ジャンル 日本の歴史と文化

オンデマンド

【オンデマンド】茶道のはじまりは海を渡って 紫式部から足利義政まで

  • 春講座

田中 仙堂(大日本茶道学会会長、公益財団法人三徳庵理事長)

コード 910201
定員 −名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 9,900
ビジター価格 受講料 ¥ 9,900

目標

・喫茶行為に着目すると、日本文化のつながりが見えてくることを実感する。
・喫茶風習が、大陸からの文物の受容と並行して行われたことで、喫茶行為自体のブランド化が準備されたことを理解する。
・室町時代の文化が、「わび茶」だけとは言い切れないことを確認する。

講義概要

この講座では、「海域アジア」研究の進展を踏まえて、高級舶来品の代名詞であった「唐物」をとらえ直します。紫式部、平清盛、佐々木導誉、足利義満、足利義政の時代の舶来文化である喫茶行為がいかなるものであったか、と問うことで、その時代の他の文化が映し出されることと、「わび茶」成立以前の喫茶文化の多様な姿を明らかにしてみたいと思います。

各回の講義予定

講座内容
1 紫式部と唐物 嵯峨天皇の時代に、菅原道真にも愛された唐風喫茶の飲用は、その後の王朝時代に決して消滅してしまったわけではないことを中心に、遣唐使が派遣されなくなってからも続く大陸との交流が「唐物」愛好を支えていたことを確認します。
2 平清盛と栄西 『平家物語』の福原遷都は、平氏の宋朝との交易を抜きには考えられず、宋朝との交易は、宋風喫茶(点茶法)の招来につながったことを踏まえつつ、臨済宗の開祖とされる栄西がいかなる意味で「茶祖」ともされるのかを考え直します。
3 佐々木道誉とバサラ 後醍醐天皇の建武の中興前後に活躍する佐々木道誉は、「バサラ大名」とも言われますが、その「バサラ」ぶりは喫茶を賭け事の手段として扱ったことにも顕著です。鎌倉から京都に都を移した武士たちの喫茶が都風に洗練されていく端緒を考えます。
4 足利義満と瀟湘八景図 足利義満が成し遂げた南北朝の統一が、南朝からの三種の神器の返還によって完結するように、何を所持しているかは、所持者の権威と不可欠のものととらえられていました。義満は、唐物と喫茶でも自身の権威を示していなかったか、と問い直してみます。
5 足利義政と東山御物 応仁の乱は、戦国時代を生んだ大乱と言われますが、茶道を生み出す変革の出発点でもありました。そのことを足利義政時代からの将軍家コレクションの散逸とそれを手にした人々という形で確認します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/03/05)から学期終了翌月末(2024/07/31)までになります。一般申込開始(2024/03/05)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
 2023年度 秋期 「茶道のはじまりは海を渡って」 (09/28〜10/26 木曜日、全5回)
 で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

田中 仙堂
大日本茶道学会会長、公益財団法人三徳庵理事長
茶道流派・大日本茶道学会の会長として茶道を実践する傍ら、歴史社会学者として茶道文化史を研究している。著書に『お茶と権力 信長・利休・秀吉』(文春新書)、『岡倉天心「茶の本」をよむ』(講談社学術文庫)など。

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