ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

【対面+オンラインのハイブリッド】オルタナティブ経済学入門 MMT(現代貨幣理論)と景気循環論で読み解く現実の経済

  • 春講座

島倉 原(経済評論家、株式会社クレディセゾン主席研究員)

曜日 土曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・05月11日 ~ 06月15日
(日程詳細)
05/11, 05/18, 05/25, 06/01, 06/08, 06/15
コード 110730
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・MMT(現代貨幣理論)と景気循環論の概要及び学習意義を理解する。
・経済理論と統計データを使って現実の経済を読み解く力を養う。
・日本や世界の政治経済動向に対する理解を深める。

講義概要

貨幣や経済政策に関する新しいマクロ経済理論として近年世界的に注目されているMMT(Modern Monetary Theory、現代貨幣理論)や、経済全体で周期的に発生するバブル現象や産業構造の転換などを解明する景気循環論を学んだ上で、政治・経済・金融市場など、現実社会の動向を読み解いてみようという講座です。各回の講義テーマは予め設定するものの、質疑応答やディスカッションを適宜取り入れ、参加される受講生の具体的な関心にできるだけ則した講義内容にしたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/11 なぜ、オルタナティブ経済学を学ぶのか(テキストまえがき、第1章、あとがき) 本講座で取り上げるMMTも景気循環論も、(新古典派経済学を基礎とする)いわゆる主流派経済学とは大きく異なる世界観に基づく経済理論です。そうした理論を学ぶ意義を、主流派経済学の問題点、MMTが昨今注目される背景、さらには学問全体の大きな流れといった観点から解説します。また、第2回以降の参考とするため、取り上げて欲しいトピックなどを、受講生の皆さんからヒアリングする時間も設けたいと思います。
2 05/18 貨幣(お金)とは何か―MMTの貨幣論(テキスト第2章) MMTと主流派経済学との決定的な違いは、「貨幣とは何か」という問いに対する答えです。「貨幣の本質は債権である」というMMTの考え方やその含意を、歴史学・人類学などの見地から検証しながら解説します。
3 05/25 通貨と財政の仕組み—政府はなぜ財政破綻しないのか(テキスト第3章) 「財政赤字が拡大すると経済や財政の運営に支障をきたす」という主流派経済学に対して、「財政赤字が拡大しても恐れる必要はない」「税金は政府の財源ではない」というのがMMTの主張です。政府の財政が実際にはどのように運営されており、そうした実態からどのような結論が導き出せるのか―MMTがいち早く予見していたユーロ危機の事例なども交えて解説します。
4 06/01 MMTの経済政策論(テキスト第4章) 貨幣や財政についての見方が違えば、政府が行うべき経済政策のあり方についても、当然異なる結論が生じます。「機能的財政論」「就業保証プログラム」をはじめとした、主流派経済学とは異なるMMT独自の経済政策論を解説します。
5 06/08 MMTから読み解く日本経済(テキスト第5章) MMT派の経済学者たちは、長期停滞している日本経済こそ「MMTの正しさを示す実証例」であると同時に、「MMTの政策処方箋と真逆のことを行なったために失敗した典型例」であると述べてきました。それは一体どういうことなのか、長期にわたる日本経済の統計データを示しながら解説します。
6 06/15 政治経済の現状と課題を分析する(テキスト第6章) 世界の政治経済がどのように変化しているのかを捉えるのに有用なのが、景気循環論の視点です。最終回では、そんな景気循環論を概説してMMTの知見と融合し、政治経済の現状や課題を分析した上で、将来予測も交えつつ、経済政策のあるべき姿を検討します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は、6月22日(土)を予定しています。
◆講師の著書『MMT講義ノート:貨幣の起源、主権国家の原点とは何か』(白水社)をテキストとして使用します。ただし、同書出版後アップデートされた内容も取り上げるほか、質疑応答やディスカッションに一定の時間を割くことから、テキストをあまねく詳細に解説することは想定していません。したがって、事前にテキストの該当箇所を予習してある程度理解を深めた上で、各回の講義に臨むことをお勧めします。
◆研究者情報サイト「リサーチマップ」に、講師による過去の発表資料や執筆・監修したオンライン記事へのリンクがまとめられています(https://researchmap.jp/hajime_shimakura)。適宜参考にして下さい。
◆本講座は対面でもオンラインでも受講できるハイブリッド形式の講座です。対面・オンラインのご都合のよい形式でご受講いただけます。
◆講師は早稲田校の教室で講義し、その講義がオンラインで同時配信されます。
◆対面で受講するときは、「受講証兼教室案内」に記載された教室へお越しください。「受講証兼教室案内」は開講が確定してから送付されます。
◆オンラインで受講するときは、マイページからご受講ください。
◆オンラインでの受講を予定している方は、お申し込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆本講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

テキスト

テキスト
島倉 原『MMT講義ノート:貨幣の起源、主権国家の原点とは何か』(白水社)(ISBN:978-4560094334)

講師紹介

島倉 原
経済評論家、株式会社クレディセゾン主席研究員
専門はマクロ経済学・景気循環論。株式会社アトリウム担当部長、セゾン投信株式会社取締役などを歴任。著書に『MMT講義ノート:貨幣の起源、主権国家の原点とは何か』(白水社)、『MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論』(角川新書)、『積極財政宣言―なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論)、監訳書に『MMT現代貨幣理論入門』(L・ランダル・レイ著、東洋経済新報社)がある。
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店