 06/12 | アラブ・イスラエル関係の現状 | 1993年に締結されたオスロ合意に基づいて成立したパレスチナ自治政府とイスラエルとの関係を概説する |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書、臼杵陽著)を読んでいただくと講義内容の理解がより深まります。
講師紹介
- 臼杵 陽
- 日本女子大学文学部教授
- 1956年大分県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業後、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(地域研究、京都大学)。在ヨルダン日本国大使館、佐賀大学、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所、国立民族学博物館・地域研究企画交流センターなどを経て現職。専門分野は、中東近現代政治史、日本・イスラーム関係史。著書に、『日本人のための「中東」近現代史』(角川ソフィア文庫)、『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書)、『イスラエル』(岩波新書)、『「ユダヤ」の世界史』(作品社)、『原理主義』(岩波書店)などがある。