ジャンル 日本の歴史と文化

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バーナード・リーチと日本 生活と芸術をめぐるイギリス人陶芸家の挑戦

  • 春講座

鈴木 禎宏(お茶の水女子大学大学院教授)

曜日 木曜日
時間 15:30~17:00
日程 全4回 ・04月25日 ~ 06月06日
(日程詳細)
04/25, 05/09, 05/23, 06/06
コード 710260
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・20世紀の日本の文化(特に工芸)に対する理解を深める。
・20世紀のイギリスの工芸に対する理解を深める。
・比較文化的なものの見方を知る。

講義概要

イギリスの陶芸家バーナード・リーチは、もともとエッチングを得意とする画家でしたが、明治・大正時代の日本に滞在したことがきっかけで陶芸家となりました。彼はイギリスと日本を往復しながら20世紀における「手仕事」の意味について考え、日本で柳宗悦らの民藝運動に参加しました。この講義ではリーチの生涯を追いながら、「手仕事」に価値を見出していったイギリスや日本の20世紀の工芸について考えます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/25 リーチがみた大正時代の日本:1909−1920 バーナード・リーチは1887年に香港で生まれ、東南アジアで育ち、イギリスで画家を目指しました。ロンドンで小泉八雲の本を読み、高村光太郎らと出会って日本に興味を抱いたリーチは、1909(明治42)年に日本渡航を果たします。滞在中、雑誌『白樺』同人や富本憲吉など、同世代の人々と友人になりました。友人たちの助けを得て日本文化について学んだリーチは、やがて陶芸に興味を抱きます。第1回はリーチが陶芸家になるまでを始めるまでを扱います。
2 05/09 イギリス帰国後のリーチ:1920-1933 リーチは1920年に帰国し、コーンウォール州セント・アイヴスに向かいます。この地で協力者を得て登り窯を築き、本格的にイギリスで陶芸家としての活動を始めました。製陶所設立を助けたのが、濱田庄司と松林靏之輔でした。当初リーチの活動はイギリスではなかなか理解されず、製陶所の経営は困難の連続でしたが、日本の友人達との助けもあり、彼は活動を続けることができました。第2回はイギリスの社会で陶芸家として活動するようになったリーチを紹介します。
3 05/23 リーチがみた昭和時代(戦前)の日本:1934−1945 リーチは1934年に、14年ぶりの来日を果たします。日本では友人の柳宗悦、濱田庄司らが民藝運動を開始していました。わずか1年強の滞在中にリーチは日本各地(益子、京都、松江、倉敷、二川など)の窯で作陶し、都市部の百貨店などで展覧会を開き、民藝品調査旅行に参加して中国・九州地方を巡るなど、精力的に活動しました。帰国後、セント・アイヴスを離れ、デヴォン州ダーティントンで作陶を行います。第3回の講義では1934ー35年のリーチの日本滞在を中心に、昭和初期の工芸について扱います。
4 06/06 リーチがみた昭和時代(戦後)の日本:1946ー1979 戦争によりリーチと日本の関係は途絶えましたが、戦後に交流が再開しました。その始まりは、1952年にリーチが柳宗悦と濱田庄司をイギリスに招いたことです。その後、リーチは飛行機で日本を訪れ、益子、松江、小鹿田など各地で作陶しました。その様子は著作『日本絵日記』からも分かります。リーチは1950年代から60年代に、作家としての円熟期を迎えます。第4回の授業では、戦後のリーチと日本の関わりについてご紹介します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は6月13日(木)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
◆参考図書:次の文献をお読みいただくと、より理解が深まります。鈴木禎宏著『バーナード・リーチの生涯と芸術』(ミネルヴァ書房、2006年)。『日本民藝館所蔵 バーナード・リーチ作品集』(筑摩書房、2012年)。杉山享司(監修)『もっと知りたい柳宗悦と民藝運動』(東京美術、2021年)。

講師紹介

鈴木 禎宏
お茶の水女子大学大学院教授
千葉県出身。博士(学術、東京大学)。専門分野は比較文学・比較文化。お茶の水女子大学で比較生活文化論などを担当。20世紀の日英の工芸史を研究。『バーナード・リーチの生涯と芸術』(ミネルヴァ書房)でサントリー学芸賞、ジャポニスム学会賞、日本比較文学会賞受賞。
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