ジャンル 現代社会と科学

中野校

イスラエルの奇跡の食料戦略、日本が学ぶべき食料危機対策

  • 春講座

竹下 正哲(拓殖大学教授)

曜日 土曜日
時間 13:10~14:40
日程 全3回 ・05月11日 ~ 05月25日
(日程詳細)
05/11, 05/18, 05/25
コード 310715
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 8,910
ビジター価格 受講料 ¥ 10,246

講義概要

ウクライナ戦争、イスラエル戦争などにより、食料危機が叫ばれるようになった。食料自給率が38%の日本は、食料を輸入できなくなった時点で、国民の62%が飢えてしまうのではないか?そんな不安がつきまとう。そのとき参考になるのが、イスラエルの食料戦略だ。イスラエルは、建国以来70年間、常に戦争の中にありながら、食料危機に陥ったことはない。砂漠の国なので、水を絶たれた瞬間に、国民は死ぬ。農業もできなくなる。土壌も最悪で、食料自給率は、日本よりもずっと低い。この最悪の条件下で、完璧な食料安全保障を実現している。なぜそんなことができるのだろうか。その秘密をひも解いていくと、本当の食料安全保障が見えてくる。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/11 イスラエルはなぜ飢餓に見舞われないのか?その謎を解き明かす 日本に根づく食料安全保障の考え方は、残念ながら根本から間違っている。たとえば、いくら「食料自給率」を向上させても、いざというときにはまったく役に立たない。というのも、肥料も種子も燃料も自給できない日本は、それらの一つでも輸入できなくなった時点で、農業が不可能になるからだ。本当に使える食料安全保障とは何なのか、イスラエルの事例から学ぶ。
2 05/18 世界が注目するイスラエルの農業技術。なぜ日本は、土地が豊かでも衰退するのか? イスラエルは、日本の四国ほどの面積しかないが、今やオランダと並び、世界トップの農業大国となっている。かたや日本は、今や農業後進国と言わざるを得ない状況にある。土壌が最高で、雨にも恵まれているのに、なぜ日本農業は衰退しているのか。その差は偶然ではなく、そこに食料安全保障の本質が秘められている。
3 05/25 滅びぬための危機感。イスラエルが教える食料安全保障の真髄。 イスラエルはユダヤ人を中心とした国家である。ユダヤ人は世界の2%しかいないのに、ノーベル賞の20%はユダヤ人が獲得している。農業以外にも、医療、IT、軍事、サイバーセキュリティ、スタートアップ等が世界トップレベルにある。なぜトップを走れるかと言うと、そうでないと、滅びるからだ。後れを取ったら、一人残らず根絶やしにされる。その危機感の中で見えてくる「本当の食料安全保障」について学ぶ。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は6月1日(土)を予定しています。

講師紹介

竹下 正哲
拓殖大学教授
北海道大学農学部、同大学院農学研究科修了。博士(農学)。大学院在学中に小説で第15回太宰治賞受賞。民間シンクタンク、環境防災NPO、日本福祉大学などを経て、拓殖大学国際学部へ。野菜と果樹の栽培を指導。かつて青年海外協力隊でアフリカに行ったことをきっかけに、世界中のフィールドを回り、海外農業に精通。2015年に初めてイスラエルを訪問し、衝撃を受ける。2021年9月より1年間、イスラエル国立農業研究所(ARO)の特別研究員としてイスラエルに滞在。世界最先端農業技術の共同研究に参画する。主なフィールドはイスラエルとネパール。主な著書に『日本を救う未来の農業──イスラエルに学ぶICT農法』(ちくま新書)がある。

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