ジャンル 現代社会と科学
中野校
歩いて学ぶ北海道 その先にある「日本」を読み解く
カベルナリア 吉田(紀行ライター)
曜日 | 土曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全5回
・05月18日 ~
06月15日 (日程詳細) 05/18, 05/25, 06/01, 06/08, 06/15 |
コード | 310716 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・北海道を細かく詳しく学ぶことで、背景に存在する「学校では学ばない日本の歴史」「地方を操る権力者の思惑」「日本が抱えている問題」などを正しく知る。
・一般的にあまり知られていない、北海道のさまざまな地域の、多種多様な文化風俗を学ぶ。
講義概要
広大な北海道を、歩いて周る人は少ないかもしれない。だが丹念に歩くことで、この場所が味わった苦難の歴史と、現在直面するさまざまな問題を実感する。開拓そしてアイヌの和人化、炭鉱開発からの繁栄とその後の衰退、そして札幌以外の場所で進む凄まじい過疎高齢化。北海道は日本の過去現在未来を映し出す鏡であり、日本の今後を占うために、この場所を深く知ることは重要である。本講座では北海道出身の講師が、歩いて見て知って感じた「北の大地の現実と、その向こうに見える日本」を、スライド併用の実踏ルポを通じてご紹介。雄大で空気がきれいで食べ物が美味しい、だけではない北海道について、ぜひ学んでいただきたい。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 05/18 | 追憶の炭都をゆく/岩見沢市、三笠市 | 開拓以降、道央の空知地方では大規模な炭鉱開発が行われ、昭和前半にかけて炭鉱の街は栄えました。しかし戦後にエネルギーの主軸が石油に移ると、炭鉱は次々に閉山。人が去り、家々や施設は廃墟と化して、街は極限まで寂れています。そのまま寂れゆく街もあれば、起死回生をかけて観光事業に手を出し巨額の負債を抱えた街まで、その後の運命もさまざま。そして最近は炭鉱時代の遺跡が「炭鉱遺産」として注目され、新たな観光の目玉となっているケースも見られます。かつての炭鉱の街「炭都」を歩き、日本のエネルギー政策の実体をご紹介。まずは講師自身のルーツでもある岩見沢と、北海道の鉄道の発祥の地・三笠を案内します。 |
2 | 05/25 | 宗谷本線の秘境駅で降りてみた | 山間部など辺ぴな場所にあり、たどりつくことすら困難で利用者も極端に少ない「秘境駅」が、ここ数年人気を呼んでいます。北海道は秘境駅が多く、中でも旭川ー稚内を結ぶ宗谷本線は秘境駅の宝庫で、ひなびた風景が旅情を誘います。しかし一方で、なぜその駅が「秘境」になったのか歴史を紐解くと、深刻な過疎高齢化の現実が見えてきます。丹念に探訪した実踏ルポを通じて、列車が1日に数本しか停まらない秘境駅をご案内。予定駅は塩狩、瑞穂、筬島、初野、天塩川温泉、智北の各駅です。 |
3 | 06/01 | B級裏グルメの謎を追え! | グルメ王国・北海道には観光客向けではないけれど「道民が好んで食べる」ディープな日常ご当地グルメがいっぱい。「なぜ生まれたのか」誕生の歴史に迫りつつ紹介します。餃子カレー、ラーメンサラダ、ようかんパン&ちくわパン、スパカツ&カツカレーラーメン&カツカレーそば&天ぷらラーメン、甘納豆赤飯、ソフトカツゲン、リボンナポリンなど。 |
4 | 06/08 | 最初に北海道に住んだのは誰? | アイヌは「先住民」であっても「原住民」ではなく、さまざまな遺跡から「彼らより先に北海道に住んでいた人々」の存在が、ほぼ明らかになっています。しかし北海道の歴史は空白期間が長く、詳しいことはわかっていません。最初に北海道に住んだのは誰なのか、アイヌは彼らを追いやった侵略者なのか。世界遺産に登録された縄文遺跡ほか、道内各地の古代遺跡探訪ルポを通じて、壮大な謎を考察します。白滝遺跡、入江・高砂貝塚、垣ノ島遺跡、北黄金貝塚、手宮洞窟、フゴッペ洞窟、モヨロ貝塚など。 |
5 | 06/15 | 基地と事件―狙われる北の大地/恵庭市、長沼町 | 基地問題というと沖縄が思い浮かびますが、実は北海道でも軍事基地がらみの事件が複数起こっています。雄大な北の大地に似合わない、キナ臭い事件の現場を訪ね、体感したことを話します。探訪場所は恵庭市(1962年/恵庭事件)と長沼町(1969年/長沼ナイキ事件)。共に新千歳空港に近い市街地です。 |
講師紹介
- カベルナリア 吉田
- 紀行ライター
- 1965年北海道生まれ、早稲田大学卒、読売新聞社他を経て2002年からフリー。車を使わず自分の足で歩く「実踏の旅」を重ね、沖縄と島を中心に全国を歩き、紀行文を執筆。近年は出身地である北海道も歩き続けている。最新刊は『秘境駅で途方に暮れた』(イカロス出版)、近著に『アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた』(ユサブル)、『新日本エロい街紀行』(アルファベータブックス)。ほかに『何度行っても変わらない沖縄』(林檎プロモーション)、『沖縄戦546日を歩く』(彩流社)、『狙われた島』(アルファベータブックス)など旅に関する著書多数。趣味はバイオリン、レスリング、料理。