ジャンル 人間の探求
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リベラル・デモクラシーを考える―ジョン・ロールズ入門
田中 将人(岡山商科大学准教授)
曜日 | 土曜日 |
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時間 | 15:30~17:00 |
日程 |
全4回
・05月11日 ~
06月08日 (日程詳細) 05/11, 05/18, 06/01, 06/08 |
コード | 710510 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・リベラル・デモクラシーならびに財産所有のデモクラシーについて理解する。
・現在の経済、政治、社会問題への対策を考える。
講義概要
現代を代表する政治哲学者のロールズは『正義論』でリベラル・デモクラシーを擁護しましたが、今日、リベラリズムもデモクラシーも困難に直面しています。その要因はさまざまな不平等にあるといえますが、ロールズの著作にはそうした問題に対処するための「財産所有のデモクラシー」というアイデアも示されています。本講義では、具体的な経済・政治・社会上の問題をとりあげながら、財産所有のデモクラシー=「〈わたし〉が〈わたし〉であることのできるデモクラシー」のあり方について考えます。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 05/11 | 財産所有のデモクラシー | リベラル・デモクラシーならびに財産所有のデモクラシーの基本的な特徴について論じます。とりわけこのデモクラシーの構想がさまざまな不平等への対抗を意識したものであること、個々人の生き方の多様性を擁護していることについて考えます。 |
2 | 05/18 | 経済上の平等 | トマ・ピケティたちが明らかしたように、世界のいたるところで経済上の格差が増大しているにもかかわらず、従来の福祉政策は必ずしもうまく機能してきませんでした。第二回では、こうした不平等に対する、事後的な対処ではない、事前分配・当初分配に基づく包摂的な政策について考えます。 |
3 | 06/01 | 政治上の平等 | 一部の富裕層が政治権力を握る「寡頭制」が多くの社会でみられるようになってきています。日本では世襲政治家の多さやジェンダーギャップの大きさという問題も深刻です。第三回では、こうした徒党の発生を防ぎ、長期的な安定性をめざす共和主義の政治について考えます。 |
4 | 06/08 | 社会上の平等 | 社会の分断化がすすみ、出身階層や雇用形態の違いが自己肯定感や平均寿命の格差に結びつくようになってきています。能力主義のもとで特定のライフスタイルや価値観が強いられるという問題もあります。第四回では、多様な評価軸をもったコミュニティが存在することの重要性について考えます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は、6月15日(土)を予定しています。
◆Zoomミーティングを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆本講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
講師紹介
- 田中 将人
- 岡山商科大学准教授
- 1982年広島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。早稲田大学大学院政治学研究科修了。博士(政治学)。早稲田大学政治経済学術院助手等を経て、現在、岡山商科大学法学部准教授。専門分野は規範的政治理論および政治思想史。ジョン・ロールズの政治思想や政治的リベラリズムについての研究をメインに行っている。主要業績として『ジョン・ロールズ──社会正義の探究者』中央公論新社、2021年(共著)『ロールズの政治哲学──差異の神義論=正義論』風行社、2017年。https://researchmap.jp/tj-pl/