ジャンル 現代社会と科学
中野校
首都直下の地震をさぐる―地学環境・メカニズムからの予測
佐藤 比呂志(東京大学名誉教授、元地震研究所教授)

曜日 | 水曜日 |
---|---|
時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全5回
・04月09日 ~
06月11日 (日程詳細) 04/09, 04/23, 05/14, 05/21, 06/11 |
コード | 310721 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・地震・津波を理解するための基礎を学ぶ。
・首都圏下での複雑なプレート沈み込みを理解する。
・首都圏で発生する被害地震の中期予測の現状について理解する。
講義概要
世界最大の人口を有する日本の「首都圏」は、その下に二つのテクトニック・プレートが沈み込んでいるという世界でも稀な地学環境にあり、様々な地震によるリスクを抱えています。いつ頃、どこで、どんな地震や津波に襲われる可能性があるのか、どんな被害が発生するのかを、あらかじめ理解しておくことは、首都圏で生活する上で必要な知識です。本講義では、首都直下で起こっている地学現象を理解するために、複雑なプレートの沈み込み、陸のプレート内の構造や分布する活断層、首都直下地震やプレート境界地震の特徴とメカニズム、首都圏の地震災害リスクについて分かり易く解説します。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
---|---|---|---|
1 | 04/09 | 首都圏でのプレートの沈み込みと地震活動 | 巨大地震を引き起こすプレートテクトニクスについての基礎的な説明と、世界でも特異な関東における二つのプレートの沈み込みの実態、どうして関東は地震が多いのかについて説明します。 |
2 | 04/23 | 関東の地質構造とその形成史 | 関東地方は日本列島がアジア大陸から分離する過程で日本列島では最も長い距離を移動しました。この時期に関東でどのような構造が形成され、伊豆弧の衝突やプレートの運動方向に変化によって生じた地質構造や活断層の起源について説明します。 |
3 | 05/14 | 相模トラフ沿いのプレート境界巨大地震 | 相模トラフ沿いでは200年程度の間隔でM8クラスのプレート境界地震が発生しています。1923年の関東地震や1703年の元禄地震について解説します。 |
4 | 05/21 | 首都直下地震とは? | 関東ではプレート境界巨大地震の他に、1850年の安政地震のように直下で被害地震が発生してきました。こうした首都直下地震のメカニズムについて説明し、謎の多い首都直下地震について理解を深めたいと思います。 |
5 | 06/11 | 関東地域の地震リスク | 2011年の東北太平洋沖地震は現在の地殻変動にも大きな影響を与え続けています。この状況は関東にも及んでおり、関東地方の震源断層に力の変化をもたらしています。力学的に推定される今後の地震活動への影響について説明します。また、切迫している南海トラフ地震の関東への影響、地震の際に予想される被害などについてお話します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆参考図書『巨大地震はなぜ連鎖するのか — 活断層と日本列島』(佐藤比呂志著、NHK出版新書)は、講義内では参照しませんが、事前にご一読いただくとより理解が深まります。
講師紹介
- 佐藤 比呂志
- 東京大学名誉教授、元地震研究所教授
- 1955年仙台生まれ。東北大学理学部卒業後、同大学院理学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(理学、東北大学)。2021年まで、東京大学地震研究所教授。専門分野は、構造地質学・アクティブテクトニクス。著者に『巨大地震はなぜ連鎖するのか ― 活断層と日本列島』(NHK出版)などがある。