ジャンル 現代社会と科学

中野校

習近平政権の視点から見た世界と日本 中国を正しく「知る」という大難

  • 春講座

富坂 聰(拓殖大学教授)

曜日 木曜日
時間 15:05~16:35
日程 全6回 ・05月09日 ~ 06月13日
(日程詳細)
05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13
コード 310708
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・現在まで自分が持っていた中国理解が正しいか否かを判断する
・新しい目でこの10年の中国の変化と発展と課題を理解する
・米国との激しい対立の根源を理解し中国の目指す世界戦略を理解する
・日本にとって最大の外交的課題である中国との付き合い方に示唆を与える

講義概要

今後の国際情勢は、米中という二大国の動きによって大きく左右されることは言を俟たない。その一方の当事者である習近平の中国は、何を目指し、何を恐れ、世界と向き合っているのか。中華人民共和国建国からの流れを振り返りながら、その体質を探り、理解してゆく。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/09 習近平政権下で強調された「初心」とは何か 中国共産党が支配する中華人民共和国はいかにして生まれたのか。日本を中心に、他の国との比較の中で、その特殊性を考えてゆく。中国の政治・経済を考えたり予測するとき、ついつい日本をベースにものを考えてしまいがちだが、そのことで生じる誤差を修正する。
2 05/16 米ソ二大国との対立から現在につながる第三世界重視の外交へ 中国外交の特徴は「非同盟」であり、かつ徹底した「内政不干渉」だと説明される。西側世界がアメリカを中心とした国際秩序を押し立てるのに対して、中国が従うのは、国際連合である。バンドン会議から中国を国連復帰に導くまでの動きから、現在の習近平政権のグローバルサウス重視につながる考え方に焦点を当てる。
3 05/23 日中共同声明と上海コミュニケ 戦後、アメリカの同盟国として経済発展を遂げた日本と、アメリカと敵対して経済が衰退した中国。この明暗が交差するのが1971年のニクソンショックだ。米中は朝鮮戦争とベトナム戦争で対峙したが、ソ連という共通の敵を前に急接近する。この動きを振り返ると同時に、警戒しながら西側の手を握った中国の懸念を二つの政治文書から読み解き、現在の習政権の外交を理解する。
4 05/30 米中蜜月関係の綻びはどこで始まったのか シェールガス革命で中東への興味を薄めたアメリカが、本格的にアジアシフトを開始したのはオバマ政権下のことである。かつてステークホルダーと中国を呼んだアメリカは影を潜め、ウイグル問題や香港問題を理由に中国を責め、国際社会に同調を求めた。この回はとくに南シナ海問題に焦点を当てて米中対立を理解する。
5 06/06 アメリカの攻勢に対して中国はどんな戦略で向き合おうとしているのか 「一帯一路」経済構想をかかげて沿線国との関係強化に努めてきた中国は、中東やアフリカ、また足元の東南アジアでも安定した関係を保ち続けてきた。そこに通底する「中国式」にグローバルサウスの国々が呼応する理由に焦点を当てる。
6 06/13 日中間の問題を正しく理解するために この回は日中関係に特化して、戦後からの歴史と個別の問題について詳細に説明する。靖国神社の問題から尖閣諸島を含む東シナ海問題、そして台湾問題までを取上げて学んでゆく。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆『「反中」亡国論』(富坂 聰著、ビジネス社)、『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』(富坂 聰著、ビジネス社)をお読みいただくと、より講義内容の理解が深まります。

講師紹介

富坂 聰
拓殖大学教授
愛知県生まれ。16歳で単身台湾に渡った後、大陸へ。北京大学在学中に共同通信社でアルバイトとして学生デモの報道に携わる。中退して帰国後は週刊誌記者として様々な社会問題にかかわる。2003年に独立。2014年から現職。著書は1994年の『龍の伝人たち』から現在まで30冊を超える。
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