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セルフコントロールの哲学・科学と実践 意志の弱さ、先延ばし、アディクション、そして暗黒面

  • 秋講座

植原 亮(東京大学准教授)

曜日 火曜日
時間 19:00~20:30
日程 全6回 ・10月06日 ~ 11月17日
(日程詳細)
10/06, 10/13, 10/20, 10/27, 11/10, 11/17
コード 730811
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・セルフコントロールに関する哲学史と現代の理論的枠組みを知る
・自己制御に失敗しがちになる具体的なケースと対処のためのツールを身につける
・自制にまつわる暗黒面について理解を深める

講義概要

セルフコントロール(自制、自己制御)や意志の弱さは、非常に身近なテーマです。それだけに哲学では古代から重要問題のひとつとして考察が重ねられてきましたし、また現代は心理学などの科学分野でも研究が盛んです。とりわけ「なぜ私たちは自制ができないのか」という問いは、先延ばしやアディクション(依存)、非合理な消費や、計画の破綻など、自制の失敗のさまざまな具体的なケースに即して、多角的に検討されてきました。この講義では、セルフコントロールとその失敗・喪失・欠如の仕組みを分野横断的に学び、そのうえで「どう対処するか」という応用・実践のツールも取り上げます。最後に、自制のダークサイドについても解説します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/06 イントロダクションと古代の知恵 ①人間がいかに非合理な存在であるかを認識する
②セルフコントロールの定義と、自制を喪失するメカニズムの基礎
③プラトンの「魂の三部分説」やアリストテレスの「意志の弱さ」といった古代哲学の視点から、心の葛藤を捉え直す
2 10/13 現代の理論的枠組みと「時間」の罠 ①現代心理学の柱である「二重プロセス理論(自動システム vs 熟慮システム)」を学ぶ
②「価値の時間割引」と「現在バイアス」が、いかにして私たちの選好を逆転させ、先延ばしを生むかを解析する
③時間管理スキルの未熟さや非現実的な見通しといった、時間に関わる先延ばしの諸要因
3 10/20 先延ばしの心理学と「自己」の同一性 ①先延ばしの真犯人としての「感情(恐怖、不足)」と、完璧主義やインポスター症候群などの病的ケース
②「将来の自分」を他人事のように感じてしまう「人の同一性」の問題
③計画段階での先延ばしや、引き際を誤る「撤退の先延ばし」について
4 10/27 自制のための実践的戦略(心と環境) ①心的なツール: 実行意図(If-Thenプランニング)、ダミー目標、認知的再評価
②外的なツール: 誘惑を物理的に避ける「状況改変」や、自分を強制的に縛る「自己束縛(オデュッセウスの方法)」
③「外的足場」としての環境が、いかに私たちの自制を支え(あるいは阻害)しているか
5 11/10 アディクションと消費の非合理性 ①アディクション(依存症)のメカニズムと、ネット依存などの現代的課題
②なぜ不要なモノを買ってしまうのか?「顕示的消費」と「高コスト・シグナリング理論」から読み解く消費の謎
③最高を求めず、ほどほどで納得する「満足化(サティスファイシング)」という戦略
6 11/17 人生の計画とセルフコントロールの光と影 ①実践的タスク管理手法(GTD)と、長期目標を習慣化するポイント
②「計画錯誤」への対策と、迅速かつ余裕を持った「アジャイル」な生き方
③ダークサイド: 過剰な自制がもたらす弊害(自由の喪失、強迫観念)と、自己責任論の罠
・幸福と意義深さのバランスを保ち、「いまよりましに生きる」ための総括

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考書籍として『セルフコントロールの教室:意志の弱い哲学博士が贈る「完璧でなくともいまよりましに生きる」ための11講』(植原亮、大和書房、2026年)をお読みいただくと、より理解が深まります。
◆授業内で簡単な課題に取り組んでいただき、その際、チャットで受講者の意見を募ることがあります。
◆休講が発生した場合の補講日は、12月22日(火)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インタ
ーネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

植原 亮
東京大学准教授
東京大学大学院情報学環・学際情報学府准教授。博士(学術)。東京大学教養学部基礎科学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。関西大学総合情報学部教授等を経て現職。最近の著書に『セルフコントロールの教室』『科学的思考入門』『遅考術』等。学問的基盤のうえに実践にも役立つ研究や教育、著述を展開中。

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