ジャンル 人間の探求
早稲田校
最も重要な仏典を読み解く―原始仏典篇 仏教の原点を考える
正木 晃(宗教学者)
| 曜日 | 水曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全10回
・09月30日 ~
12月02日 (日程詳細) 09/30, 10/07, 10/14, 10/21, 10/28, 11/04, 11/11, 11/18, 11/25, 12/02 |
| コード | 130513 |
| 定員 | 36名 |
| 単位数 | 2 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・仏教の原点を、最初期の仏典から探求します。
・仏教が時代や地域により、大きく変容してきた事実を認識します。
・以上の過程を経て、仏教とは何かを考察します。
講義概要
仏教は2500年前の誕生から今日に至るまで時代と地域により、大きく変容してきました。その変容ぶりは、一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)に比べると非常に大きいのです。なぜ、仏教が大きく変容したのか。理由は根拠となる聖典(経典)そのものが大きく変容したからです。一神教が聖典としてきた新旧の聖書やコーランが早い時期に成立して固定化したのとは違い、仏教はそのときどきで新たな聖典を創出してきたのです。たとえば最初期に成立した原始仏典と日本仏教の聖典の内容は、同じ宗教とは思えないほど異なります。本講座では、仏典を原始仏典から順次、歴史に沿って読み解くことで、仏教とは何か?を考えます。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 09/30 | インド仏教の歴史 | インド仏教は2500年ほど前にゴータマ・ブッダ(釈迦牟尼仏)を開祖として誕生し、紀元後13世紀の初めに滅亡しました。その間に、原始仏教(初期仏教/小乗仏教)・大乗仏教・密教という3つのタイプの仏教が出現しています。この事実からわかるとおり、インド仏教は大きく変容していったのです。 |
| 2 | 10/07 | 『スッタニパータ』第4章① | 『スッタニパータ』は現存する最古の仏典とみなされています。その中でも、成立が最も早いとされる第4章と第5章を読み解きます。まず第4章①では、欲望・身体・悪意・老いを考察した部分をとりあげます。 |
| 3 | 10/14 | 『スッタニパータ』第4章② | 第4章②では、愛欲と嫌悪と貪欲の関係・争闘・暴力を考察した部分をとりあげます。 |
| 4 | 10/21 | 『スッタニパータ』第5章 | 彼岸(悟り)の境地に至る道について、弟子たちの質問に対するゴータマ・ブッダの解答をとりあげます。 |
| 5 | 10/28 | 『怖駭経』 | ゴータマ・ブッダが弟子たちに教えたのは、悟りへと至る道(方法)でした。ゴータマ・ブッダ自身の悟り体験そのものについては「言葉では表現できない」と言って、語りませんでした。そうした中で、唯一、悟り体験そのものを語った可能性があるとすれば、それは『怖駭経』です。 |
| 6 | 11/04 | 『聖求経』 | ゴータマ・ブッダが弟子たちに彼自身の体験をもとずいて、悟りの境地について説いています。出家の動機、修行の場所、悟りの段階、瞑想の対象、説法の開始などがかなり具体的にわかります。 |
| 7 | 11/11 | 『サンユッタ・ニカーヤ』第1巻 第4篇「悪魔についての集成」より「悪魔との対話」 | 日本の仏教界ではほとんど知られていませんが、ゴータマ・ブッダは悟った後も、涅槃を迎えるまでずっと悪魔と対話し続けています。悪魔はしつこくゴータマ・ブッダにつきまとい続けたのです。つまり悟ったからと言って、悪魔との縁が切れたわけではないのです。 |
| 8 | 11/18 | 『サンユッタ・ニカーヤ』第1巻 第4篇「悪魔についての集成」より「ゴーディカー死者の霊魂」 | 仏教の概説書を読むと、ゴータマ・ブッダは霊魂の存在を認めなかったとよく書かれています。また自殺を認めなかったともよく書かれています。しかし原始仏典を丁寧に読んでいくと、これはかなり怪しい話です。実際は、自殺を認めていましたし、死後における霊魂の存在も認めていた事例が見出せるからです。 |
| 9 | 11/25 | 『大般涅槃経』① | 『大般涅槃経』はゴータマ・ブッダの涅槃(死)を語ります。最晩年、ゴータマ・ブッダはおそらく故郷を目指して旅立ちました。その旅の間に、共和制を称賛したり、遊女からもてなされたり、鍛冶工から食事をいただいたりしました。その食事が原因で、赤痢か食中毒にかかり、血便を垂らすなど苦しみながら、旅を続けたのです。 |
| 10 | 12/02 | 『大般涅槃経』② | ゴータマ・ブッダが涅槃を迎えたとき、実は弟子たちの間ではいろいろな悶着が起きていました。ゴータマ・ブッダほどの偉人でも、すべての弟子を正しく指導することは至難のわざだったのです。また遺骨(舎利)の処理について詳しく指示していて、この指示から仏教が最初から「葬式仏教」だった可能性が明らかになります。 |
講師紹介
- 正木 晃
- 宗教学者
- 1953年、神奈川県小田原市生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。専門は宗教学(日本仏教・チベット仏教)。文献研究に留まらず、現地調査を実施しチベット・ヒマラヤ地域の調査は20回に及ぶ。高度でありながら誰でも理解できる仏教学を志向。著作は『「ほとけ」論』『現代日本語訳 法華経』など多数。




