ジャンル 現代社会と科学

中野校

世界思想史ゼミナール 現代における社会と人間と学問

  • 春講座
  • グループワーク

古賀 勝次郎(早稲田大学名誉教授)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全14回 ・04月18日 ~ 09月05日
(日程詳細)
04/18, 04/25, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13, 06/20, 07/04, 07/11, 07/18, 07/25, 09/05
コード 310790
定員 20名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 55,440
ビジター価格 受講料 ¥ 63,756

目標

・世界で起きている事件や問題を、長期的・歴史的観点から理解する。
・思想的・理論的議論も、常に現実との関係の中で把握する。
・自分の意見・思想を持ち、それを討論の中で、正確に表現できるようにする。

講義概要

講義では、①近代の学問、即ち人間学が、社会(法、政治、経済など)の変化に対して、また、知性と感性と身体からなる人間に対して、これまで適切に対応してきたかどうか、その光と影を思想史的に再検討し、②現在、近代の人間学によって惹き起こされている諸問題(精神の喪失、AIの支配、環境破壊)を分析し、その原因を究明、③近代西洋の人間学が、ロシア、中国、日本の近代化や伝統思想(ロシア正教や儒教など)に与えた影響を考察し、④近代の人間学と一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)や多神教(神道や仏教など)との関係を究明し、⑤これからの学問の在り方や進むべき方向を考える。
※春・夏学期を通じて学びます。日程にご注意ください。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/18 神学から人間学へ ルネサンス・宗教改革・科学革命
(参考文献)エルンスト・トレルチ『ルネサンスと宗教改革』(岩波文庫)
2 04/25 近代の三大哲学 合理主義・経験主義・ドイツ観念論
(参考文献)淡野安太郎『哲学思想史 問題の展開を中心として』(角川ソフィア文庫)
3 05/09 古典自由主義の展開 ロック、ヒューム、スミス
(参考文献)堂目卓夫『アダム・スミス「道徳感情論」と「国富論」の世界』(中公新書)
4 05/16 自由主義と民主主義 ルソー、コンスタン、トクヴィル
(参考文献)宇野重規『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社学術文庫)
5 05/23 大衆社会の出現 ブルクハルト、ル・ボン、オルテガ
(参考文献)オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(岩波文庫)
6 05/30 ドイツ教養主義の挫折とマルクス主義・ナショナリズムの拡大 (参考文献)野田宣雄『ドイツ教養市民層の歴史』(講談社学術文庫)
7 06/06 大正教養主義の限界 阿部次郎・芥川龍之介・亀井勝一郎
(参考文献)芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫その他)
8 06/13 ロシアと中国 立憲制の挫折から社会主義へ
(参考文献)バーリン『ロシア・インテリゲンツィアの誕生』(岩波文庫)
9 06/20 新自由主義と社会民主主義 ハイエク・ケインズ・ロールズ
(参考文献)ニコラス・ワプショット『ケインズかハイエクか』(新潮文庫)
10 07/04 世界の現在 大衆民主主義と独裁主義
(参考文献)牧野雅彦『今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢』(講談社現代新書)
11 07/11 近代人間学の限界 自然科学と人間の実存
(参考文献)ゲーテ『自然と象徴 自然科学論集』(冨山房百科文庫)
12 07/18 近代人間学の根本問題 一神教と哲学
(参考文献)ポール・ヴァレリー『精神の危機』(岩波文庫)
13 07/25 近代人間学と日本の伝統思想(国学・仏教・儒教) (参考文献)西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫その他)
14 09/05 受講生が提出したレポート・感想文の議論・意見を中心に討論を行う。  

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆ゼミナール講座には、学びをより良いものにするための「グランドルール」があります。
相互に円滑に学びあうコミュニティづくりにご協力ください。
・議論の際には、他者の意見を否定するのではなく、建設的な意見を述べて議論を深めるようにする
・対等な立場で参加し、他者の意見や背景を理解する努力をする
・ゼミというコミュニティの中で、自分のできることを見出し、コミュニティへの貢献を意識して活動する
・ゼミに参加する全員で、ゼミ全体の「思考の質」、「成果の質」をあげることをめざす

講師紹介

古賀 勝次郎
早稲田大学名誉教授
1947年福岡県生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(早稲田大学)。専門分野は、経済学、西洋思想史、比較社会思想。これまで主として西洋の自由主義を研究。著書に、『ハイエクと新自由主義』(行人社)、『ヒューム体系の哲学的基礎』(行人社)、『鑑の近代』(春秋社)などがある。
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