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ケルトの文化遺産とヨーロッパの源―パリとフランスの古都遺跡・博物館を訪ねて セーヌ川崇拝・ガリア戦記・暦の由来まで
鶴岡 真弓(多摩美術大学名誉教授)

曜日 | 土曜日 |
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時間 | 10:30~12:00 |
日程 |
全3回
・01月11日 ~
02月08日 (日程詳細) 01/11, 01/25, 02/08 |
コード | 740360 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 8,910 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 10,246 |
目標
◆本講座では、「ヨーロッパの古層」の文化と物質文明を伝えてきた、「古代フランス」の「ケルトの遺産」を、「パリ、リヨン」等の各都市・遺跡・博物館に伝わる「地名・聖域・神像・美術・巡礼・奉納物」までの文化伝統の体系を通して、その今日への継承を理解する。◆日本では知られざる中世以前、古代のアルプス以北に花開いた「フランス=ガリア」の歴史文化の背景を知ることで、「ヨーロッパの源と誕生」そのものを最発見する。
講義概要
日本では幕末以来「フランス」とは、「民主革命」を遂げた、華やかな「文化芸術」の国として理解されてきた。が、2000年前、ローマに征服される前まで「ケルト」文明が生きていた。首都「パリ」の語源はケルト部族「パリシー」に由来し「セーヌ川」は彼らの「聖なる川」の意味をもつ。パリ市内や各古都の遺跡・博物館を巡り、発掘された代表的作例を毎回読み解き『ガリア戦記』には書かれなかった「巡礼や奉納物」までにも触れる。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 01/11 | 聖なる「セーヌ川」の水源信仰 ー 2000年以上前の「パリの誕生」 | フランス(ガリア)は約2000年前、ローマのカエサルに征服され「ルテティア」と呼ばれた。が、その後ローマが崩壊すると「パリ」という名に戻った。これはローマ人のフランス侵入前、そこはにケルトの「パリシー族」が鉄器文明を展開していた証拠であった。彼らの舞台は「セーヌ川」とシテ島。➊巡礼地「セーヌの水源」信仰 ❷船乗りたちが奉納しノートルダム寺院地下から発見された「奉納物」までの意味を読み解く。 |
2 | 01/25 | パリのケルト美術と考古学ー「黄金のコイン」「母子像」「聖獣」の図像学 | パリの旧国立図書館はルーブル美術館の南に佇(たたず)み、ガリアを救った英雄ウェルキンゲトリクスの肖像コイン等、「コイン」の宝物が蔵している。郊外のサンジェルマン・アン・レー「国立考古学博物館」にはガリアの「母子像」や「聖獣イノシシ像」が見られ、図像はギリシャ・ローマ美術とは全く異なる「生命観」を表している。図像の変容とケルトの自然の背景を学び、ヨーロッパ美術の「根源」を問う。 |
3 | 02/08 | 「ケルト暦と収穫祭カレンダー」 ー リヨン、ガロ=ローマ博物館の記録 | フランス第2の都市「リヨン」は、ケルトの太陽の神「ルグス」を語源とし、祭日「ルーナサ・8月1日」は,ヨーロッパの秋の「収穫祭」の礎となった。その日に人々は収穫を祝い、「持参金」を手にして「お見合い」や「仕事の契約」さらに「大会議」も開いた。現代につづくヨーロッパの「牧畜農耕社会のカレンダー」は「ケルトの暦」にさかのぼる。ローヌ川とソーヌ川の交点、古都「リヨン」の遺跡・建築群も探訪する。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は2月15日(土)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
講師紹介
- 鶴岡 真弓
- 多摩美術大学名誉教授
- 1952年生。早大大学院修了。ケルト文化芸術研究。ユーロ=アジア世界の生命表象研究。『ケルト/装飾的思考』『ケルト美術』『芸術人類学講義』(編著)(筑摩書房)『ケルトの想像力』(青土社)『装飾する魂』『ケルトの魂』『京都異国遺産』(編著)(平凡社)『図説 ケルトの歴史』(共著:河出書房新社)『ケルトの宗教 ドルイディズム』(共著:岩波書店)ミーハン『ケルズの書』(訳:岩波書店 & 創元社)『阿修羅のジュエリー』(イーストプレス)ピゴット『ケルトの賢者ドルイド』(訳:講談社)等著訳書多数。『ケルト再生の思想』(ちくま新書:河合隼雄学芸賞)。