ジャンル 世界を知る

中野校

ハプスブルク史への招待―皇妃「エリザベート」をめぐる神話と実像

  • 秋講座

上村 敏郎(早稲田大学教授)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・10月01日 ~ 12月10日
(日程詳細)
10/01, 10/08, 10/15, 10/22, 10/29, 11/12, 11/19, 11/26, 12/03, 12/10
コード 330322
定員 24名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・皇妃エリーザベトの生涯を、神話化されたシシィ像と史実の両面から理解する。
・ハプスブルク帝国の宮廷文化、ジェンダー、政治、記憶文化について基礎的に学ぶ。
・19世紀後半のハプスブルク君主国の歴史の知識を習得する。

講義概要

皇妃「エリザベート」(ドイツ語ではエリーザベト)、愛称シシィは、映画やミュージカル、観光を通じて今なお根強い人気を誇っています。けれどもその華やかなイメージは史実そのものではなく、後世に作り上げられた「神話」でもあります。本講座では、最新の概説書『シシィの肖像』を手がかりに、彼女の生涯やハプスブルク宮廷、皇帝フランツ・ヨーゼフとの関係、ハンガリー、旅、美、そして死後の記憶をたどり、神話と実像のあいだを見つめ直します。舞台や映画あるいは観光地で「エリザベート」に出会う機会も多い今、まずは史実を知ることから始めてみましょう。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/01 シシィとは誰か―神話化された皇妃 映画、ミュージカル、観光のなかのシシィ像を確認し、史実とイメージの違いを考える。
史料から神話を解きほぐすという本講座のコンセプトも確認する。
2 10/08 ハプスブルク帝国と宮廷社会 19世紀ハプスブルク帝国の構造とウィーン宮廷、皇帝フランツ・ヨーゼフの治世を概観し、エリーザベトが生きた舞台を押さえる。
3 10/15 バイエルン公女から皇妃へ エリーザベトの出自と少女時代、フランツ・ヨーゼフとの婚約・結婚をたどり、若き皇妃の出発点を確認する。
4 10/22 宮廷のなかの不自由―「嫁姑対立」と皇妃の役割 ゾフィー大公妃との関係や宮廷儀礼を取り上げ、皇妃に求められた役割と、語られてきた対立像の実像を検討する。
5 10/29 美貌・身体・自己演出 美への傾倒、身体管理、肖像や髪・衣装への気づかいを、近代的な自己演出という観点から考える。
6 11/12 皇妃と政治―ハンガリー、ナショナリズム、そして言葉 ハンガリーとの関係やアウスグライヒを手がかりに多民族帝国の政治を学ぶとともに、王朝を批判する詩を残した皇妃自身の政治的な言葉にも目を向ける。
7 11/19 旅する皇妃―逃避、健康、自由 コルフやマデイラ、ギリシアへの旅と療養を通じて、宮廷を離れた皇妃の自由と孤独を考える。
8 11/26 家族の悲劇―ルドルフ、死、喪失 皇太子ルドルフのマイヤーリンク事件をはじめとする近親者の死を取り上げ、それがエリーザベトとそのイメージに与えた影を考える。
9 12/03 暗殺と伝説の誕生 1898年ジュネーヴでの暗殺とルケーニの動機を確認し、葬送と追悼を通じて伝説が生まれていく過程を追う。
10 12/10 シシィ神話の現在―映画・ミュージカル・観光 20世紀以降の映画・舞台・博物館・観光のなかでシシィ像がどう再生産されてきたかをたどり、なぜ今も人を惹きつけるのかを考える。

テキスト

テキスト
ミヒャエラ・ヴォツェルカ、カール・ヴォツェルカ著、上村敏郎 訳『シシィの肖像―皇妃エリーザベトをめぐる神話と実像』(白水社)(ISBN:978-4560024942)

講師紹介

上村 敏郎
早稲田大学教授
ウィーン大学歴史・文化学博士課程修了。獨協大学外国語学部ドイツ語学科教授を経て現職。専門分野は、ハプスブルク近世史およびメディア文化史。『ハプスブルク史研究入門』、『ハプスブルク事典』など寄稿多数。訳書として『シシィの肖像』、『フリーメイソンの歴史と思想』、『検閲官のお仕事』など。

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