ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

食虫植物の進化と遺伝子

  • 春講座

大山 隆(元早稲田大学教授)

曜日 木曜日
時間 13:10~14:40
日程 全4回 ・04月18日 ~ 06月13日
(日程詳細)
04/18, 05/16, 05/30, 06/13
コード 110742
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・食虫植物に対する理解を深める。
・ゲノムと遺伝子に対する理解を深める。
・食虫植物の環境適応戦略と遺伝子の関係について理解を深める。

講義概要

地球には多様な生物がおり、特殊な環境に適応して生きているものも少なくない。食虫植物もその一例で、彼らは特異な形態の葉や根を用いて昆虫などの小動物を捕らえ、消化吸収することで貧栄養環境に適応して生きている。この能力は一方で食虫植物を傷害や病原菌感染の危険にさらしているが、これらのストレスに応答する遺伝子を獲物の消化にもうまく利用していることがわかってきた。本講座では食虫植物とはどのような生き物か、また、これまでにどのような進化を辿ってきたのかを解説する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/18 食虫植物ワールド 世界の食虫植物の種類、分布、自生環境、捕虫機構などについて解説する。
2 05/16 ゲノムと遺伝子 食虫植物の進化を理解するためには、ゲノムや遺伝子について理解を深めることが必須である。そこで、この回は高等生物のゲノムや遺伝子について、初学者でも理解できるように易しく解説する。
3 05/30 食虫植物の進化(1) 近年、ハエトリソウ、モウセンゴケ、ウツボカズラをはじめとした様々な食虫植物の消化液中の酵素やタンパク質の詳細が明らかになってきた。これにより、食虫植物の進化プロセスを解明する大きな糸口が得られた。ここでは、まず、消化液中の酵素やタンパク質の共通的特徴と機能について解説する。また、このような研究を支える基盤技術・実験法についても紹介する。
4 06/13 食虫植物の進化(2) 食虫植物は、特定の酵素・タンパク質群(第3回講義で紹介)を捕虫・消化器官だけで発現させるために、遺伝子の働きを制御する様々な仕組みを作り上げてきた。この回では、それらについて解説する。また、食虫植物が現在の形質を獲得する過程で遺伝子あるいはその利用の仕方にどのような変化が起きたのかを、遺伝子科学における最新の知見をもとに解説する。最後に全講義を総括するとともに、食虫植物科学の今後を展望する。

講師紹介

大山 隆
元早稲田大学教授
1954年 愛知県に生まれる。名古屋大学、同大学大学院博士前期課程、民間企業を経て、名古屋大学大学院理学研究科博士後期課程修了。その後、三菱化成生命化学研究所特別研究員、明治乳業ヘルスサイエンス研究所研究員、甲南大学理学部助教授・教授などを経て現職。
主な著書:
「エピジェネティクス」裳華房 、2016年、共著;
「ベーシックマスター分子生物学 改訂2版」 オーム社 、2013年、共編著;
「ベーシックマスター生化学」 オーム社 、2008年、監修・共著;
「DNA Conformation and Transcription」Springer, N.Y., 2005年, 編著。
論文(英文):多数
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