ジャンル 日本の歴史と文化

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古代道路と人々―往来の歴史学

  • 春講座

近江 俊秀(文化庁主任文化財調査官)

曜日 土曜日
時間 10:30~12:00
日程 全6回 ・05月18日 ~ 06月22日
(日程詳細)
05/18, 05/25, 06/01, 06/08, 06/15, 06/22
コード 710207
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・古代から現代に至るまでの交通制度の変遷に関する知識を身につける
・道を舞台に繰り広げられた出来事から、道路の果たした役割に関する知識を身につける
・往来の歴史を通じて、これからの道路の在り方について考える

講義概要

歩行者は右側を歩くというルールがいついかなる理由から始まったのか。そうした身近な問題から、交通制度や乗り物、道を舞台とした様々な事件や出来事を通じて、人と道路との関わりや交通に現れる時代の変化などについて講義する。たかが通行の話と侮ることなかれ。交通マナーや乗り物の変化にも、それぞれの時代や社会の特性が表れており、そこには、これからの道路や交通について考える上でのヒントが隠されている。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/18 人は道のどちら側を歩いたのか?ー近代以前の交通マナー 歩行者は道のどちら側を歩くことになっていたのか。様々な時代の文献史料や発掘調査成果から、時代によって変化する交通マナーとその理由について解説する。
2 05/25 乗り物の歴史ー輿から人力車まで 乗物の利用と身分制度とは、もともとは不可分一体のものであった。現在のように誰しもが乗り物を利用できるようになるに至るまでの歴史を解説し、人と乗り物との関わりと社会の変化について述べる。
3 06/01 古代道路を駆け抜けた使者ー駅使と情報伝達 奈良時代から平安時代、国家による緊急通信システムの中軸を担った駅使について、その役割、生活、情報伝達速度、規制について述べるとともに、緊急通信システムを支えたもうひとつの主役である駅子の生活について解説することにより、古代の情報伝達システムの全体像と問題点について述べる。
4 06/08 都大路と都市計画ー平城京の町割りと道路の維持、管理 碁盤の目と表現されるように、古代の都は道路により方形に区画されていた。ただ、それは単純に土地を区画するだけでなく、安心・安全な町を実現するための道路側溝による水利システムなども伴っており、また道路と素行の維持管理も徹底されていた。ここでは、古代都市における道路の役割などについて解説する。
5 06/15 戦乱の中の道路ー壬申の乱、藤原仲麻呂の乱 古代の戦乱においては、交通上の要衝をいかに早く確保するのかが時に勝敗の帰趨を決定した。また、平時においても交通の要衝を厳重に警備することが重要視されていた。ここでは古代の戦乱と交通路との関係について解説する。
6 06/22 古代道路の誕生と廃絶ー人との関わりから 古代道路は中央集権体制を実現するために、極めて高い計画性を以て全国に張り巡らされた。そして、中央集権体制の衰退と同時に路線の多くが廃絶した。これは古代道路が極めて政治性が高い存在であったことを裏付けるものである。ここでは、古代道路の成立から廃絶に至るまでの変化を人との関わりという視点から解説する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、6月29日(土)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

近江 俊秀
文化庁主任文化財調査官
1988年奈良大学文学部文化財学科卒業。1990年に奈良県立橿原考古学研究所に入庁。奈良県内の遺跡の発掘調査等に携わる。2009年文化庁入庁。埋蔵文化財の保護に係る業務を行っている。2019年より主任文化財調査官。専門は日本古代交通史。主な著書に『古代国家と道路:考古学からの検証』青木書店、2006、『古代道路の謎:奈良時代の巨大国家プロジェクト』祥伝社、2013、『古代都城の造営と都市計画』吉川弘文館、2014、『海から読み解く日本古代史』朝日新聞出版、2020などがある。2012年『道が語る日本古代史』で第1回古代歴史文化賞「なら賞」受賞。
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