ジャンル 世界を知る

中野校

アメリカ社会を作る人々―アフリカン・アメリカンの女たち

  • 冬講座

荒 このみ(東京外国語大学名誉教授)

曜日 金曜日
時間 10:40~12:10
日程 全5回 ・01月24日 ~ 02月21日
(日程詳細)
01/24, 01/31, 02/07, 02/14, 02/21
コード 340301
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・アメリカ社会を築いてきたアフリカン・アメリカンたちについて。
・政治・文学・演劇・映画の諸分野で活躍した人々。
・かれらの人生を通してアメリカ社会の特質を知る。

講義概要

アメリカ社会を築いてきた人々は、白人の男女ばかりでなく、奴隷時代の敷かれていた時代から、アフリカン・アメリカンの男女の労働力があり、自由なアメリカ市民になった、その後の時代に、さまざまな分野で活躍してきている。政治・文学・演劇・映画の諸分野で、アフリカン・アメリカンの女たちが、どのようにアメリカ社会の構成員としての役割を果たしてきたか、その影響を十分に振り返り、かれらもまたアメリカの精神風土を作りあげてきたことを知る。取り上げる人物は、カマラ・ハリス、19世紀の黒人乳母マミーたち、ジョセフィン・ベイカー、ドロシー・ダンドリッジ、トニ・モリスン。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/24 カマラ・ハリス アフリカン・アメリカンであり、インドからの移民を母親に持ち、新しい型のマイノリティ。現代のアメリカ社会だからこそ可能な人生を模索し築いている。「アメリカの夢」の体現である、これまでの政治的人生をたどる。
2 01/31 19世紀の黒人乳母マミーたち 『風と共に去りぬ』の乳母マミーに典型的なマミー像は、アメリカのひとつの文化現象である。マミー・グレイズというマミー人気が起きた時代があった。かれらは白人の子供を養育し、精神的影響を与えている。文学作品に登場するマミーたちから、かれらの存在の意味を探る。
3 02/07 ジョセフィン・ベイカー 1925年、パリへ渡った貧しいダンサー、歌手のベイカーは、パリで大ブレークする。世界一金持ちの黒人女性と見なされた時もある。差別撤廃運動で活躍し、フランスのレジスタンス運動で果たした役割も大きい。人種差別のない社会を夢見て、日本から養子を迎え、黒人、白人の子供たちも加えて「虹の家族」を作った。その夢とは?
4 02/14 ドロシー・ダンドリッジ ハリウッド・スターになり、アフリカン・アメリカンとして初めてアカデミー主演女優賞の候補になる。だが授与されることはなかった。その栄光と挫折に、1950年代のアメリカ社会におけるアフリカン・アメリカンの受容と拒絶の社会風土を探る。
5 02/21 トニ・モリスン アフリカン・アメリカンの女性作家として初めてノーベル文学賞を授与される。文学作品のみならず、その言動はアメリカ社会で大きな影響力を持った。オバマ大統領の実現にも、少なからぬ貢献をしている。文学者としての、その存在の意味を見ていく。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した際の補講日は2月28日(金)を予定しています。

講師紹介

荒 このみ
東京外国語大学名誉教授
1946年生まれ。お茶の水女子大学卒業、東京大学大学院博士課程修了。博士(文学)。アメリカ文学・文化専攻。著書『マルコムX』(岩波新書)、『風と共に去りぬ―アメリカン・サーガの光と影』(岩波書店)、訳書『風と共に去りぬ』全6巻(岩波文庫)、『「他者」の起源』(集英社新書)など。文学作品の精読によるアメリカ社会を知る大切さを感じている。
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