ジャンル 世界を知る
中野校
西欧食文化ヒストリー 食の歴史を通して、人と社会の関係性を知る!
大原 千晴(食文化ヒストリアン)
| 曜日 | 水曜日 |
|---|---|
| 時間 | 10:40~12:10 |
| 日程 |
全5回
・11月11日 ~
12月09日 (日程詳細) 11/11, 11/18, 11/25, 12/02, 12/09 |
| コード | 330304 |
| 定員 | 24名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・イスラーム・スペインの豊かな食文化の成り立ちと足跡を学ぶ
・コロンブス以降、新大陸経由でスペインから世界に波及した食文化を知る
・様々な道具やモノや絵画を通して、食文化の変遷を探る方法を学ぶ
・「肉食vs菜食」問題の歴史をグローバルな視点で捉え直す方法を学ぶ
・首都イスタンブールを通してオスマン帝国の豊饒なる食文化を知る
講義概要
本講座では、「食卓と人々の生きた歴史」をテーマに、食文化の変遷を多角的に学びます。今学期はまず2回に渡ってスペインの食文化の重層的な魅力と歴史を探ります。800年に及ぶイスラーム支配とユダヤ系の遺した痕跡をたどり、コロンブス以降、新大陸からスペイン経由で世界に波及した食の新世界を学びます。続いて、モノや絵画を通して食文化を探る多様な道筋を探り、次に、「肉食vs菜食」という大問題。その根底にある歴史とグローバルな生産配給構造からこれを見直します。そして最後に、20世紀まで続いたオスマン・トルコ帝国の首都イスタンブールの、多彩な民族の伝統が重なり合う食文化の源を探ります。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 11/11 | スペインの食文化1:古代フェニキア&イスラーム | スペインの食の歴史で最初に語るべきは、フェニキア人です。紀元前9世紀頃からレヴァント(現レバノン付近)からやってきて、現在のカディスやマラガやイビザ島に植民市を築き、オリーブ油とワインを生産し、これを各地に輸出し始めます。やがて8世紀初頭、ダマスカスに本拠地を置くウマイヤ朝がイベリア半島から現在のフランスの一部までを支配下に。イスラーム圏の先進的な灌漑技術と農業を持ち込むことで、洗練された食文化が花開き始めます。同じ時代一定の自由を許されたユダヤ人の豊かな食文化も見逃せません。15世紀半ばまでに、こうした要素がスペインの豊かな食文化の基礎となっていきます。 |
| 2 | 11/18 | スペインの食文化2:コロンブス以降、世界に甚大な影響 | 1492年キリスト教軍が、イベリア半島最後のイスラーム王朝撃破。宗教対立の中で、食が重要な役割を果たします。同年、スペインの港を出たコロンブスがカリブ海に到達。「アメリカ大陸発見」です。このことが今日の世界の食文化にもたらした影響は甚大です。スペインを窓口として、それまで欧州人が見たこともなかった様々な動植物が新大陸から続々と持ち込まれます。他方、欧州から新大陸に持ち込まれた動植物が、現地の植生や動物のエコシステムに与えた影響も見逃せません。さらに、スペインはメキシコを起点としてアジアに航路を拡大し、「食のグローバル化」の原点となっていきます。その興味深い展開を追います。 |
| 3 | 11/25 | モノ(食器や台所用具や農具)と絵画から探る食文化史 | モノは社会を映し出す鏡であり、そこには作られた時代の社会状況が反映されています。あるモノが誕生し普及し、やがて忘れ去られていく。その背景に、どのような社会の変化が秘められているのか。同じ視点で「食」をめぐる様々な絵画を読み解いてみると、そこに何が見えてくるのか。食文化の歴史の中でも「これっ!」 と思われるモノと画像(絵画)を選んで、そこに映し出される食をめぐる人間社会の様々な断面をご紹介します。 |
| 4 | 12/02 | 肉食VS菜食、世界の地殻変動 | 近年我が国の肉食主体の外食チェーンは凄まじい増加ぶりです。鶏から揚げ・ハンバーガー・牛丼・焼肉・とんかつ・ステーキまで。一人当たりの食肉消費はこの半世紀で5倍!驚くべき増加です。これに対して近年、肉食命のアメリカを筆頭に欧州各国でも、「反肉食・減肉食」を旗印とした問題提起が次々となされています。実際、欧州主要国の食肉消費は明確に減少傾向にあります。では、肉食の何が問題視されているのか。西欧での論争をたどり、翻って、我が国における肉食に対する考え方を振り返ります。果たして我々は従来どおり漫然と肉食の機会を増やし続けていいものなのか。現代の最先端「培養肉」や「植物性代替肉」の動向も視野に入れながら、グローバルな視点から、肉食の過去と現在と未来を考えます。 |
| 5 | 12/09 | イスタンブールの食文化が語るもの | 世界の3大料理と言えばそれは、中華料理にフランス料理そしてトルコ料理で、そのエッセンスはイスタンブールにあり。あるトルコ人から聞かされたセリフです。このお国自慢的発言には、しかし、大いに根拠ありとも感じます。その歴史的な背景には、20世紀初頭まで500年間続いたオスマン帝国の存在があります。広大な領土に実に様々な民族を包含しながら、政治も文化も食も、その多様な要素が入り混じり融合し、「大トルコ的世界」とでも呼ぶべき文化を産み出した大帝国。その中心都市の食文化を知ることは、オスマン帝国はもちろん、昨今静かに復活しつつある大トルコ圏の食文化を知ることに通じます。果たしてそこに、どのような食の光景が見えてくるのか探ってみましょう。 |
講師紹介
- 大原 千晴
- 食文化ヒストリアン
- 2017年より本講座を担当。早稲田大学法学部卒業。過ぎ去りし時代の料理・食材・宴席・食卓儀礼・農漁業という食をめぐる果てしなく広い世界。これを「人々の生きた歴史」として再現し、そこに秘められた現代社会とのつながりを発見する。この目標に一歩でも近づくことを目指して、毎回多数の歴史的な絵画や写真を提示しながら講義を進めます。著書に『アンティークシルバー物語』(主婦の友社)、『名画の食卓を読み解く』(大修館書店)等。




