ジャンル 現代社会と科学
早稲田校
零戦の開発に見る振動技術の発展―未開拓な技術領域への挑戦
安藤 隆幸(株式会社エアロメカ代表)

曜日 | 水曜日 |
---|---|
時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全6回
・07月02日 ~
08月06日 (日程詳細) 07/02, 07/09, 07/16, 07/23, 07/30, 08/06 |
コード | 120774 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・零戦(ゼロセン)の振動問題を通し、本機への見識を深める。
・零戦の開発を通して日本の振動技術が大きく発展したことを知る。
・雷電(ライデン)の振動問題が及ぼした歴史への影響を知る。
講義概要
誕生から今年で85年となる零式艦上戦闘機「零戦」。その優秀さは広く知られていますが、このような優れた工業製品が生み出された背景には、未開拓な技術領域に挑むエンジニアやパイロットの方々の努力がありました。本講座では零戦誕生の前に立ちはだかった振動問題に焦点を当て、その課題克服の過程をご紹介します。また、本土防衛のため開発された迎撃戦闘機「雷電」。その実用化を阻んだのも振動でした。雷電が抱えたエンジン・プロペラ振動から歴史への影響を振り返ります。2025年度は「紫電改(シデンカイ)」に搭載された「誉(ホマレ)」エンジンにも触れ、当時の技術に関する見識をより深めていただけるよう構成しました。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
---|---|---|---|
1 | 07/02 | 零戦の機体振動 | 機体振動による構造破壊について、現代の小型飛行機における強度要件を交えながらご紹介します。 |
2 | 07/09 | 振動の基本事項 | 機体振動のメカニズムを理解するために必要な基本事項を解説します。 |
3 | 07/16 | 技術革新 | 零戦の機体振動に関する課題克服とその結果もたらされた技術革新についてご紹介します。 |
4 | 07/23 | 零戦と雷電のエンジン・プロペラ振動 | 零戦のプロペラ振動および雷電のエンジン・プロペラ振動について、回転機械の基本事項を交えながらご紹介します。 |
5 | 07/30 | エンジン振動の基本事項 | 雷電の振動メカニズムを理解するために必要な基本事項を解説します。 |
6 | 08/06 | 雷電のエンジン・プロペラ振動と歴史への影響 | 雷電の振動問題を通して浮き彫りとなった技術開発の後れとは具体的に何だったのか。対戦相手が搭載したエンジンとの比較、ならびに雷電と共に本土防衛の任にあたった紫電改搭載の誉エンジンとの比較から、当時の技振競争の焦点をご紹介します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆本講座は2024年度夏学期の同講師の講座内容と重複しますが、第6回は異なる内容となっています。
◆テキストは当日資料(A4数枚)を配布しますので、お持ちいただくものは筆記用具のみです。
◆休講が発生した場合の補講日は8月20日(水)を予定しています。
講師紹介
- 安藤 隆幸
- 株式会社エアロメカ代表
- 1969年生まれ。日本大学卒業後、自動車メーカーおよび航空機メーカーにおいて解析シミュレーション業務に従事したのち、2005年、振動解析を専門に行う株式会社エアロメカを設立。CAEエンジニア(振動)/事業用操縦士(飛行機)。著書に「零戦の振動」がある。