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ソグド人の歴史―シルクロード交易を独占していた知られざる民族

  • 春講座

森部 豊(関西大学教授)

曜日 月曜日
時間 10:30~12:00
日程 全6回 ・04月14日 ~ 05月26日
(日程詳細)
04/14, 04/21, 04/28, 05/12, 05/19, 05/26
コード 710305
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・ソグド人の視点から世界史に対する理解を深める
・ソグド人が商業だけではなく多くの物事に関わってきた、歴史上重要な民族であることを理解する

講義概要

ソグド人とは、もともと中央アジアのオアシス都市に住んでいたイラン系の人々である。彼らは古くから中国へ進出し、そこから絹や生糸を西方世界にもたらした。彼らはやがて、中国との交易を独占するようになり、6世紀から8世紀、すなわち隋から唐代前半にかけて、その活動は最もさかんとなったといわれる。1000年にわたり「シルクロード交易」を独占したとイメージされるのだ。こうしたソグド人の活動も、8世紀にソグディアナがイスラーム勢力に侵攻され、9世紀には完全にその支配下に入り、それをきっかけに終焉をむかえていく。本講座は、ソグド人の歴史を、商人のみならず、外交、軍事に従事した姿もふくめて紹介していくものである。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/14 ソグド人とは ソグディアナと商人になる前のソグド人の概略を述べ、近年の石刻史料や出土文書史料を利用したソグド研究を紹介する。
2 04/21 ソグド商人の誕生 中央アジアと東方の大帝国・漢が接触し、その中で「絹」をもとめて東方へ進出する人びとの動きを述べ、その中で、ソグド人が次第に優勢になる様を描きだす。また4世紀初めに、現在の中国甘粛省に住んでいたソグド人が、故郷のサマルカンドあてに書き送った手紙を紹介し、ソグド商人の姿を追っていく。
3 04/28 シルクロード交易の展開 ソグド人がユーラシア全域に張り巡らせた交易ネットワークと、そこで行われた交易の様相を紹介する。
4 05/12 中国へ移住したソグド人 20世紀末から21世紀のはじめにかけて、中国では立て続けにソグド人の墓が発見された。そこからは色鮮やかなレリーフをともなった石函牀や墓誌が発見され、中国へ移住したソグド人の姿が具体的にわかるようになった。その姿を紹介していく。
5 05/19 唐帝国とソグド商人 唐朝内を移動する様子を古代のパスポート(公験・過所)を通じて分析していく。そして、彼らが中国で求めた絹、西方から中国へもちこんだ香料や鉱物などの交易品について概論し、また唐の都・長安における胡風文化を中心に、ソグド人がもたらした風俗・エンターテイメント・宗教などを紹介する。
6 05/26 安禄山の反乱 ソグド人の血をひく安禄山を取り上げ、なぜ彼が反乱をおこしたのか、そこにソグド人はどのようにかかわっていたのかを紹介する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は6月2日(月)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

森部 豊
関西大学教授
愛知県生まれ。博士(文学、筑波大学)。専門は中国中古史と東ユーラシア史。主な著書に『唐―東ユーラシアの大帝国』(中公新書、2023年)、『安禄山―「安史の乱」を起こしたソグド人』(山川出版社、2013年)、「契丹国の建国と東ユーラシア史の新展開」(『ユーラシア東西二つの大帝国』アジア人物史第3巻、集英社、2023年)などがある。
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