ジャンル 人間の探求

中野校

禅の思想と禅僧たち 禅を学ぶⅠ

  • 春講座

小川 隆(駒澤大学教授)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・05月10日 ~ 06月14日
(日程詳細)
05/10, 05/17, 05/31, 06/07, 06/14
コード 310507
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・これまで「禅」になじみのなかった方が、禅宗について基礎的な知識と理解をもてるようになる。
・禅に関する漢字の語や句を、正しく理解できるようになる。
・でも、残念ながら、これを受講しても、悟りが開けたり、心の迷いが無くなったりはしません。

講義概要

辞書で「禅宗」という項目をひくと、坐禅によって悟りを目指す宗教といった定義がよく見られます。でも、こういう定義では、実は、中国・日本の歴史上に存在した禅宗について、正しく理解することはできません。この講座では、原典資料に基づきながら、歴史上の禅宗についての知識と考え方をご紹介します。漢文の資料がいろいろ出てきますが、一つ一つ噛み砕いて解説しますので、だいじょうぶ。漢文がぜんぜん読めない方でも、きっと楽しく受講していただけると思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/10 禅宗の特徴――禅は坐禪の宗教か? まず、導入として、歴史上の禅宗の実際の特徴について概観します。「坐禅によって悟りをめざす宗教」という定義では、禅宗を正しくとらえられないことがお分かりいただけると思います。
2 05/17 系譜の宗教――禅宗の特徴(1) 禅宗には教祖も聖典もありません。そのかわり「以心伝心」で法を伝えた「仏祖(ぶっそ)」たちの系譜が信奉されています。禅宗の特徴の第一として、その系譜について考えます。言語や文化の境界を越えて禅宗が東アジアの各地に定着し、さらに20世に「ZEN」という名で西洋社会にまで広がったのには、この「系譜の宗教」という性格が大きな役割を果しました。
3 05/31 清規(しんぎ)の宗教――禅宗の特徴(2) 禅宗では、インド以来の戒律のほかに、禅宗独特の「清規」という規則がた保持されています。禅宗の特徴の第二として、清規の世界をご紹介します。そこから「生活の宗教」「労働の宗教」という、禅宗の性格が浮かび上がってくるでしょう。この性格もまた、禅宗が言語や文化の境界を越えて世界各地に広がってゆく上で欠かせないものでした。
4 06/07 問答の宗教――禅宗の特徴(3) 禅宗では、師と弟子、あるいは弟子と弟子との間の問答によって、道が達成され、伝授されます。禅宗の特徴の第三として、禅の問答について考えます。いわゆる「禅問答」は、ほんとうに、トンチンカンで意味不明なものだったのでしょうか?
5 06/14 問答と公案(こうあん) 禅宗では修行の手段として、「公案」という不可解な問題が修行者に与えられます。「両手を打ったら音がする。では、片手の音は如何なる者か?」といった類です。「公案」は「禅問答」のこと、と説明されることもありますが、厳密に言うと違います。中国の唐の時代に形成された「問答」が、宋の時代になって「公案」に変貌していった過程について考察します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書:小川隆著『禅思想史講義』(春秋社2015年)、『中国禅宗史―「禅の語録」導読』(ちくま学芸文庫2020年)、『禅僧たちの生涯―唐代の禅』(春秋社2022年)をお読み頂くとより理解が深まります。
◆配布資料は新しく作り直し、リピーターの方にとっても新しい材料で学んでいただけるように致します。

講師紹介

小川 隆
駒澤大学教授
専攻は中国禅宗史。博士(文学、東京大学)。著書に『禅思想史講義』(春秋社、2015年)、『中国禅宗史―「禅の語録」導読』(ちくま学芸文庫、2020年)『禅僧たちの生涯―唐代の禅』(春秋社、2022年) 等がある。
・「トイ人」参照。https://www.toibito.com/researcher/takashi-ogawa

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