ジャンル 文学の心

早稲田校

外国文学ゼミナール ハムレットの魅力を探る

  • 春講座

冬木 ひろみ(元早稲田大学教授)

曜日 金曜日
時間 15:05~16:35
日程 全12回 ・04月04日 ~ 07月04日
(日程詳細)
04/04, 04/11, 04/18, 04/25, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13, 06/20, 06/27, 07/04
コード 110190
定員 20名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 47,520
ビジター価格 受講料 ¥ 54,648

目標

・シェイクスピアの劇に親しむ
・英語を読む力をつける
・イギリスの文化と時代に対する理解を深める

講義概要

このゼミナールでは、シェイクスピアの最高傑作『ハムレット』を取り上げたいと思います。『ハムレット』はシェイクスピアの劇の中でもとりわけ謎が多く、さまざまなハムレット像が現れてきました。そうした『ハムレット』の魅力を探るために、劇の一部ずつにはなりますが、深く読み、考え、みなさまのご意見を発表形式で伺いながら進めてゆきたいと思います。やり方としては、12回の講座を3回づつのセットとして、講師が2回に渡って原作や翻訳の一部、批評などの資料を配布したり映像もお見せした後、3回目を担当制にして受講生の皆様の発表と意見交換にしたいと思っています。
※春・夏学期を通して学びます。日程にご注意ください。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/04 『ハムレット』の特殊性 まず最初に、『ハムレット』という劇の概略をご説明し、ハムレットという人物についてさまざまな解釈や描き方をご紹介します。
2 04/11 ハムレットの性格 ハムレットは悩む人間です。こうした人物が劇の主人公だったことはかつてなかったことです。考え悩む主人公に焦点を当てて、彼の人物像を考えてみたいと思います。当時流行りだったメランコリーについても解説したいと思います。
3 04/18 ハムレットの人物像を考える(発表) 皆様の意見を伺う回です。何か問題提起や感想などを口頭でお話しいただき、それに対して、他の受講生が感想や意見を交わすようにしたいと思います。
4 04/25 復讐劇とは何か シェイクスピアの時代のイングランドでは、復讐劇が人気でした。恐らくシェイクスピアが見本としたであろう『スペイン悲劇』をご紹介し、復讐に対する当時の人々の考え方についてお話しします。
5 05/16 亡霊とは? 亡霊はこの劇の一つの大きな存在であり、劇の推進役とも言えます。亡霊に対する当時の人々の考え方をキリスト教の宗派の違いから探り、この劇での特殊性についてご説明します。
また、日本の亡霊との違いについても考えてみたいと思います。
6 05/23 復讐について/または亡霊についての発表 皆様の意見を伺う回です。発表者に何か問題提起や感想などを口頭でお話しいただき、それに対して、他の受講生が感想や意見を交わすようにしたいと思います。
7 05/30 オフィーリアについて 『ハムレット』のもう一つの物語がポローニアス一家の筋です。1幕3場で、息子レイアティーズに生活上の心得を訓示する台詞は、日本で初めての『ハムレット』からの引用だと言われています。
厳格な父と息子、そして娘オフィーリアの家族関係を見てみたいと思います。
8 06/06 父と息子 ここでは、ハムレットと亡くなった父である国王との関係性を探ります。レイアティーズと父ポローニアスとの関係も併せて考えたいと思います。
9 06/13 ポローニアス一家についての発表 皆様の意見を伺う回です。発表者に何か問題提起や感想などを口頭でお話しいただき、それに対して、他の受講生が感想や意見を交わすようにしたいと思います。
10 06/20 亡霊とハムレットの出会いについて 1幕5場を考えます。亡霊が現れ、ハムレットにだけは口を開きます。亡霊は果たして本物なのか、それとも悪魔なのか、再度検討したいと思います。
また、亡霊がハムレットに語っていった内容と、復讐してほしいという亡霊となった父王の思いとの間にあるハムレットの心情を探ります。
11 06/27 亡霊に出会うハムレット ここでは、1幕5場の映画や舞台の映像をいくつか見て頂きながら、その違いについて検討したいと思います。お見せするのは一部ずつですが、その比較を次回の発表の資料の一つにしたいと思います。
12 07/04 亡霊の課す復讐についての発表 皆様の意見を伺う回です。発表者に何か問題提起や感想などを口頭でお話しいただき、それに対して、他の受講生が感想や意見を交わすようにしたいと思います。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆テキストが入手しにくい場合は、他のテキストでも構いません。
◆休講が発生した場合の補講は、7月4日(金)15:05〜16:35を予定しております。
◆ゼミナール講座には、学びをより良いものにするための「グランドルール」があります。
相互に円滑に学びあうコミュニティづくりにご協力ください。
・議論の際には、他者の意見を否定するのではなく、建設的な意見を述べて議論を深めるようにする
・対等な立場で参加し、他者の意見や背景を理解する努力をする
・ゼミというコミュニティの中で、自分のできることを見出し、コミュニティへの貢献を意識して活動する
・ゼミに参加する全員で、ゼミ全体の「思考の質」、「成果の質」をあげることをめざす

備考

◆5/9は休講となりました。7/4に補講を実施いたします。

テキスト

テキスト
シェイクスピア/小田島雄志訳『『ハムレット』小田島雄志訳』(白水社、白水Uブックス)(ISBN:978-4560070239)

講師紹介

冬木 ひろみ
元早稲田大学教授
早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。2008年度英国ケンブリッジ大学客員研究員。専門分野はイギリス演劇、特にシェイクスピア。編著書に『ことばと文化のシェイクスピア』(早大出版部)、『甦るシェイクスピア』(研究社)などがある。
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