ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

ジャーナリズムの過去・現在・未来 戦後80年。SNSに覆われた世界のなかで

  • 春講座

金平 茂紀(ジャーナリスト)

曜日 月曜日
時間 15:05~16:35
日程 全10回 ・04月07日 ~ 06月16日
(日程詳細)
04/07, 04/14, 04/21, 04/28, 05/12, 05/19, 05/26, 06/02, 06/09, 06/16
コード 110735
定員 36名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・ジャーナリズムの現状を冷徹に分析してみよう。
・既存のジャーナリズム論を越えることを試みる。
・SNSの地殻変動的台頭を視野に入れ、既成メディア(放送・新聞・出版)の役割を考える。

講義概要

ジャーナリズムの現状を冷徹に見つめる作業を、受講者の皆さんとともに行いたいと考えています。とりわけ今期は、SNSの地殻変動的な台頭を視野に入れつつ、具体的なテーマに沿って、テレビというメディアがそれぞれのテーマをどのように扱ってきたのかを概観し、今後のジャーナリズムのゆくえを考えてみたいと思います。原発、沖縄、ウクライナ戦争、パレスチナ/イスラエル戦争といったアクチュアルなテーマについても触れる予定です。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/07 オリエンテーション  メディアの激変と既存メディア 「新しい戦前」とは何か。さらに、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の地殻変動的台頭によって、既存のマスメディア(新聞、テレビ、出版)は大きな変容を遂げています。そのインパクトの大きさを冷徹に考えてみる作業から始めてみたいと思います。この日は入門編です。
2 04/14 SNSの地殻変動的台頭を考える・その1  兵庫県知事選挙 兵庫ショック。24年11月17日の兵庫県知事選挙で起きたこととは一体何であったのか。この時点で詳細に検証をしたいと考えています。
3 04/21 SNSの地殻変動的台頭を考える・その2  アメリカ大統領選挙 2024年11月5日のアメリカ大統領選挙で、トランプ氏が圧勝した背景を検証したいと考えています。この時期はおそらくトランプ第二期政権の方向がはっきりしているでしょう。
4 04/28 SNSの地殻変動的台頭を考える・その3  参議院議員選挙、東京都議会議員選挙 7月にも予想される参議院議員選挙と東京都議会議員選挙で、SNSがどのようにすでに活用されようとしているのかを検証する。現行の選挙法制度の欠陥や、有権者の意識の変化がどのようなものなのかを考えたい。
5 05/12 戦争報道の現在地・その1 ウクライナ戦争 25年5月時点で、ウクライナ戦争が一体どのような状態にあるのか、予断を許しませんが、なるべく現地で起きている現象=事実に即して、分析・検証を行いたいと考えています。場合によってはウクライナ大使館員に話を聞くことも考えています。
6 05/19 戦争報道の現在地・その2 パレスチナ・ガザでのジェノサイド 25年5月時点で、パレスチナ、とりわけガザでのイスラエル軍による軍事行動がどのような状況にあるのか、予断を許しませんが、なるべく現地で起きている現象=事実に即して、分析・検証を行いたいと考えています。日本政府の対応や日本企業の関与についても考えたいと思います。
7 05/26 戦争報道の現在地・その3 アジアでの戦争 ミャンマー 台湾海峡 戦争はウクライナやガザだけの現象ではない。アジアの各地でも、民衆の立場から見た場合、多くの殺戮や強権支配が起きている。アジアの一員である日本からそれらの国、地域で起きている戦争・紛争を考えてみます。また戦争中の日本の加害の過去への検証はいつも顧みられることが少ない。これらのことを考えてみたいです。
8 06/02 原子力をめぐる報道を考える 広島・長崎への原爆投下から80年。日本の現代史は、原子力の歴史からみることができる。原爆投下。第五福竜丸事件。原水爆禁止運動。原子力の平和利用としての国策=原発の推進、数々の事故。東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発の炉心溶融事故。その後に岸田前政権のもとで進められた原発回帰政策。これらの事象を原子力をめぐる報道の歴史という観点から考えてみたい。
9 06/09 沖縄報道を考える   本土と沖縄  本島と南西諸島  分断と無関心 本土復帰から53年の沖縄。米軍基地を一方的に押し付けられている現実は変わっていない。それどころか南西諸島は、軍事基地化が強引に進められている。県民の願いと、国策としての安全保障政策との間には、決定的な齟齬・矛盾があるように思える。日本の、そして沖縄のメディアは、ジャーナリストたちは、このテーマにどのように取り組んできたのかを考えてみたい。
10 06/16 中間まとめ 10回目は今期の講義を総括する会です。自由闊達に話し合い、それらを形にしていきましょう。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆そのときの旬の話題を理解するために、講義予定と内容が変わることがあることをご了承ください。

講師紹介

金平 茂紀
ジャーナリスト
ジャーナリスト。TBS「報道特集」キャスター(2010年〜2024年)、早稲田大学政治経済学術院客員教授(2013年〜2022年)、沖縄国際大学非常勤講師(2022年〜2023年)などを歴任。日本ペンクラブ理事(言論表現委員長)。1953年、北海道旭川市生まれ。1977年、TBS入社。以降、同局でモスクワ支局長、ワシントン支局長、「筑紫哲也NEWS23」編集長、報道局長などを歴任。2004年度、ボーン上田記念国際記者賞受賞。2022年度、外国特派員協会「報道の自由賞」受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』『筑紫哲也NEWS23とその時代』など多数。翻訳書に『じじつは じじつ、ほんとうのことだよ』。自由で開かれた議論と、想像力を広げる魅力あるカレッジを共につくっていくことが目標です。
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店