ジャンル 日本の歴史と文化

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日本の識字と学びの発展史―古代の漢字受容から寺子屋、近代学校の設立まで

  • 春講座

八鍬 友広(東北大学大学院教授)

曜日 金曜日
時間 10:30~12:00
日程 全6回 ・05月10日 ~ 06月14日
(日程詳細)
05/10, 05/17, 05/24, 05/31, 06/07, 06/14
コード 710217
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・文字を介在した学びと教育の在り方について理解する。
・日本における文字の読み書きの歴史的成り立ちについて理解する。
・日本における読み書きの教育及び識字率等の歴史について理解する。

講義概要

日本における文字の読み書きは、漢字を移入してそれを日本語に適応させることにより成立してきました。そのためには様々な工夫が必要でしたが、なかでも重要なのは読み書きのための教育です。この必要に応えるため「往来物」という奇妙な名前で呼ばれる教材が開発され、「寺子屋」などでこれを教育してきました。その結果、江戸時代は比較的文字の普及した社会となったと言われています。本講義では、明治期の識字率調査なども取り上げ、識字の普及の実態についても迫りたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/10 学びと教育と認知的道具 人間は自ら学ぶだけではなく、お互いに教え教えられる存在でもあります。またこのような学びと教育は、さまざまな道具と結びつくことによって実現しています。認知的道具と結びついて行われる、人間におけるこうした学びと教育の在り方について講じます。
2 05/17 日本における文字の受容 日本においては、中国から漢字を取り入れることにより、文字体系を確立してきました。しかしながら、言語の構造が異なる中国から漢字を移入して文字体系を確立することには、多くの困難がともないました。その苦闘の一端について紹介します。
3 05/24 「往来物」の世界 「往来物」とは、往来する手紙文の書き方についてのテキストのことです。近代以前の日本においては、文字の読み書きを習得するための教材として、「往来物」が長きにわたり使われました。この奇妙な名称の教科書についてお話いたします。
4 05/31 寺子屋と学び 寺子屋は江戸時代における、初歩的な読み書き教育の場でした。千葉県では、少なくとも三千人をこえる寺子屋の師匠がいたことが、師匠のために建立された墓石から知られています。このような寺子屋の普及やその特色について講じます。
5 06/07 日本の識字率 江戸時代の日本の識字率は世界一だったといったことが、しばしばいわれますが、これは本当なのでしょうか。明治期におこなわれた識字に関する調査などを用いて、日本の識字率について考えてみたいと思います。
6 06/14 日本における近代学校と学び 現在、子ども期における学びと教育の多くは学校でおこなわれています。このようなシステムは「近代学校」と呼ばれています。日本において、この近代学校による教育がどのように成立したのか、またその特色について講じます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、6月21日(金)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆本講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

八鍬 友広
東北大学大学院教授
山形県生まれ。博士(教育学、東北大学)。専門分野は日本教育史。新潟大学教育学部を経て、現職。主著に、『闘いを記憶する百姓たち』(吉川弘文館2017年)、『読み書きの日本史』(岩波新書2023年)がある。

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