ジャンル 日本の歴史と文化
中野校
古墳の築造に迫る
青木 敬(國學院大學教授)

曜日 | 月曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全3回
・06月30日 ~
07月14日 (日程詳細) 06/30, 07/07, 07/14 |
コード | 320207 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 8,910 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 10,246 |
目標
・古墳の墳丘がどのようにつくられ、変遷していったか理解できる。
・各自で現地を訪れた際に、学修成果をもとに古墳を観察し、気づきを得ることができる。
・古墳時代に対する理解を深める。
講義概要
本講義では、古墳を代表する特徴であるその大きな墳丘がどういった技術でつくられたのか、発掘調査成果をもとに紹介する。あわせて、古墳の墳丘構築技術がいかなる系統なのか、北東アジアの墳墓の例も交えつつ復元を試みる。以上の点をふまえ、古墳の墳丘構築技術の変遷を通じて、埋葬施設なども勘案しながら古墳の移り変わりとその意味について考えてみたい。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 06/30 | 前期古墳の墳丘―東西の地域性― | 箸墓古墳を嚆矢として巨大前方後円墳の築造がはじまった。前方後円墳の形状自体は弥生時代から存在していたが、巨大前方後円墳とさまざまな点で異なっていた。さらに、箸墓古墳に続く桜井茶臼山古墳やメスリ山古墳などの墳丘は、どのように変化したのか。また、各地へとひろがっていった大型前方後円墳の築造だが、墳丘の構築技術はどういった特徴が認められるのか、各地の調査例をもとに考える。 |
2 | 07/07 | 中・後期古墳の墳丘と埋葬施設―ひろがる技術の共通化と差別化― | 巨大前方後円墳がより巨大化する中期、古市・百舌鳥古墳群の墳丘構築技術はどういったものかあきらかにし、各地の古墳における共通点と差異を探ってみる。また、巨大な墳丘を効率的に構築するための道具は何だったか、墳丘という不動産的要素と道具という動産的要素の双方から検討し、中期古墳の特質を考える。加えて、横穴式石室の導入によって後期古墳の墳丘はどのように変化したのか、そして墳丘にあらわれた大きな変化とは何か。北東アジアの事例も紹介しつつ、その歴史的背景を復元する。 |
3 | 07/14 | 終末期古墳の墳丘と寺院 | 倭で仏教寺院が本格的に造営されるようになった飛鳥時代、寺院造営技術が古墳築造に与えた影響とは何か。発掘された寺院の例を交えて、双方の技術的な関連性をあきらかにする。また、関東地方を中心に築造された上円下方墳について、築造にどういった歴史的背景があったのか推測を試みるとともに、飛鳥時代像の一端を復元する。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は7月28日(月)を予定しています。
◆参考図書:青木敬著『土木技術の古代史』(吉川弘文館)
講師紹介
- 青木 敬
- 國學院大學教授
- 東京都生まれ。博士(歴史学、國學院大學)。専門分野は日本考古学(古墳時代・古代)。考古学関連の授業や夏季の発掘調査実習(長野県安曇野市穂高古墳群)などを担当。書籍等著作物として『古墳図鑑』(日本文芸社)や『土木技術の古代史』(吉川弘文館)はじめ多数。