ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

『常陸国風土記』からみた古代の東国 古代人の政治・宗教・文化を読み解く

  • 秋講座

瀧音 能之(駒澤大学名誉教授)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・09月29日 ~ 12月08日
(日程詳細)
09/29, 10/06, 10/13, 10/20, 10/27, 11/10, 11/17, 11/24, 12/01, 12/08
コード 130211
定員 23名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・古代の史料の読み方を身につける。
・古代人の政治・宗教・文化について、理解を深める。
・古代における東国の特殊性について、考える力を身につける。

講義概要

『風土記』は、奈良時代に国ごとにまとめられた地誌で、完全本は残っていませんが、まとまった形のものは、現在、5カ国のものが残っています。そのうちの1つが『常陸国風土記』です。『風土記』は、原本は残っていませんが、写本で伝えられています。『常陸国風土記』は、それらのうちで、比較的、内容が豊富に残されています。皆さんと読み込んで、古代の東国についての政治・宗教・風俗の実態を具体的に考えていきたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/29 『常陸国風土記』と記・紀の国譲り神話を比較する 香(鹿)島郡(1) 常陸の東南に位置する鹿島郡について、読んでいきます。香島郡には、記・紀神話と似た神話が見られますので、比較を見てみます。また、香島郡は、現在、鹿島神宮で有名ですが、古代では、香島と香取は、同じ生活共同体であったと思いますが、現在では、香島は茨城県、香取は千葉県というように異なった県に位置しています。この事情についても、解説を行います。
2 10/06 『常陸国風土記』からみた鹿島神宮の御舟祭の起源 香島郡(2) 香島の神事について、解説します。現在の鹿島神宮には、御舟祭という興味深い神事が行われていますが、それを思わせる伝承が『常陸国風土記』には見られます。そのことについて、考えてみたいと思います。
3 10/13 『常陸国風土記』に見られる香島神宮の神戸を考える 香島郡(3) 古代の有力な神社には、特定の戸がその神社の経済を支えるために神戸として、政府から与えられています。香島神宮にもそれが見られます。香島神宮をモデルとして、神戸と古代の神社について、考えてみます。
4 10/20 『常陸国風土記』からみた歌垣の実態 香島郡(4) ここには、歌垣の伝承が見られます。歌垣は、古代の民衆の楽しみとして知られていますが、その実態については、いまだに不明な点が多く、はっきりしません。この史料には、具体的な記述が見られるので、それを分析して、歌垣の実態を考えてみたいと思います。
5 10/27 『常陸国風土記』からみた常陸と大和の伝承 那賀郡 常陸国のほぼ中央に位置する那賀郡について読んでいきます。ここには、一夜のうちにどんどん成長する不思議な蛇の伝承が見られます。この伝承をもとにして、記・紀神話の三輪山伝承などと、比較して解説したいと思います。
6 11/10 『常陸国風土記』からみた鬼と道教 久慈郡(1) 常陸国の北部に位置する久慈郡について読んでいきます。ここには、鬼の伝承が記されています。この伝承は、道教との関係を示唆するものとして、興味深いものです。道教の古代社会に及ぼした影響などについて、考えてみます。
7 11/17 『常陸国風土記』からみた東国の特産物と酒 久慈郡(2) ここにも香島郡と同様の歌垣の伝承が見られます。人々は、久慈の味酒を持ち寄って、楽しむと出てきます。ここから、古代の特産物の存在について考えてみます。
8 11/24 『常陸国風土記』からみた土蜘蛛の正体 久慈郡(3) ここでは、土蜘蛛の伝承が見られます。土蜘蛛は『常陸国風土記』に複数回見られますが、その正体については、不明な点が多く、はっきりしません。ここでは、改めて、伝承を通じて、土蜘蛛とは何であったのか、考えてみます。
9 12/01 『常陸国風土記』からみた建郡記事 多珂郡(1) 久慈郡の東側に位置する多珂郡について、読んでいきます。ここには、郡(郡役所)の設置記事が見られます。こうした郡の設置は、『常陸国風土記』の特色の1つでもあります。郡の設置についての具体的な様子を見ていきたいと思います。
10 12/08 『常陸国風土記』と地方の仏教 多珂郡(2) 『常陸国風土記』には、仏教がどのように伝わったかについては、具体的には見られませんが、ここには、観音菩薩の像を岩壁に彫って、信仰している様子が見られます。大変、珍しい記事といえるこの伝承をめぐって、古代の地方における仏教について考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2026年度春期の講座の続編ですが、史料は講師が読んで解説していきますので、初めての方もご受講いただけます。秋学期は、春学期に読み終わった所から続けて読んでいきたいと思います。
◆テキストは指定せず、『常陸国風土記』についてのプリントを配付する予定です。

講師紹介

瀧音 能之
駒澤大学名誉教授
1953年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、明治大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。専門分野は、日本古代史。著書に『出雲古代史論攷』(岩田書院)などがある。

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