ジャンル 世界を知る
早稲田校
アメリカ合衆国とレイシズム―歴史からみる「人種」
中條 献(桜美林大学名誉教授)
| 曜日 | 水曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全8回
・09月30日 ~
11月18日 (日程詳細) 09/30, 10/07, 10/14, 10/21, 10/28, 11/04, 11/11, 11/18 |
| コード | 130339 |
| 定員 | 30名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・「レイシズム(人種差別)」とは何か、その理解を深める
・アメリカ合衆国のレイシズムを歴史的視点から捉えなおす
・日本も含めた現代世界におけるレイシズムに意識を向ける
講義概要
アメリカ合衆国の「レイシズム(人種差別)」に焦点を当てながら、その歴史を多面的にたどります。レイシズムと聞くと、「人種」という生物学的に決定された諸集団があり、異なる人種集団に対する嫌悪感と差別的な行動が社会に蔓延するというイメージが思い浮かびます。この直感的な理解が誤りだとはいいませんが、あらためて歴史的な視点から考察すると、アメリカも含めて多くの社会でいまだに続くレイシズムの現実を分析するには不充分であることが見えてきます。本講座では、そもそも「人種」とは何かという問いを意識しながら、レイシズムという日本も含めた多くの現代社会が抱える難問について考えてみたいと思います。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 09/30 | 歴史のなかで「人種」を問い直す―分類概念の起源と背景 | 現代の私たちは、「人種」を科学的であるとともに自然な人間の分類だと考えていますが、歴史を振り返ると、ある特定の時代状況で生まれたこの分類概念が、社会の諸制度を通して補強され拡散していったことが見えてきます。まずは講座全体の導入として、「人種」とは何かについてあらためて考えてみます。 |
| 2 | 10/07 | ヨーロッパの拡大と南北アメリカ大陸の支配 | 15世紀末の「コロンブス」をきっかけとするヨーロッパ勢力の拡大は、大西洋をはさんで南北アメリカ大陸とアフリカ大陸を巻き込む、一つの広大かつ不平等な「大西洋世界」を生み出しました。「人種」という考え方の拡大と定着の背景となったこの歴史状況について具体的に考察します。 |
| 3 | 10/14 | アメリカ合衆国の誕生―奴隷制度の国家と社会 | 17世紀に入り、北米大陸の先住民に対する侵略を続けるイギリスがこの地に植民地を築き、アフリカから連行した奴隷によるタバコなどの農業生産を始めます。18世紀後半にイギリス植民地がアメリカ合衆国として独立した後も奴隷制度が拡大発展し、レイシズムの基盤となる歴史過程を説明します。 |
| 4 | 10/21 | 近代国家アメリカの確立とレイシズム | 奴隷制度を主たる要因としてアメリカで南北戦争(1861〜1865)が起こります。戦争後に奴隷制度が廃止されてアメリカの資本主義は急速な発展を遂げますが、南部を中心に法律にもとづく強固な人種隔離と差別の社会が出現します。近代国家として発展するアメリカのあらたなレイシズムを考察します。 |
| 5 | 10/28 | アメリカ資本主義社会の経済格差とレイシズム | 20世紀に入るとアメリカの工業化と都市化が加速して貧富の格差が増大するとともに、北西部の大都市は移民やアフリカ系アメリカ人も含む多くの工業労働者が生きる空間となりました。資本主義社会が創り出す格差と不平等はレイシズムといかなる関係にあったか、具体例をもとに説明します。 |
| 6 | 11/04 | 第二次大戦後の公民権運動と社会変革 | アフリカ系アメリカ人たちは、奴隷解放から1世紀後も続く隔離と差別の社会に対して大衆的な抗議行動を展開し、露骨で暴力的なレイシズムがはびこっていたアメリカ社会全体を大きく変革しました。公民権運動と呼ばれるこの歴史事象について、その意味を文化的な視点も含めて再考します。 |
| 7 | 11/11 | 「多様性の社会」におけるレイシズム | 公民権運動の時代を経て、アメリカでは従来よりも社会的な「多様性」が認められるようになります。1990年頃からは、賛否はあるものの、「多文化社会アメリカ」の肯定的イメージが定着しました。この状況において、レイシズムが差別と不平等の新たな仕組みを創り出していくことを考察します。 |
| 8 | 11/18 | レイシズムとグローバルな視点―まとめと展望 | オバマ大統領の誕生からトランプ政権へと続く政治的な流れのなかで、アメリカのレイシズムには何か変化があったのか。これまでの講義を振り返り、アメリカ合衆国のレイシズムを歴史的に、そしてグローバルな視点から見つめなおし、現代日本の社会状況も見ながら今後の展望を示します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は11月25日(水)を予定しています。
講師紹介
- 中條 献
- 桜美林大学名誉教授
- 1955年東京都生まれ。歴史学博士(Ph.D.、デューク大学)。1989年から桜美林大学で教鞭を執る。デューク大学(2002年)とハーバード大学(2019年)で客員研究員。2026年桜美林大学を退職。専門分野はアメリカ(合衆国)の歴史で、アフリカ系アメリカ人に焦点を当てて「人種」とは何かについて考えてきた。著書に『アメリカ史とレイシズム』(岩波新書)、『歴史のなかの人種』(北樹出版)がある。




