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辰野金吾が真に伝えようとした美術建築

  • 春講座

河上 眞理(京都芸術大学教授)

曜日 金曜日
時間 10:30~12:00
日程 全4回 ・05月24日 ~ 06月14日
(日程詳細)
05/24, 05/31, 06/07, 06/14
コード 710462
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・辰野金吾が真に伝えようとした美術建築の概念を理解する。
・明治期における美術と建築のつながりの深さを理解する。

講義概要

辰野金吾は日本銀行本店本館や東京駅を建てた近代日本最初の建築家です。日本で建築を学んだ後、イギリスに留学し美術建築という概念に出会い、それを実見すべくフランスとイタリアを巡回して帰国し、これを根付かせようと考えていました。美術建築という言葉は、字面からすれば「美術としての建築」と見えますが、そうではなく、美術と一体となった建築を指します。建築は建築家だけでは成立せず、美術家との協同があってこそという考え方で、今日では忘れ去られてしまっていますが、辰野は「美術は建築に応用されざるべからず」という言葉を残すほど重要性を認めていました。本講座では、辰野が真に伝えようとした美術建築を繙いていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/24 辰野金吾のグランド・ツアー 辰野は1880(明治13)年2月から1883(明治16)年5月まで欧州留学をします。ロンドンにおいて美術建築家を標榜するウィリアム・バージェスから薫陶を受け、最後の1年間は美術建築を実見すべくフランスとイタリアを旅しました。辰野が理解した美術建築とは何かについて検討します。
2 05/31 美術建築家ウィリアム・バージェス 辰野に美術建築の概念を伝授した、美術建築家のウィリアム・バージェスによる建築をスライドで見ながら美術建築の姿を検討します。そもそも、なぜ美術建築という概念が誕生したのか、またその拡がりについても考察します。
3 06/07 美術建築思想の下での多様な活動 辰野の「美術は建築に応用されざるべからず」というとこばに示されているように、美術建築は美術との協同が不可欠です。絵画との協同の姿、彫刻との協同の姿を具体的な作品を通して検討します。また美術建築を実現するために辰野が関わった多種多様な活動を検討します。
4 06/14 美術建築思想の拡がり−「木葉会」の活動 辰野が日本に伝えた美術建築は大学での建築教育をとおして浸透していきます。教え子たちは美術建築を我がものとすべく「木葉会」という「水彩画の練習会」を創設し互いに切磋琢磨していました。明治30年(1897年)から12年間に及んだ活動を検討します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、6月21日(金)を予定しております。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

河上 眞理
京都芸術大学教授
早稲田大学大学院博士課程在学中、1995年度イタリア政府奨学金留学生としてヴェネツィア・カ・フォスカリ大学文学部美術史学科に留学、翌年同博士課程に入学、2001年工部美術学校研究により同大学から博士号(Ph. D)を取得。留学中の2年間、在イタリア日本国大使館外務省専門調査員の職を得て日伊交流事業にも従事。2007年京都造形芸術大学芸術学部准教授、2018年より教授。2019年より京都芸術大学芸術学部教授。
単書に『工部美術学校の研究―イタリア王国の美術外交と日本―』(中央公論美術出版、2011年)、共著に『松岡壽研究』(中央公論美術出版、2002年)、共著『ミネルヴァ日本評伝選 辰野金吾 美術は建築に応用されざるべからず』(ミネルヴァ書房、2015年)は2017年日本建築学会著作賞を受賞。
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