ジャンル 日本の歴史と文化
早稲田校
東京都区部の地形と街並み
松本 泰生(元早稲田大学講師、元尚美学園大学講師)

曜日 | 木曜日 |
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時間 | 13:10~14:40 |
日程 |
全10回
・04月03日 ~
06月12日 (日程詳細) 04/03, 04/10, 04/17, 04/24, 05/08, 05/15, 05/22, 05/29, 06/05, 06/12 |
コード | 110269 |
定員 | 30名 |
単位数 | 2 |
会員価格 | 受講料 ¥ 32,340 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 36,795 |
目標
・東京都区部の街の歴史と、地形、街並み景観の変遷を知る。
・現代に息づく特有の空間構造や街並みについて学ぶ。
・都区部の街の現在・未来についての理解を深める。
講義概要
東京都区部の都市空間の江戸から現代に至る変化を、街並み景観や都市構造に着目しながら見ていきます。建築や都市空間に生活様式が反映されているさまを、地図、写真、絵画等の資料を用いながらの講義と、3回の巡見(神田周辺、上野界隈、中央区内)を通して把握し、東京都区部の街並みの特色と魅力を理解します。また、江戸、明治から平成、そして現在に至る、都区部の都市景観の移り変わりを学び、その現状とその未来について考えます。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/03 | 江戸・東京の地形と街並み景観 | 東京都心部は西側の山の手には武蔵野台地が広がり、東側の下町には東京低地が広がっています。台地を河川が浸食し、高台と丘が複雑な地形を成している武蔵野台地東端部と、荒川や利根川、隅田川が形作った低地の境界部に江戸の町は形作られ、近代以降の東京もそれを継承しつつ拡大して来ました。東京の地形と、それにもとづく都市景観・街並みを、まちあるきなどを通して鑑賞することについてお話しします。 |
2 | 04/10 | 山の手と下町 | 江戸の町では、山の手側に武家地が多く立地し、下町側には町人地が多く造られました。近代になって社会のしくみが変化し、また関東大震災や戦災、近代的な都市計画によって都市の様相は変わりましたが、現代においても山の手と下町それぞれに特有な街並みが残されています。第1回に引き続いてそれぞれの街並み景観を見ていきます。 |
3 | 04/17 | 《巡見》御茶の水・神田界隈を歩く | 第1回、第2回の講義を踏まえて、山の手と下町、それぞれの特色を持つ御茶の水・神田界隈の街を歩きます。かつての武家地や町人地の変遷を実地で見ていきます。巡見の詳細は第2回の講義時に公表します。 |
4 | 04/24 | 台東区の地形と街並み | 台東区には上野公園や谷中といった上野台地と、浅草・隅田川周辺の下町があります。界隈の地形と両者の街並みの特色と違い、江戸期〜近現代の土地利用や空間構造の変遷を改めて見て行きます。 |
5 | 05/08 | 看板建築 | 関東大震災以降、東京では木造洋風の商店建築が多く作られるようになりました。通りに面した部分だけを洋風にしたこれらの建物は「看板建築」と呼ばれ、昭和初期から戦後期の東京の街並みを構成する要素になっています。看板建築の街並み形成の経緯とその特色、近年の状況についてお話しします。 |
6 | 05/15 | 《巡見》上野界隈を歩く | 第4回、第5回の講義を踏まえて、関東大震災以降に下町商業地域に展開した看板建築が残る上野界隈の街を見て歩きます。戦災を免れて昭和初期の街並みが残る地区とそれ以外の地区を見比べながら、また近年の下町地域の街並みの変容を見ていきます。巡見の詳細は第5回の講義時に公表します。 |
7 | 05/22 | 都心の水辺 | 都心部の山の手には中小の河川や池が、また下町には隅田川や運河などの水辺空間があります。江戸期からこれらは人々に親しまれてきましたが、その景色は近現代の埋立や地下化で大きく変化しました。都心部の水辺の風景の変遷を見ていきます。 |
8 | 05/29 | 中央区の地形と街並み | 中央区の街は、隅田川沿いに広がる江戸前島や、江戸期以来の埋立により造られた土地の上に造られています。江戸期から商業の街として発展してきたこの界隈の微地形と街並みの特色を見ていきます。 |
9 | 06/05 | 《巡見》中央区内を歩く | 第7回、第8回の講義を踏まえて、隅田川に面し、運河やその跡地が残る中央区内を見て歩きます。巡見の詳細は第8回の講義時に公表します。 |
10 | 06/12 | 名所絵や古写真で見る都心部下町 | 現在の中央区や、台東区の上野・浅草周辺は、江戸期から町人が多く住み、商業の街、庶民の街として賑わい、多くの名所がある場所になっていました。江戸期から近代に掛けての名所絵や、近代以降の古写真、絵葉書などで下町の街並みの変貌を見ていきます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆巡見は現地集合(開始15分前)・現地解散となります。各回3〜4km程度を歩きます。詳細は見学回の前週の講義の際にお知らせします。お申込みの際は前後の講座との時間重複にご注意ください。
◆巡見の回はご自身と周囲の交通安全に配慮いただき、団体行動のマナーにそってご受講ください。
◆受講料はイヤホンガイド代を含みます。交通費等は別途実費ご負担となります。
◆天候などやむを得ない理由により巡見の日程が変更になる場合があります。
◆2024年秋「東京山の手の地形と街並み」の継続講座で継続生優先となる講座です。継続受講者が定員に満たない場合は、それ以外の方もお申し込みいただけます。
講師紹介
- 松本 泰生
- 元早稲田大学講師、元尚美学園大学講師
- 1966年静岡県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。博士(工学)。都市景観・都市形成史研究を行う傍ら、90年代からの東京の階段を訪ね歩く。著書として『東京の階段』(日本文芸社)、『凹凸を楽しむ 東京坂道図鑑』(洋泉社)、『新宿学』(共著)(紀伊國屋書店)がある。