ジャンル 世界を知る

中野校

【対面+オンラインのハイブリッド】中国史を変えた5つの反乱 農民、宗教、外国人、西洋思想、ナショナリズムの狂信と暴力

  • 秋講座

加藤 徹(明治大学教授)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・09月25日 ~ 12月11日
(日程詳細)
09/25, 10/09, 10/23, 11/20, 12/11
コード 330310
定員 60名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・私たちが生きている今の時代がこのようになった理由を考える
・日本史と中国史という枠組みを取り払い、世界的な視野から東アジアを見直す
・歴史の予備知識がない人にも、身近なことから考える楽しさを体験してもらう

講義概要

「勝てば官軍、負ければ賊軍」を、中国語では「成者為王、敗者為寇」と言います。中国史では、平和な時代が長く続くと、いわゆる「マタイ効果」で社会の格差が拡大し、大規模な反乱が発生します。近代中国の作家・魯迅は「暴君の統治下の臣民はたいてい暴君よりも暴力的である」と述べています。反乱者は必ずしも「哀れな犠牲者」ではなかったのです。古代から現代まで、「中華帝国」というシステムは、数百年ごとの反乱で更新(アップデート)されてきた側面があります。本講座では、中国社会の本質を、「反乱の歴史」から読み解きます。豊富な映像資料を用い、予備知識のない方にもわかりやすく解説します。

各回の講義予定

回 日程 講座内容
1 09/25 史上初の農民反乱-陳勝呉広の乱 紀元前209年、秦帝国の末期に起きた陳勝・呉広の乱は、中国史上初の大規模な農民反乱とされています。反乱を率いた陳勝と呉広は、ともに貧しい農民出身でした。「王侯将相いずくんぞ種あらんや」という陳勝の言葉は、身分制度への挑戦として有名です。反乱そのものは短期間で失敗しましたが、その後の各地の蜂起を誘発し、始皇帝が築いた秦帝国を滅亡へと導きました。前漢王朝の初代皇帝となった劉邦も農民出身であり、紙一重の差で勝者となったのです。社会の下層が暴力によって社会をひっくり返す、という最初の例となりました。
2 10/09 新興宗教の光と影-黄巾の乱 184年に起きた黄巾の乱は、後漢王朝を揺るがした大規模な宗教反乱です。指導者の張角は、民衆を救う宗教運動「太平道」を率いた人物でした。いつの時代も、貧富の格差や政治腐敗に苦しむ人々は、いわゆる「終末論」や「千年王国」的な宗教思想にとびつきます。民衆は「蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし」というスローガンのもとに結集しました。この反乱は鎮圧されましたが、後漢王朝は大きく弱体化し、「三国志」の英傑たちが群雄割拠する乱世となります。新興宗教が反乱の原動力にもなる先例となりました。
3 10/23 在中外国人の不満-安禄山の乱 755年、唐の玄宗皇帝と楊貴妃の時代に起きた安禄山の乱は、中国史上最大級の内乱でした。反乱の指導者・安禄山はソグド系とテュルク系の血を引く胡人で、現在の言葉でいえば「在中外国人」の有力軍人でした。唐王朝は国際色豊かな帝国でしたが、その一方で民族や文化の違いによる緊張や、いわゆる「ガラスの天井」の問題も抱えていました。この戦乱によって唐王朝は大打撃を受け、中国社会のあり方も大きく変化しました。国際国家とか多民族国家と呼ばれる唐王朝の破綻は、21世紀のグローバル化の時代を生きる私たちにも多くの教訓を残しています。
4 11/20 西洋思想の中国化-太平天国の乱 1851年に始まった太平天国の乱は、死者数千万人という中国史上最大規模の内戦でした。指導者の洪秀全は広東省出身の知識人で、キリスト教の影響を受けて自らを「イエスの弟」と称しました。しかし、その思想は西洋のキリスト教をそのまま受け入れたものではなく、中国独自の色がつけられました。洪秀全が創始した国家「太平天国」は南京を首都として一時は清王朝を脅かしますが、最終的には滅亡します。19世紀にはキリスト教が中国化して反乱の原動力となり、20世紀には民主主義やマルクス主義が中国化して中国革命の原動力となりました。
5 12/11 狂信的ナショナリズム-義和団の乱 1899年に始まった義和団の乱は、外国勢力への反発から生まれた民衆運動です。義和団の中心となったのは華北地方の農民や武術集団で、「扶清滅洋(清を助け、外国勢力を滅ぼす)」を掲げました。彼らは呪術的な信仰と迷信的な魔法の力によって「自分たちには西洋の銃弾も通じない」と信じ、多くの民衆を引きつけました。しかし日本を含む列強諸国の連合軍によって鎮圧され、清王朝はさらに弱体化します。無名の民衆たちによる暴力的なナショナリズムの沸騰は、その後の中国でも、文化大革命を始め、何度も繰り返されることになります。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は、12月18日(金)を予定しています。
◆本講座は対面でもオンラインでも受講できるハイブリッド講座です。対面・オンラインのご都合の良い形式でご受講いただけます。
◆講師は中野校の教室で講義し、オンラインで同時配信いたします。
◆対面でご受講される方は、通常の対面講座と同様に開講確定後にお送りする教室案内通知記載の教室にお越しください。
◆テキストはありません。教材はネット上に公開します。教室での対面受講者にはプリントを配付します。
◆オンラインで受講される方はオンライン講座と同様にマイページからご受講ください。
◆オンラインは、Zoomのウェビナー形式を使用しています。
◆オンラインでの受講予定の方はお申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆本講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター向け)

講師紹介

加藤 徹
明治大学教授
1963年、東京生まれ。東京大学中文科を卒業後、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。文学修士。専門は京劇(中国の伝統演劇)。著書に『京劇』(ちくま学芸文庫)、『西太后』(中公新書、2005年)、『貝と羊の中国人』(新潮新書、2006年)、『漢文で知る中国』(NHK出版、2021年)、『後宮』(角川新書、2025年)その他がある。NHKテレビ「中国語!ナビ」に出演中。
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