ジャンル 日本の歴史と文化

オンデマンド

【オンデマンド】古代のアート―装飾古墳の謎 見せる埋葬の比較考古学

  • 春講座

河野 一隆(東京国立博物館学芸研究部長)

コード 910203
定員 −名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 3,960
ビジター価格 受講料 ¥ 3,960

目標

・先史壁画として、装飾古墳の固有の美の世界を知る。
・文献資料・考古資料を読み込んで多面的に歴史を捉える。
・人類史の観点から装飾古墳・装飾墓や洞窟壁画を比較する。

講義概要

巨大古墳が築かれた近畿中央部(後の畿内)に少なく、九州の北・中部や関東から東北にかけて分布する装飾古墳は、ローカルな古墳文化と今まで見なされてきた。しかし、この講義では畿内中心史観を排し、死生観の多様性を重視する立場から装飾古墳の謎の解明に挑む。さらに、壁画を守り伝えるための取り組みや最新デジタル技術の導入など、壁画の保存と活用について国内外の事例を紹介する。最後に、装飾古墳・装飾墓が日本だけでなく世界的に分布する王墓とならぶ「見せる埋葬」の一種であることを指摘し、洞窟壁画と対照しつつ人類にとって先史壁画遺産の意義について考察する。2回の講義を通じて装飾古墳研究の到達点を分かり易く提示したい。

各回の講義予定

講座内容
1 筑紫君磐井の乱と装飾古墳 九州の装飾古墳は、従来、筑紫君磐井の乱との関連で説明され、その背景に中心地である畿内に対立した九州のローカルな古墳文化という構図で語られてきた。ところが、それでは説明できない考古学的な証拠が近年、知られるようになってきた。古墳文化の中心か周辺かという捉え方ではなく、死生観の違いが埋葬法に反映したとみる観点から、新しい解釈を提起する。
2 装飾古墳の人類史 装飾古墳は屋外に造営された史跡のため壁画の環境保全は不可避である。一方、文化遺産を活用するためには公開しなければならず、装飾古墳の保存と活用は古くから両立が難しい問題とされてきた。近年、フランスの洞窟壁画で試みられている先進的な事例を紹介すると共に、人類史的な観点から洞窟壁画と装飾古墳・装飾墓を先史壁画遺産として捉える視点を提示する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/03/05)から学期終了翌月末(2024/07/31)までになります。一般申込開始(2024/03/05)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
 2023年度 秋期 「古代のアート―装飾古墳の謎」 (11/18〜12/02 土曜日、全2回)
 で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

河野 一隆
東京国立博物館学芸研究部長
1966年福岡県柳川市出身、京都大学大学院文学研究科修士課程修了後、(財)京都府埋蔵文化財調査研究センター、九州国立博物館を経て現職。専門分野は日本考古学。主要著作に、『王墓と装飾墓の比較考古学』同成社(2022年)、『装飾古墳の謎』文藝春秋新書(2023年)、「装飾古墳とはなにか?」『最新技術でよみがえる 九州装飾古墳のすべて』東京書籍(2015年、共著)などがある。

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