ジャンル 世界を知る

早稲田校

古代メソポタミア史料講読 古バビロニア時代の社会と法―「民法」としてのハンムラビ法典

  • 春講座

川崎 康司(早稲田大学講師)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・04月01日 ~ 06月17日
(日程詳細)
04/01, 04/08, 04/15, 04/22, 05/13, 05/20, 05/27, 06/03, 06/10, 06/17
コード 110305
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・ハンムラビ法典の各条文(282条)の内容を理解し、それが規定された社会的・経済的背景を知る。
・古代メソポタミア世界から出土した様々な資料を読解しその歴史的意味を理解する。
・当時の社会と市民の日常生活を知り、現代の日本社会との共通点・相違点を考える。
・歴史資料としての各種楔形文字資料(邦訳)の分析力を身に着ける。

講義概要

古代メソポタミア文明期の人々が残した様々な楔形文字史料(邦訳はプリントして毎回配付予定)の講読を通して、それらの史料から読み解くことができる歴史・社会・経済・文化・宗教の様相の解説を行う講座です。本年度は、前2千年紀初頭(古バビロニア時代)の歴史や社会を考えるうえで最初に思い浮かぶ史料ともいえる『ハンムラビ「法典」碑』に立ち返りたいと思います。特に民法関連の条文に注目して、その読解とその社会的背景の理解を核として講義を進めていきます。各条文に関連する当時の社会・経済状況を示す書簡(私信)や裁判記録なども、その解説を交えて受講者とともに引き続き読み進める予定です。初受講の方も歓迎いたします。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/01 古バビロニア時代の社会 今学期のテーマに関する前提として、古バビロニア時代の歴史的位置付けと社会様相の変化の概要を解説します。
2 04/08 「経済の民営化」と社会経済的変化 「家制度」と開始とその経済的背景と社会的影響の概要を解説します。
3 04/15 「正義の王」と欽定成文法発布の根拠 「法典碑」のレリーフの図像、前文と跋文の持つ意味を考えます。
4 04/22 中央集権的司法制度の確立 ハンムラビ「法典」の裁判訴訟法とその目的(第1〜5条)を考察します。
5 05/13 古バビロニア時代の治安行政と個人資産の保護 ハンムラビ「法典」の刑法とその目的(第6〜25条、第194〜214条)を考察します。
6 05/20 イルクム制度(人材雇用と土地給付制度)の導入 ハンムラビ「法典」のイルクム法とその目的(第26〜41条)を考察します。
7 05/27 最古の「人材派遣業(スキマ産業)」とその規制 ハンムラビ「法典」の農事法、宅地・借家法とその目的(第42〜a条)を考察します。
8 06/03 民間の起業家(タムカールム)たちの活動とその法的対応 ハンムラビ「法典」の債権法・商法とその目的(第l〜126条)を考察します。
9 06/10 私有財産の管理と「家制度」 ハンムラビ「法典」の家族法とその目的(第127〜193条)を考察します。
10 06/17 公定(最低)賃金規定と家内奴隷の売買規定 公定賃金規定とその目的(第215〜238条)・奴隷売買法とその目的(第239〜282条)を考察します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆初めて受講される方も歓迎いたしますが、あらかじめ古代メソポタミア史に関する一般的な通史を読んでおくことをお勧めします。
◆講義予定は講義の進行や受講生の理解度などの状況によって予告なく変更する場合があることをご了承ください。
◆関連する解説と資料の邦訳は毎回プリントにて配布予定なので特に教材を購入する必要はありません。
◆実際には1年を通じて1つのテーマを追う講座として計画を立てております。

講師紹介

川崎 康司
早稲田大学講師
東京都出身、早稲田大学大学院修了。専攻分野は古代メソポタミア史。主な著訳書は『歴史学の現在―古代オリエント』(共訳、山川出版社)、『世界古代文明誌』(共著、原書房)、『古代オリエント事典』(共著、岩波書店)、『ヨーロッパの分化と統合』(共著、太陽出版)、『朝倉世界地理講座6 西アジア』など。
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