ジャンル 世界を知る

中野校

モンゴル帝国から世界を逆視する

  • 春講座

井上 隆史(元NHK「新シルクロード」統括プロデューサー)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全4回 ・05月31日 ~ 06月21日
(日程詳細)
05/31, 06/07, 06/14, 06/21
コード 310311
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・西欧中心の歴史観を捨て、モンゴルからの視座で逆視して、新しい歴史観を覗いてみる。
・草原の小さな国がなぜ世界史を動かせたのか?その強さの秘密を考えてみる。

講義概要

13世紀にユーラシア大陸にまたがる大帝国を作ったモンゴルは、世界史を大きく変えることになった。騎馬軍団による強大な軍事力だけではなく、画期的な政治や経済のシステム、民族・宗教を越えた人材の登用などは刮目すべきである。モンゴル支配がもたらした時代は「パクス・モンゴリカ(モンゴルの平和)」とよばれ、海と陸のシルクロードによってユーラシア世界は初めて繋がったといっても過言ではない。
モンゴル帝国の登場は世界をどう変えたのか?今も残る帝国の遺産を探る。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/31 チンギスハーンの実像と義経伝説 「源義経は成吉思汗だった」という巷説はなぜ生まれたのか?義経伝説が生まれた歴史的背景を探るとともに、草原の覇者となったチンギスハーンの実像に迫っていく。そして20世紀、ソ連に次いで二番目の社会主義国となったモンゴルでは、なぜチンギスハーンはタブーとなっていったのか。モンゴルの歴史の中で大きく変遷を続けた英雄の姿を見つめていく。
2 06/07 プレスタ―ジョンの伝説ーモンゴル軍のキリスト教徒たちー イスラムの脅威に曝されていた中世ヨーロッパでは、十字軍に立ちはだかるイスラムの国々の東方にはプレスタ―ジョンと呼ばれるキリスト教を奉じる王が支配する国があり、いつかは群を挙げてイスラムを挟み撃ちにしてくれるという噂が広がっていた。そしてイスラムの国々を次々と滅ぼして西に向かってきたモンゴル軍にその期待を寄せたが、現れたのは恐怖と殺戮をもたらす騎馬軍団だった。プレスタ―ジョンの伝説とは何だったのか?モンゴル軍の中にいたキリスト教とは・・・その虚実に迫る。
3 06/14 フビライの栄光と野望ー大いなる都と海の道ー モンゴル帝国第5代のハーンとなったフビライは、「大都」と呼ばれる都を築き、中国大陸全域を支配する限定国の皇帝となった。今日の北京の原型である大都は経済の中心となり、世界の富が集まった。フビライの時代の繁栄と異民族統治の壁を乗り越える画期的な統治システムはどうして生まれたのか?フビライの拓いた海のシルクロードはやがて大航海時代の先駆けとなっていく。
4 06/21 モンゴル帝国の遺産―クリミアの悲劇からー モンゴル帝国はやがて分裂し、歴史の中に消えていたが、その後の世界史に大きな楔(くさび)を打ち込んでいた。モンゴルが支配した元王朝の末裔は、明の時代にも北の草原に強力な勢力として残っていた。明を倒した清王朝も元朝の玉璽を奉じるモンゴル帝国の後継王朝だった。そして最後のモンゴル帝国として18世紀まで繁栄を維持したのは「クリミアタタール」だった。そして帝国の末裔たちは20世紀のスターリンと21世紀のプーチンという二人の指導者の欲望に翻弄される悲劇を今も味わっている。

講師紹介

井上 隆史
元NHK「新シルクロード」統括プロデューサー
1952年香川県生まれ。早稲田大学卒業後、NHK入局。NHKスペシャルを中心に、歴史や文明に関するテレビドキュメンタリーを制作してきた。主な作品として、「現代史スクープドキュメント」「大モンゴル」「中国12億人の改革開放」「四大文明」「新シルクロード」「アフガン秘宝の半世紀」などがある。2013年からは東京藝術大学特任教授として、アフガニスタンをはじめとするシルクロードの文化遺産の研究と保護に取り組んできた。現在「平山郁夫シルクロード美術館」監事。

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