ジャンル 人間の探求
早稲田校
悟りと神秘体験 仏教・キリスト教・イスラム教の原点を考察する
正木 晃(宗教学者)
| 曜日 | 水曜日 |
|---|---|
| 時間 | 15:05~16:35 |
| 日程 |
全10回
・09月30日 ~
12月02日 (日程詳細) 09/30, 10/07, 10/14, 10/21, 10/28, 11/04, 11/11, 11/18, 11/25, 12/02 |
| コード | 130516 |
| 定員 | 36名 |
| 単位数 | 2 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・仏教・キリスト教・イスラム教の原点を神秘体験(根本体験)から考察します。
・古代から現代に至るまで、神秘体験の伝統が維持されてきた事実を認識します。
・神秘体験が偉人たちの生き方にいかに大きく影響したか、確認します。
講義概要
あらゆる宗教の原点に、必ずと言っていいほど、神秘体験があります。その体験は、仏教では悟りと呼ばれ、一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)では神からの召命などと呼ばれてきました。 考察するにあたり問題があるとすれば、神秘体験は極めて主観的な出来事であり、実際に有ったのか無かったのか、確かめようがないことです。しかしこの神秘体験がなければ、宗教という現象あるいは行為は成り立ちがたいことも事実です。このとおり神秘体験は扱いが難しい領域です。本講座では仏教・キリスト教・イスラム教の開祖をはじめ、歴史に名が残る人々の神秘体験を、古代から現代に至るまで、できる限り冷静かつ客観的に解明したいと思います。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 09/30 | ゴータマ・ブッダ | ゴータマ・ブッダの悟り体験を伝えている可能性が、唯一ある原始仏典の『怖駭経』の記述から、彼が何を体験し、悟ったかを考察します。 |
| 2 | 10/07 | イエス | ナザレのイエスは、何度も神秘体験を得ています。その対象も神とは限らず、悪魔との交渉も体験しています。また同じ新約聖書でも、イエスは、生まれたときから神もしくは神の子だったのか、それともある神秘体験を経て神もしくは神の子になったのか、見解は分かれています。 |
| 3 | 10/14 | ムハンマド | ムハンマドは40歳前後の頃、メッカ近隣のヒラー山で瞑想していたとき、唯一絶対の神アッラーから召命を、天使ガブリエルから受け取り、神の使途となりました。これがイスラム教の誕生です。当初、彼自身はジンと呼ばれる悪魔の仕業と思ったようですが、妻の強い勧めもあって、神の使徒として活動し始めたのです。 |
| 4 | 10/21 | 役行者と空海 | 修験道の開祖となった役行者も、真言宗の祖となった空海も、自然のまっただ中で修行しているとき、劇的な体験を得て、後世に多大の影響をあたえることになる宗派を打ち立てました。 |
| 5 | 10/28 | 法然と親鸞 | 浄土宗の開祖となった法然は、夢の中で、尊敬する善導大師という中国の僧侶から「あなたの信仰は正しい」と認められ、専修念仏を広めました。親鸞は悩んでいたとき、百日間の参籠を試み、やはり夢の中で聖徳太子/救世観音の霊験を得て、法然の弟子となり、やがて浄土真宗の祖となっています。 |
| 6 | 11/04 | 聖女たち(テレジアとヒルデガルト) | ヨーロッパ中世から近世にかけての時代、キリスト教の領域では、聖女たちがさまざまな神秘体験を得て、信仰を深めていました。しかしそのときの状況はさまざまでした。テレジアのように忘我状態で神や天使を幻視する例もあれば、ヒルデガルトのように全く冷静かつ尋常な状態で神や天使と出会う例もあったのです。 |
| 7 | 11/11 | 日蓮と一遍 | 日蓮宗の開祖となった日蓮は、日食や月食の中に愛染明王や不動明王に姿をありありと見るなど、たびたび神秘体験を得ています。時宗の開祖となった一遍も、熊野の山中で、山伏の姿で現れた熊野本宮大社の神=阿弥陀仏と出会うという神秘体験を得ています。 |
| 8 | 11/18 | ツォンカパ | チベット仏教の正統派を自任するゲルク派(ダライ・ラマの宗派)の開祖となったツォンカパは、文殊菩薩を崇め、その教えを請うていました。最初はある特定の人物を介して文殊菩薩と対話していましたが、次いで直に対話できるようになりました。そして夢の中で悟り体験をし、死の直後には自身が少年の姿の文殊菩薩となったと伝えられます。 |
| 9 | 11/25 | ルターとパスカル | 宗教改革の中心となったルターは、当初、宗教界に入る気持はなかったのですが、ある劇的な体験から宗教界に身を投じました。パスカルは、旧約聖書に記されている「モーセの燃える柴」をみずから体験し、熱心なカトリック教徒となっています。 |
| 10 | 12/02 | 関根正雄 | 旧約聖書研究の第一人者だった関根正雄は、冷静客観的な学問人であると同時に、熱烈な無教会主義キリスト者(プロテスタント)でした。そして神から言葉をかけられるという神秘体験を幾度も得ています。関根が死去したのは2000年ですから、つい最近まで、神秘体験はあったのです。 |
講師紹介
- 正木 晃
- 宗教学者
- 1953年、神奈川県小田原市生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。専門は宗教学(日本仏教・チベット仏教)。文献研究に留まらず、現地調査を実施しチベット・ヒマラヤ地域の調査は20回に及ぶ。高度でありながら誰でも理解できる仏教学を志向。著作は『「ほとけ」論』『現代日本語訳 法華経』など多数。




