ジャンル 人間の探求

早稲田校

社会心理学への「裏口」入門:社会心理学は社会の役に立つのか?

  • 秋講座

大坪 庸介(東京大学教授)

曜日 土曜日
時間 13:10~16:35 ※途中休憩をはさみます。
日程 全3回 ・10月03日 ~ 10月17日
(日程詳細)
10/03, 10/10, 10/17
コード 130543
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・社会心理学が基礎研究であり、応用研究ではないことを理解する。
・社会心理学の研究方法が実験でなければならない理由を理解する。
・基礎研究である社会心理学が社会の役に立つとしたらどう役に立つのか、考え方を身につける。
・応用ということを考えても理論が大切であることを理解する。

講義概要

社会心理学とは、実験により人の社会行動や社会的場面での心のはたらきを解き明かす学問です。通常の社会心理学入門のような講義では、基礎学問として紹介されることが多く、その応用的な意義(何の役に立つのか)はあまり強調されません。この講義では、むしろ「役に立つ」に光を当てつつ(だから「裏口」です)、社会心理学とはどういう学問なのかを解説したいと思います。社会心理学の研究方法が実験であるのはなぜか、理論が大事なのはなぜかといった入門講義で扱う内容も、「役に立つ」という観点を交えて考えてみます。

各回の講義予定

回 日程 講座内容
1 10/03 ①社会心理学実験とは②行動の理由を知っているのか? ①社会心理学というのは実験を使って人の社会行動を理解しようとする学問です。ところが、近年では、実験は証拠にもとづく政策決定のような応用的な分野でも利用されています。社会の役に立つ知見を得るためには実験でなくてはならなのはなぜかを考えます。
②実験が役に立つ方法だとしても、私たちは自分がなぜある行動をしたのかを説明することができます。だとしたら、わざわざ実験などせずに、「なぜあなたは〇〇をしたのですか?」と尋ねてはどうでしょうか?なぜ、これが妥当な研究方法ではないのかを説明します。
2 10/10 ③感情予測は不正確④驚きのある知見は役に立つ ③私たちは自分がある場面でどのように感じるか予測することができます(少なくともそう思っています)。ところが、これがそうでもないのです。私たちの感情予測が不正確であることと、そのことが応用的にどのような意味を持つかを考えます。
④役に立つ研究とはどのようなものでしょうか。社会心理学という領域では、それは常識を覆すような驚きのある研究かもしれません。そうした研究は、私たちの常識に根差して作られた制度や慣習の見直しを迫ります。社会心理学の研究の中でも驚きのある研究を紹介します。
3 10/17 ⑤再現性の危機⑥理論の大切さ:基準率の誤りを中心に ⑤社会心理学は学術雑誌に掲載された過去の実験結果が再現されないという問題に直面しています。この「再現性の危機」と言われる問題は、驚きがあって役に立つ研究を追い求めることの弊害かもしれません。
⑥再現性の危機という問題を踏まえて、応用的な関心がある場合にもやはり理論が大切だということを説明します。特に私たちが「基準率」というものを考慮し損なうことが多いという観点から説明します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は10月24日(土)を予定しています。

講師紹介

大坪 庸介
東京大学教授
Ph. D. (Psychology, Northern Illinois University)。北海道大学助手(2000年)、奈良大学講師(2002年)、神戸大学准教授(2007年)などを経て現在は、東京大学大学院人文社会系研究科・教授。専門は社会心理学、進化心理学。著書に『仲直りの理』(2021年、ちとせプレス)、『進化心理学』(2023年、放送大学教育振興会)などがある。
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