ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

ライフサイエンスが解き明かす脳とこころ―認知症と健康脳の維持

  • 春講座

掛山 正心(早稲田大学教授)

曜日 木曜日
時間 13:10~14:40
日程 全6回 ・04月18日 ~ 06月13日
(日程詳細)
04/18, 04/25, 05/16, 05/30, 06/06, 06/13
コード 110737
定員 31名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・脳のことを正しく知る。
・脳研究の最前線に触れる。
・認知症を理解する。

講義概要

社会的ストレスや孤独、認知症など、脳とこころに関する情報はたくさん発信されていますが、誤解を与えかねない表現があったり簡略化しすぎていて、かえって理解が進まないことが多いと感じています。この講座では、サイエンスが明らかにしてきた生命と脳の不思議を楽しく理解した上で、サイエンスの言葉で脳を知ることを目指します。脳がものをどのように視て、どう解釈し、どうやって覚えて、そして思い出すのか。最前線の研究でわかったこと、わからないことを紹介しながら、認知症を正しく理解し、健康な脳を維持する工夫をみなさんと一緒に考えていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/18 こころと細胞ー哲学で知るか科学で知るか 「こころ」はものさしで計測できない哲学的なものです。細胞は計測可能な科学的なものです。もともと科学は哲学から誕生し分離して科学になりました。
脳とこころを理解するために哲学と科学は再び接近しつつあると言えるでしょう。第1回は、計測したり存在を言葉でうまく説明できない「こころ」を科学でどう説明できるのか、できないものはなにかをテーマに、ライフサンスを感じてもらいます。
2 04/25 記憶 認知症は記憶障害だとよく言われますが、なぜ「記憶症」と言わないのでしょう? 人間と他の動物の脳の違いを解説しながら、覚える、忘れない、思い出すこと、つまり「記憶」のことを理解します。
3 05/16 視覚 私たちは顔や声だけ、時には後ろ姿だけでも相手を識別できることがあります。私たちはスクリーン上の映像と現実の違いを容易に見分ける一方で、映画やドラマでスクリーンの世界にいるような疑似体験をすることもできます。目に入る視覚情報は脳でどのように処理されるのか、生命の精緻な仕組みを紹介します。
4 05/30 認知 私たちがものを覚える時にも、視たものを理解するときにも、必ず過去の経験を最大限利用しています。過去の経験とは、知識や知恵というべきものです。知識や知恵を使ってものを捉えることを認知と言います。認知の神経回路を理解することで、経験、知識、知恵が私たちのこころを支えていることを実感できるでしょう。
5 06/06 認知症 私たちの親のことを考えると、私たちの多くが当事者として直面している課題です。治療や予防について安易な発信はしませんが、家族、政府・自治体の介護事業や医療の努力により、発症年齢は着実に高年齢化していることを紹介します。その上で、私たち研究者が治療薬・予防薬開発で何につまづいて、また頑張っているのかを紹介します。
6 06/13 健康な脳を維持する工夫 健康とはどんな状態でしょうか? 脳の健康という観点から、認知症に関する知識のまとめを行います。そしてディスカッション形式で、健康な脳を維持するための工夫を皆さんと考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆持ち物も予習も不要です。講義をもとに復習したくなる授業を心がけます。
◆休講が発生した場合の補講日は、6月20日(木)を予定しています。

講師紹介

掛山 正心
早稲田大学教授
早稲田大学人間科学部卒業後、国立環境研究所(約8年)、東京大学(約8年)等で経験を積み、2015年に母校に戻り環境脳科学研究室を主宰しています。基礎研究として化学物質や生育環境などの環境要因と脳発達・加齢変化の関係を調べながら、応用研究として発達障害や認知症などの機序・治療法開発に取り組んでいます。
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